5.11.2025
ロレックスは本当に「昔は安かった」のか?価格高騰の理由と今のおすすめの買い方
Komehyo
「ロレックス、昔はもっと安かった..」
「価格が上がり続けるのは、この水準でも買う人がいるから?」
ロレックスは、今や高級時計の象徴として知られていますが、その価格は年々高騰しています。約30年前のロレックスは現在と比べ手の届きやすい価格でしたが、いまは価格が上昇し、入手自体も難しくなっています。
この記事では、ロレックスの価格高騰や変動の傾向、高くても購入する人の心理について紹介し、ロレックスを手に入れる選択について解説します。
ロレックスは昔は安かった!現在と30年前からの価格変化

ロレックスは、高級腕時計の代表的なブランドとして知られていますが、30年前のロレックスは現在ほどの高額な価格帯ではありませんでした。人気モデルの価格を以下のように30年ほど前と現在とで比べれば、ロレックスは今よりも手を出しやすかったという印象になります。
| モデル | 30年ほど前の定価(型番) | 2025年の定価(型番) |
| コスモグラフ デイトナ(ステンレススチール) | 約50万円(Ref.16520) | 約240万円(Ref.126500LN) |
| サブマリーナーデイト(ステンレススチール) | 約45万円(Ref.16610) | 約160万円(Ref.126610LN) |
| デイトジャスト(ステンレススチール) | 約50万円(Ref.16234) | 約140万円(Ref.126234) |
また、ロレックスの需要は正規品の供給が追いつかないほど急増しているため、本来正規品より安く取引される並行輸入品や中古品の市場にも影響しています。かつては並行輸入品や中古品は「正規品より安い選択肢」でしたが、現在は「入手しやすい手段」という認識が強まっています。
なぜロレックスはここまで高くなったのか?価格高騰の4つの要因

ロレックスは「昔は安かった」と感じられるほどに高くなっていますが、急激に高騰したのはここ10年ほどです。ロレックスがここまで高騰した主な理由を4つの要因に分けて解説します。
- ①世界的な物価高騰とブランド価値維持
- ②資産目的の需要超過と品質重視による供給制限
- ③投資・転売需要の増加とブランド戦略
- ④製造方法の違い
①世界的な物価高騰とブランド価値維持
ロレックスの価格が上昇した理由の一つは、世界的な物価の高騰と円安の影響を受けているためです。30年前に比べて物価は上昇し、為替は1ドル=約100円から現在は約150円まで円安が進み、価格に影響しています。
そして、ロレックスは世界中で人気があり、高級ブランドとして展開しています。そのブランド価値を維持するためには、誰にでも購入できるわけではないという希少性が重要となります。
これらの理由から、ロレックスの正規品の定価は年々上昇しています。つまり、30年前と比べて「昔は安かった」と感じるのは自然なことです。
②資産目的の需要超過と品質重視による供給制限
ロレックスの価格が上がり続ける理由は、高額でも購入する人がいるからです。30年前と比べて世界情勢は大きく変化しました。特に欧米諸国や中東、中国、インドなど新興経済国などで高所得者層が増えており、こうした層が高級腕時計を資産としてのステータスシンボルや投資対象として購入するようになりました。
さらにロレックスは、厳格な品質管理のもと、ムーブメントから外装まで自社一貫で製造する「マニュファクチュール」体制です。この体制では急激に生産数を増やすことができないため、世界的に需要が急増しても供給は追いつかない状態が続き、中古市場での高額取引が続いています。
③投資・転売需要の増加
最近増加しているロレックスを購入希望する層には、気に入ったモデルではなく人気モデルや限定モデルであればいくつでも購入しようとする投資や転売目的の人がいます。
30年前には、投資としてや、転売目的で購入する人たちは少なかったのに対し、現在はこのような層の購入も多くなっているため、需要が増加し、価格が高騰しています。
④製造方法の違い
1990年代の高級時計製造は、主にプレス(鍛造)技術が主体でした。これは金型を用いて金属に圧力をかけ、堅牢なケースを効率的に量産する手法でした。しかし2000年代以降、消費者の嗜好が多様化し、よりエッジの効いた多面的で複雑なデザインが求められるようになります。
この要求に応えるため、製造技術の主流は、コンピュータ制御で金属の塊から精密に形状を削り出す「多軸CNC切削加工」へと移行しました。
CNC加工は、プレスでは不可能な立体造形を実現できる一方、1点あたりの加工時間が非常に長くかかります。また、高価なCNC機械への設備投資や、チタンやセラミックといった加工困難な新素材への対応も必要になりました。
このように、製造の主流が「効率的なプレス」から「高コストな切削」へと移行し、複雑なデザインを実現するために時間とコストをかけるようになったことが、技術面における価格高騰の大きな理由です。
ロレックス人気モデルの価格推移の傾向

