高級腕時計の時計通信

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30.11.2024

【2024年度版】高級腕時計 人気ランキングTOP20 ~実データ編~

Komehyo

大人の男性として一歩進んだ気持ちになれるメンズファッションアイテムである、高級腕時計。メーカーやブランドとしてのステータスはもちろんですが、デザイン性やトレンドも押さえながら、自分に合ったものを見つけたいですよね。

今回は、店舗への「問い合わせ件数」を基準に高級腕時計の人気ランキングを独自に調査しました。また、ランキングから読み取れる傾向などについてもまとめていますので、ぜひ最後まで目を通してみてください。

この人気ランキングは、より信憑性をもたせるように、実際のデータに基づいて作成しています。そのデータですが、今回も昨年と同様、「多くの人の関心を測る」指標として、店舗への「問い合わせ件数」を使います。多くの方は、関心があるから問い合わせをしてくるので、人気を測るにはうってつけな指標です。

また、ランキング作成にあたっては、“傾向”が掴みたいので、「1年間」というある程度長いスパンの集計をしました。それを、今回、2024年の「高級腕時計の人気ランキングTOP20」として紹介します。

 


 

【目次】

【2024年度版】腕時計の人気ランキングTOP20

人気ランキングからみる盤石なメーカーと勢いのあるメーカー

 ①ロレックス人気は不動
 ②セイコーの人気がUP
 ③時計専業メーカー以外の人気もUP

・金無垢モデルの近年は「わかりやすいモデル」が注目を集めている?

 ① 特定のモデルへの問い合わせが多かったメーカーはランキングが上昇
 ②特徴が明確なモデルはファッションとして個性を打ち出しやすい

・ラグスポ人気はピーク時よりも落ち着いた兆候が見られた

・まとめ

 


 

【2024年度版】腕時計の人気ランキングTOP20

ロレックスの金無垢とは、18K(カラット)ゴールドのみを使用しているモデルを指します。18Kゴールドは、金の含有量が75%の合金です。
ロレックスの公式サイトでは、18ctと表記されているものが該当します。

一般的に「金無垢(きんむく)」とは、混じりけのない純金(24K)を指しますが、純金は非常に柔らかく、傷がつきやすい性質があるため、腕時計のような日常的に使用されるアイテムには適していません。そのため、時計ブランドにおいてゴールドの最上級は18Kであることがほとんどです。

 

1位 (→)ロレックス(スイス)

問い合わせ件数が全体の半数を占め、昨年度に引き続き堂々の1位となったロレックス。高級時計の代名詞といっても過言ではありません。

ロレックスのなかでも問い合わせの多かった上位3モデルは、

デイトナ
サブマリーナー
デイトジャスト

でした。

 

デイトナ126500LN

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2位 (↑)パテックフィリップ(スイス)

世界三大時計の一つであるパテックフィリップが、2位にランキングしました。すべての時計が熟練職人の手作業で作られており、世界最高基準の品質保証基準を満たしています。

パテックフィリップのなかでも問い合わせの多かった上位3モデルは、

ノーチラス
アクアノート
カラトラバ

でした。

 

カラトラバ6119

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 3位(↓)オーデマピゲ(スイス)

2位のパテックフィリップと同様、世界三大時計の一つであるオーデマピゲは3位に。創業以来の伝統を大切にしながらも革新性に溢れたデザインが特徴です。

オーデマピゲのなかでも問い合わせの多かった上位3モデルは、

ロイヤルオーク
コード11.59
ミレネリー

でした。

 

ロイヤルオークオフショア

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4位(↑)セイコー(日本)

日本発の世界的時計ブランドセイコーは、「セイコースタイル」と呼ばれるコンセプトからなるデザインが特徴。最先端の技術を駆使し、創立の1960年から今まで愛されています。

 

プロスペックスSBDC191

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5位(↓)カルティエ(フランス※)

150年以上の歴史を持つ時計とジュエリーのメーカであるカルティエ。ブランドのアイデンティティを象徴するデザインをベースとしながら、時代に合わせた新しいデザインを生み出しています。

 

タンクフランセーズ

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6位(↓)オメガ(スイス)

スイス発祥のオメガは、世界最大の時計製造グループ「スウォッチグループ」に属しています。オリンピックの公式タイムキーパーとして採用されていたり、NASAの宇宙開発事業でも活用されているなど、多くの偉業を達成しています。

シーマスターダイバー300M

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7位(↑)シャネル(フランス※)

言わずと知れたハイファッションブランドであるシャネル。数多く取り扱われているシャネルの腕時計のなかでも、メンズ腕時計では2000年に誕生した機械式腕時計「J12」が人気を集め、今回も多く問い合わせを受けています。

 

J12サイバネティック

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8位(↓)ヴァシュロンコンスタンタン(スイス)

