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16.7.2025

ロレックスの修理(オーバーホール)の依頼先はどこが良い?修理費用や期間・注意点も解説

Komehyo

ロレックスのオーバーホールや修理では、依頼先によって対応やサービス内容が異なります。

本稿では日本ロレックスと非正規の修理専門店の、メリット・デメリットや費用を比較しています。

大切なロレックスのオーバーホールや修理をどこに依頼すべきか、判断する際の参考になるはずです。

 

ロレックスのオーバーホールや修理の依頼先はどこが良い?

ロレックスのオーバーホールや修理の依頼先として考えられるのは次の3カ所です。

 

  1. 1.「日本ロレックス」(サービスセンター)
  2. 2.ロレックス正規販売店
  3. 3.非正規の修理専門店

 

それぞれのメリット・デメリットを解説していきます。

 

1.「日本ロレックス」(サービスセンター)に直接依頼

日本ロレックスにオーバーホールや修理を依頼する方法は、サービスセンターへの訪問と送付の2通りがあります。

訪問できるロレックスのサービスセンターは東京に2カ所、大阪と神戸にそれぞれ1カ所あります。

送付でのオーバーホールや修理の依頼は、東京と大阪にある専用サービスセンターで受け付けています。

 

メリット

日本ロレックスにオーバーホールや修理を依頼するメリットは、次の通りです。

 

  1. 1.安心感がある
  2. 2.ロレックスに特化している
  3. 3.純正パーツのみを使用する
  4. 4.保証期間が長い

 

時計業界随一のブランド力によるロレックスの安心感は、サービス面でも同等です。電話や受付の対応も申し分なく、大切な時計を預ける不安は感じられません。

また、ロレックスのオーバーホール・修理だけを受け付けているのも、安心感につながります。技術者はロレックスを扱うための教育を受け、十分な経験を積んでいます。

 

そして、交換パーツに純正のものを使うのも、日本ロレックスに依頼するメリットです。妥協せずに開発・製造されたロレックスの純正パーツは、時計の高い性能や価値を支えるものです。

 

日本ロレックスでのオーバーホール・修理後には、2年間の国際保証がついたサービスカードが発行されます。非正規の修理専門店の保証期間はおおむね1年間であることを踏まえると、ロレックスのオーバーホール・修理への自信が感じられるでしょう。

 

デメリット

日本ロレックスでオーバーホール・修理をおこなうメリットは大きなものですが、デメリットも大きいのが難点です。

 

  • 費用が高い
  • ・完璧を求める

 

日本ロレックスのオーバーホール・修理の費用は高額で、非正規修理専門店の約3倍の費用がかかります。

 

あわせて、場合により完璧を求めすぎるように感じるのも日本ロレックスのデメリットです。

オーバーホール・修理の前には見積りをもらえますが、たとえ内容に納得できなくても、見積もりの内容をオプション項目以外では個別に選ぶことはできず、基本的には提示された作業項目を受け入れる必要があります。

 

たとえばオーバーホールを依頼したら、風防の交換費用が含まれていたとしましょう。

劣化した風防では防水性能が保てないとのことですが、問題なく使えていると伝えても、風防の交換なしではオーバーホールは受け付けてくれないのです。

 

ロレックスの性能の維持は、オーバーホール・修理の目的のひとつとはいえ、費用がさらに高額になることで、不満を感じる方も多いことでしょう。

 

2.ロレックス正規販売店

正規販売店で購入した方が最初にイメージするであろう依頼先ですが、メリット・デメリットは日本ロレックスへの直接依頼とほぼ変わりません。

正規販売店では受け付けた時計を、日本ロレックスに送って対応しています。

 

メリット

日本ロレックスへの直接依頼のメリットに加えて、正規販売店ならではといえば軽微なトラブルはその場で解決できることです。

たとえば、ブレスレットの付け替えやサイズ調節なら販売店でも対応できるので、時間や費用の節約になります。

 

デメリット

日本ロレックスへの直接依頼のデメリットに加えて、さらに時間がかかるのが正規販売店に依頼するデメリットです。

依頼者が販売店まで時計を持参する時間や、販売店が日本ロレックスに送付するまでの時間が余計にかかります。

 

3.非正規の修理専門店

ロレックスのオーバーホール・修理は、日本ロレックスでしかおこなえないわけではありません。非正規の修理専門店でも受け付けており、多くの実績を持つところも見つかります。

 

メリット

非正規の修理専門店でロレックスのオーバーホール・修理をおこなうメリットは、次のふたつです。

 

  • ・費用が安い
  • ・融通が利く

 

最大のメリットは、日本ロレックスに依頼した場合よりも費用が約3分の1に抑えられることです。ロレックスは最新のモデルなら10年に一度、古いモデルなら4、5年に一度のオーバーホールが必要とされています。維持費が安いというかからない魅力は、ロレックスを複数所持している方にとって大きなメリットとなります。