ロレックスの定価は物価高騰やブランド戦略が合わさり、モデルに関係なく上昇しています。ロレックスの公式HPで定価は確認できますが、特に以下の人気モデルについては全体的に高騰していることがわかります。
- ・コスモグラフ デイトナ
- ・GMTマスター
- ・サブマリーナー
- ・エクスプローラー
- ・デイトジャスト
①コスモグラフ デイトナ

1963年に初めて登場したデイトナは、当初レーシングドライバーのプロ向けに設計されたロレックスの現行製品で唯一のクロノグラフモデルです。ロレックスの中でも特に高い人気を誇るため、その価格推移も顕著な例を示しています。
20年前、30年前のデイトナは現在の価格と比較するとかなり手頃な価格で取引されていましたが、2018年頃から急激な価格高騰が見られます。現在の傾向としては、新品のデイトナは定価で購入することが非常に困難で中古市場での高額取引が現実的です。
ロレックス コスモグラフ デイトナ、オイスター、40 mm、オイスタースチール、リファレンス、126500LN(¥2,349,600)
②GMTマスター Ⅱ

GMTマスター Ⅱは、1983年に登場したGMTマスターの後継モデルで、パイロットや国際旅行者向けに2都市の時間を同時に確認できる機能を持つ時計です。特徴的な24時間ベゼルを回転させることで、複数のタイムゾーンの時刻を簡単に把握できます。
特にレッドとブルーのベゼルを持つ「ペプシ」や、レッドとブラックのベゼルを持つ「コーク」は、コレクターや愛好家の間で非常に高い人気を誇ります。ここ20年から30年でその価値は大きく上昇し、新品は供給が限られているため購入が難しく、中古市場でも高額で取引されることが多いモデルです。
GMTマスター Ⅱ、オイスター、40 mm、オイスタースチール、リファレンス 126710BLRO(¥ 1,633,500)
③サブマリーナー

サブマリーナーは1953年に世界初の本格的なダイバーズウォッチのひとつとして登場したロレックスの代表的なモデルです。
30年前のサブマリーナーは定価40万円程度と現在の価格と比較するとかなり手頃でした。しかし、2020年に発売された定価120万円のモデルが、発売直後から買取金額が200万円前後とかなり高額で取引されていました。
現在のサブマリーナーはロレックスの中でも特に高い需要を持つモデルの一つであり、中古市場でも高価格で取引されている状況です。
サブマリーナー、オイスター、41 mm、オイスタースチール、リファレンス 124060(¥ 1,400,300)
④エクスプローラー

1953年に登場した冒険者の名を冠するエクスプローラーは、ロレックスがエベレスト登頂に使用されたことをきっかけに開発されたモデルです。
初期モデルのエクスプローラーIの価格推移は過去数十年間で安定的な上昇が見られます。ロレックス相場が一気に高騰した2020年あたりからエクスプローラーも価格高騰しましたが、まだまだ100万円を超えるモデルは多くありません。
しかし、上位モデルとして誕生したエクスプローラーIIの価格は過去数年、右肩上がりで着実に上昇しています。特に白文字盤のモデルは価格が急騰していて、あるモデルは2017年の平均相場が約72万円でしたが、その後は年約10万円ずつ上昇し、2023年には100万円を超えました。
エクスプローラー Ⅱ、オイスター、42 mm、オイスタースチール、リファレンス 226570(¥ 1,477,300)
⑤デイトジャスト

ロレックスを代表するシリーズであるデイトジャストの登場は1945年、ビジネスシーンをはじめ幅広い場面に対応できるバリエーションの多さはロレックスの中でも随一となります。
30年前のデイトジャストは新品価格が20万円から30万円程度で、現在正規店で購入する場合の定価は100万円台です。中古品は200万円程度が多く、比較的手に入れやすい傾向にあるモデルとなっています。
デイトジャスト 36、オイスター、36 mm、オイスタースチール&ホワイトゴールド、リファレンス 126234 (¥ 1,399,200)
昔より高いのになぜ買う?購入者の3つの心理