パテックフィリップ、オーデマピゲと並ぶ世界三大時計であるヴァシュロンコンスタンタン。ブランドのシンボルであるマルタ十字が特徴で、類まれなる時計製造技術が長い歴史を経た今でも受け継がれています。

 

▲オーヴァーシーズ

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8位(→)ウブロ(スイス)

「ビッグ・バン」が代表モデルとして知られているウブロ。1980年に創業された当初は王族を顧客としていましたが、「ビッグ・バン」の登場によりスポーツ選手やミュージシャンをはじめ、大衆に認知されるようになりました。

 

ビッグバンインテグレーテッド

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10位(↓)チューダー(スイス)

ロレックスのディフュージョンブランド(廉価ブランド)であるチューダー。ロレックスの時計製造技術で作られているにも関わらず、他社製のムーブメントを使うことで手にとりやすい価格を実現し、1926年の創設からすぐに人気を博しました。

 

ペラゴスFXD

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11位(→)ブルガリ(イタリア※)

ローマの伝統を腕時計のデザインに落とし込んでいるのが特徴の、ブルガリ。ラグジュアリーかつドレッシーなモデルから、スポーツモデルまで幅広く取り扱っています。

 

ブルガリブルガリアルミニウム

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12位(↑)フランクミュラー(スイス)

フランクミュラーの創業は1992年。長い歴史を持つ他のブランドに比べると歴史が浅いものの、それを感じさせないほどの知名度と勢いのあるブランドです。一目でフランクミュラーだとわかる独創性のあるデザインが特徴です。

 

▲ヴァンガード7デイズスケルトン

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13位(↑)パネライ(イタリア※)

パネライの特徴は重厚感のあるデザイン。パネライは元々イタリア海軍と協力関係にあり、パネライは多くの機器を海軍に納品していました。その歴史が腕時計のデザインにも反映され、多くの人に愛されています。

 

ルミノールマリーナカーボテック

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14位(↑)IWC(スイス)

IWCは150年の歴史を持つブランドで、確かな技術力と品質管理により、多くの時計愛好家から信頼を寄せられています。仕上げが手作業によって施されているからこそ映える、美しい外観が特徴です。

パイロットウォッチマークXX

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15位(↓)ブレゲ(スイス)

「時計界のレオナルド・ダ・ヴィンチ」とも言われている天才時計技師アブラアム=ルイ・ブレゲによって創業されたのがブレゲ。博物館や美術館に展示されるレベルの精巧な造りと上品で控えめな外見は、アブラアム=ルイ・ブレゲの人柄が詰まっていると言っても過言ではないでしょう。

 

▲タイプXX

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15位(↑)エルメス(フランス※)

レザーブランドとして不動の地位を確立しているエルメスは、腕時計も評価を集めています。エルメスらしさを詰め込んだ洗練されたデザインや、最高品質の素材が魅力です。

 

▲カレアッシュ

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15位(↑)ハリーウィンストン(アメリカ※)

最高級のジュエリーブランドとして多くの人に愛されているハリーウィンストン。1989年から腕時計のコレクションを発表してから、その豪華な装飾と芸術性が人気を集めています。

 

▲オーシャン

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18位(↓)タグホイヤー(スイス)

高級腕時計のなかでもお手頃な価格で手に入れやすく、20代の方でも手を出しやすいのがタグホイヤー。Jリーグとのパートナー契約を締結していたり、F1レーサーであるアイルトン・セナの限定モデルを発表していたりと、機能性が高くスポーティーなデザインが多いのが特徴です。

 

▲カレラスキッパー

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18位(↑)ジャガー・ルクルト(スイス)

1883年の創業から150年の歴史を持つジャガー・ルクルトは、シックで特徴的なデザインが特徴。反転式ケースで知られる代表的なモデル「レベルソ」は、今回ジャガー・ルクルトのなかでも多く問い合わせがありました。

 

▲レベルソトリビュートデュオカレンダー

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18位(↑)シチズン(日本)

日本を代表する時計メーカーの一つシチズンは、洗練されたデザインと精度の高さが特徴。日本だけでなく世界からも注目を集めています。、自社一貫製造にこだわりながら、1993年には「他局受信型アナログ多針式タイプ電波時計」を発表、2003年には「アンテナ内蔵型フルメタルケース」の電波時計を完成させるなど、常に新しい技術開発に取り組んでいます。

 

シリーズ8

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21位のメーカー

今回21位にランクインしたメーカーは、以下のとおりです。

ブライトリング(スイス) 0.5%
ゼニス(スイス) 0.5%
カシオ(日本) 0.5%
ロジェ・デュブイ(スイス) 0.5%

<2023年よりランキング落ち>
ジラールペルゴ(スイス) 0.1%

 


 