 

また、依頼した処置だけおこなってくれたり、使用パーツを純正品と代替品から選べたりするのも、非正規の修理専門店を利用するメリットです。風防交換なしではオーバーホールを受け付けないといったことは、非正規の修理専門店では起こりません。

 

デメリット

非正規の修理専門店を利用するデメリットは、次のふたつです。

 

  • ・どことなく不安を感じる
  • ・対応できないこともある

 

大切な時計を預けるのに、どことなく不安を感じるのは大きなデメリットです。特に利用したことがない修理専門店にまかせるのは不安でしょう。ホームページなどを参考に、慎重に依頼先を選ぶ必要があります。

 

また、非正規の修理専門店でメンテナンスされた時計は、稀に日本ロレックスに改造品とみなされてしまうケースがあります。

その場合、正規の保証を打ち切られることや、オーバーホール・修理を受けられなくなることもあるでしょう。

 

そして、非正規の修理専門店では対応しきれない場合があるのもデメリットです。

場合によっては、修理専門店から日本ロレックスに送られることもあり、費用が安くならないばかりか、時間も余計にかかってしまいます。

 

ロレックスの修理費用はどれくらい?

日本ロレックスでのオーバーホール・修理は、非正規の修理専門店の3倍程度の費用がかかると述べましたが、ここからは、実際にかかる費用を見ていきましょう。

 

正規サービス「日本ロレックス」の場合

次の表は日本ロレックスでのオーバーホールや修理費用をまとめたものですが、実際には価格改正などで異なる可能性があります。見積り書をよく確認したうえで依頼してください。

 

オーバーホール

日本ロレックスでのオーバーホールは、機能やケースの素材、製造年代に応じて費用が変わります。

特徴 モデル例 費用
3針モデル オイスターパーペチュアル 8万2,500円~
デイト付、GMT付など デイトジャスト、サブマリーナ―、GMTマスターなど 9万9,000円~
貴金属ケース デイデイトなど 11万円~
クロノグラフ付 デイトナ 11万円~

 

長針と短針、秒針しかないシンプルな3針モデルは、オーバーホール費用も比較的安価ですが、デイトやGMTなど機能が複雑なものは高価になります。費用が最も高くなるのは、クロノグラフ機能付きのデイトナです。

 

ケースの素材でも、オーバーホール費用は変わります。表では例としてデイデイトを挙げていますが、ほかのモデルも貴金属ケースのものは割り増しになるでしょう。

 

ロレックスでは古いモデルほど、オーバーホール費用が高額になります。エクスプローラーなら114270が9万9,000円に対して、14270は12万1,000円なので、2割増しくらいの感覚です。

 

上の表はオーバーホールの基本費用であり、通常は経年劣化したパーツの費用と技術料が加算されます。たとえば防水のためのゴムパーツ類を交換したら、1万円くらい加算されると考えてください。

 

修理

修理では破損したパーツの交換がおこなわれます。次の表はロレックスの純正パーツ費用のごく一部ですが、総じて高価です。

実際の修理には、これに技術料が加算されます。

バネ棒(1本) 3,300円~
サファイアクリスタル風防 6万6,000円~
リューズ 3万5,200円~
巻き芯 5,500円~

 

バネ棒とはケースとブレスレットをつなぐパーツで、ブレスレットが外れる故障で交換されます。

風防とは文字盤を覆うパーツのことで、現行のロレックスすべてにサファイアクリスタル製のものが使われています。風防が欠けたり割れたりした場合、全体を交換して修理します。

リューズとは時間調節やゼンマイの巻き上げに使われるパーツで、巻き芯はリューズとムーブメントをつなぐパーツです。リューズが取れたり巻き芯が折れたりするのは、よくある故障ですが、修理にはそれぞれのパーツを交換して対応します。

 

非正規の修理専門店の場合

ロレックスの修理は、正規店以外にも「非正規の修理専門店」で受けることができ、料金は比較的リーズナブルなケースが多いのが特徴です。

例えば、非正規店でのオーバーホールの費用は2〜4万円程度、部品交換が発生した場合でも合計で5万円〜10万円ほどが目安とされています。
ただし、上記の金額はあくまでも一例であり、店舗や修理内容によって大きく異なる場合があります。実際の費用は個別の見積もりに基づいて決定されますので、事前に確認することをおすすめします。

なお、当社コメ兵では、名古屋本店にてロレックスの修理を受け付けております。修理料金はすべてお見積もりの上でご提示しておりますので、上記に記載した一般的な相場とは異なる場合がございます。時計の状態や必要な作業内容に応じて最適なご案内をさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

オーバーホール

次の表は非正規の修理専門店でのオーバーホール費用の例です。日本ロレックスより大幅に安く依頼できるとわかります。

特徴 費用
3針モデル 2万5,300円~
デイト付、GMT付など
貴金属ケース 3万3,000円~
クロノグラフ付 4万1,800円~

 