ロレックスの価格は、昔に比べて大幅に高騰しています。それにもかかわらず、依然として多くの人々がその時計を購入し続けている理由としては以下が挙げられます。
- ①手に入らないモデルを手に入れたいという強い欲求
- ②ブランドやステータスを重視する心理
- ③投資価値や価値上昇への期待
それぞれ解説していきます。
①手に入らないモデルを手に入れたいという強い欲求
ロレックスは人気モデルほど正規店の供給が追いつかず、並行輸入品や中古品でも高騰するほど需要は急増しています。その結果、昔より高くても「今買わなければ、次は手に入らないかもしれない」といった焦燥感によって購入が後押しされます。
希少なものほど価値を感じ、所有で満足を得るという基本的な心理が働くためです。ロレックスは長年にわたって高品質であるブランドイメージを守り続ける戦略を取っており、ファンでなくても手に入りにくいモデルほど「より価値があるもの」として認識します。
②ブランドやステータスを重視する心理
ロレックスは単なる腕時計ではなく、ステータスシンボルとしての側面も強いブランドです。ロレックスを購入する層は所有自体が社会的地位や成功の証となると考え、他人からの評価や自己満足を得られるため、高価な価格が設定されていても購入を決意します。
特に世界的に増えた高所得者層が高級ブランド品を手に入れることに関心を持っているのは、そのような心理が働いているからです。
③投資価値や価値上昇への期待
現在ロレックスは人気モデルほど需要が高いため中古市場でも高騰し続ける傾向にありますが、2020年から2022年まではさまざまな要因が重なり価格が下落していました。現在は相場が落ち着いている局面もあり、「今買っておけば当面の価値維持や上昇が期待できる」と見る投資的な視点から高額な並行輸入品や中古品でも購入されています。
「昔は安かった」と感じた人が「将来はもっと価値が上がり財産となるかもしれない」と考え購入につながることもあります。
価格高騰時代でも賢く買う方法

ロレックスの高騰時代で重要なことは、欲しいモデルを安く購入する方法を探すことではなく、以下の方法などで賢く購入することです。
- ①正規店では手に入らない人気モデルを買うなら中古
- ②中古市場で今が買い時な理由
- ③信頼できる中古販売店の条件と選び方
①正規店では手に入らない人気モデルを買うなら中古
ロレックスを投資目的で購入する人が中古品でも資産価値が落ちにくいと判断するように、長期的に見ても中古市場での購入は賢い判断だと言えます。中古市場には良い状態で流通していることが多く、正規店よりも手に入れやすい状況です。
ロレックスの人気モデルであるデイトナやサブマリーナー、GMTマスターなどは供給が追いつかず、正規店で購入できるチャンスは限られています。正規店での購入にこだわり、日課として複数の正規店を回り続ける「ロレックスマラソン」を行っている人はいます。しかし、中古市場で購入するよりも時間も労力もかかるため、相当覚悟が必要となる選択です。
②中古市場で今が買い時な理由
ロレックスの現在の中古市場は相場が安定しているため、将来の価値維持や資産性を重視して今購入することは賢い選択と考えられます。特にロレックスはブランド戦略として、安易に大量生産をしたり、定価を下げたりをしないので、中古市場の相場も上がり続ける傾向にあります。
30年前に買い逃して「昔は安かった」と後悔するように、今買い逃せば将来も同じ後悔をするでしょう。しかし、今購入して将来さらに高騰すれば、意味合いが異なる「昔は安かった」という感想が出るのではないでしょうか。
③信頼できる中古販売店の条件と選び方
中古市場でロレックスを購入する際、信頼できるショップを選ぶことは最も重要です。正規販売店以外だと、出所不明な代物や模造品を取り扱っている場合があるため商品の品質を保証する信頼性の高いショップを選ぶ必要があります。
信頼できるショップの選び方としては、保証や返品対応などのアフターサービスを用意していることが基準になります。取り扱っている商品に対して責任をもって販売しているということだからです。
ロレックスの買い時は「安いとき」だけではない!

ロレックスが昔は安かったというのは事実です。しかし、今後も定価が上がり続けることが予想されるため、安いときを狙って待ち続けるのではなく欲しい気持ちのある今手に入れることが満足できる賢い選択となります。
ロレックスを今すぐ手に入れたい方は、高級腕時計の取扱実績が豊富なKOMEHYOのショップをチェックしてみましょう。信頼できる鑑定と豊富なラインナップの中から、自分にぴったりの一本を見つけることができます。
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