オーバーホールの費用は、クロノグラフとそれ以外、貴金属ケースの3種類に分けられているのが一般的です。

またモデルの新旧で金額が上下することはありませんし、経年劣化したパーツの交換で必要な費用も安くなるでしょう。

 

修理

非正規の修理店の多くは、修理に使用するパーツはロレックス純正品と代替品から選べます。次の表はロレックスの非純正パーツの一例ですが「ロレックスの修理費用はどれくらい?」にある純正パーツの費用表とくらべると、驚くほど安いことがわかります。

バネ棒(1本) 550円~
サファイアクリスタル風防 4,400円~

 

とはいえ代替品の信頼性に疑問があるのは事実です。代替品のバネ棒が純正品同等の強度があるかや、非純正品の風防が水深300mの水圧に耐えられるかはわかりません。

 

また、非純正品には純正品のようにロレックスのマークやロゴは入りません。風防には王冠マークの透かしはありませんし、非純正パーツでリューズを修理するなら、王冠マークは望むべくもありません。

 

ロレックスの修理によくある疑問

ここからは正規・非正規に共通する、修理によくある疑問に答えていきます。

オーバーホール・修理にかかる時間や、中古で購入したロレックスの依頼先は、多くの方が気になっているはずです。

 

ロレックスの修理にかかる期間

オーバーホール・修理にかかる期間は日本ロレックスの方が、非正規の修理専門店よりも長くかかるとされています。日本ロレックスには多くの依頼が寄せられており、順番待ちが長くかかってしまうのです。

 

たとえばオーバーホールに日本ロレックスでは2カ月ほどかかりますが、非正規の修理専門店なら1カ月程度で完了するでしょう。修理の場合は部品を取り寄せる必要があり、オーバーホールよりもさらに時間がかかります。

 

古いモデルのオーバーホール・修理には、新しいモデルよりも時間がかかるものですが、それでも非正規の修理専門店の方が早く仕上がるでしょう。

 

中古で買ったロレックスは正規ルートで修理できる?

中古で購入しても、日本ロレックスでのオーバーホール・修理は受け付けてくれますが、改造されていない場合に限ります。

 

改造と見なされるのは、たとえば非純正パーツを用いた修理です。文字盤の塗り直し(リダン・ダイヤル)も、改造に含まれるので注意が必要です。

 

どうしても日本ロレックスでオーバーホール・修理を受けたいなら、新品を正規販売店から購入するか、中古品なら信頼のおけるショップから購入するのがよいでしょう。

中古品を購入する際には代替パーツが使われていないかの確認や、使われている可能性が低い、新しいモデルの選択が必要になります。

 

ロレックスのオーバーホールや修理を依頼する際の注意点

ロレックスのオーバーホール・修理では、アンティークや非純正パーツの扱いに特に注意が必要です。

いずれもトラブルの元なので、購入時や使用時には注意してください。

 

アンティークなどは修理できない場合がある

日本ロレックスと非正規の修理専門店に共通するのは、どんなものでもオーバーホール・修理を受けられる訳ではないことです。

 

ロレックスでは純正パーツの保持を、廃盤から25年間と定めているようで、それより前に製造された時計のメンテナンスは、断られてしまう可能性があります。

 

非正規の修理専門店なら、代替パーツでメンテナンスできる可能性がありますが、あまりに古いと代替パーツもないことを理由に、断られてしまうかもしれません。

 

中古のロレックスを購入する際には、メンテナンスも引き受けてくれるかや、いつごろ製造されたものかの確認が必要です。

 

代替品でのパーツ交換は資産価値が下がる

ロレックスのオーバーホール・修理を非正規の修理専門店に依頼すると、代替パーツをすすめられるかもしれませんが、資産価値が下がる可能性を覚悟しなければなりません。

 

日本ロレックスでのメンテナンス履歴や純正パーツの使用にこだわる方に、販売できなくなることや、日本ロレックスでのメンテナンスが受けられなくなることが理由です。

 

代替パーツのメリットはオーバーホール・修理の費用が抑えられるメリットがありますが、同時にデメリットもあることを把握しておきましょう。

 

まとめ

ロレックスのオーバーホールや修理の依頼先は、費用を抑えたい場合や、日本ロレックスで受け付けてもらえない古いモデルを除けば、正規サービスを選ぶのが無難です。正規サービスであれば、安心感や資産価値の維持といった面で有利ですし、保証も受けられるため、後々のトラブルも避けやすくなります。一方で、費用を重視する場合や、正規サービスで対応不可の古いモデルを所有している場合には、非正規の修理専門店を検討するのも選択肢となるでしょう。

 

なお、コメ兵には、オーバーホール・修理の専門スタッフが在籍しています。名古屋本店本館では専門カウンターで、電池交換やトラブルの相談を受け付けているので、お気軽にご利用ください。

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