人気ランキングからみる盤石なメーカーと勢いのあるメーカー

2024年のランキングを昨年のランキングと比較して、傾向を探ってみたいと思います。順位の変動を見て、ランキングが上昇したメーカーは「今、勢いがあるメーカー」といえるでしょう。

<ランキングが上昇したメーカー>

  2023年順位 2024年順位
パテックフィリップ 3位 2位
セイコー 6位 4位
シャネル 10位 7位
フランクミュラー 15位 12位
パネライ 15位 13位
IWC 17位 14位
エルメス 18位 15位
ハリーウィンストン 18位 15位
ジャガールクルト 圏外 18位
シチズン 圏外 18位

このなかでも、ランキングが上昇した理由が明確なメーカーをいくつかピックアップしてみましょう。

 

ロレックス人気は不動

2024年のランキングを見ると、1~3位までは

 ・1位:ロレックス
 ・2位:パテック フィリップ
 ・3位:オーデマピゲ

と、いつもの顔ぶれでした。これらのメーカーは実際に多くのモデルがプレミアム価格になっているので、時計業界屈指の“勝ち組メーカー”と言えます。

なかでも1位のロレックスは盤石で、毎年不動の位置を保っています。問い合わせに占める割合もロレックスは50%を超えており、「世間の大多数の関心は、ロレックスに集中している」という状況は、ずっと変わらない傾向です。

 

セイコーの人気がUP

セイコーも、ロレックスの人気に近いものがありました。セイコーの場合は「特定のモデルが人気」とまではいえない状況ですが、それでもデータを見ると「グランドセイコー」「プロスペックス」「アストロン」の問い合わせが多かった状況になっています。特にプロスペックスはダイバーズモデルが人気をけん引していました。

 

時計専業メーカー以外の人気もUP

2023年の結果と比較すると、今回のランキングでは

 ・シャネル(10位→7位)
 ・エルメス(18位→15位)
 ・ハリーウィンストン(18位→15位)

といったように、時計専業ではないメーカーのランキングもアップしています。

これらのメーカーがランクアップした背景には、「特徴が明確なモデルはファッションとして個性を打ち出しやすい」という私の考察があります。

 


 

近年は「わかりやすいモデル」が注目を集めている?

ランキングの推移を見ると、近年は「分かりやすいモデル」が注目を集めている傾向にあると予測できます。では「わかりやすいモデル」とは、一体どのようなモデルを指すのでしょうか?

特定のモデルへの問い合わせが多かったメーカーはランキングが上昇

特定のモデルが人気を集め、その結果メーカーの人気をけん引したメーカーのランキングが上昇しています。

データを見ると、シャネルは話題作の「マドモワゼルJ12ラパウザ」が問合せの多数を占めていました。また、ジャガールクルトは問い合わせの多くが「レベルソ」に対してでした。

このことから、シャネルとジャガールクルトは、特定のモデルの人気がそのままメーカー自体の人気に直結したといえそうです。

 

マドモアゼルJ12ラパウザ

≫シャネルの時計をもっと見る

 

特に、レベルソは以前から人気モデルではありますが、私の肌感覚でも、さらに一段上の人気を獲得している印象です。

 

レベルソ

≫ジャガー・ルクルトの時計をもっと見る

前述しているセイコーについても、同じ傾向が当てはまると考えられます。 

 

特徴が明確なモデルはファッションとして個性を打ち出しやすい

さらに、人気が上昇したモデルの特徴を考察してみたところ、「腕元に目がいくようなアイコニックな個性をもったモデル」が求められている傾向にあるのではないか、という結論に辿り着きました。

考察の過程として、以下の3点にフォーカスしました。

 

1. セイコーの人気が高くなっている
→ グランドセイコーだけでなく、プロスペックスのダイバーモデルの人気が高い

2. 時計専業メーカー以外の人気がUPしている
→ シャネル、エルメス、ハリーウィンストンがランクUP

3. 角型時計の人気が高い
→ カルティエの「タンク」「サントス」、ブルガリの「オクト」、ジャガールクルトの「レベルソ」の人気が高い

 

これらの傾向は、前述した「腕元に目がいくようなアイコニックな個性をもったモデル」=「わかりやすいモデル」と解釈することができます。例えば、セイコーの人気を押し上げているのは「ダイバーモデル」で、これはセイコーのなかでは「ダイバーモデルだ」と一目で分かりやすいモデルです。そして「角型時計」も一般的な丸型時計に比べて特徴が明確。さらに、シャネル「J12」、エルメス「H08」、ハリーウィンストン「オーシャン」なども、時計専業メーカーと差別化したデザインが特徴で個性が打ち出されています。

 

▲わかりやすいモデルが注目を集める(エルメス H08

 

さらに踏み込んで考察すると、この「わかりやすいモデルが注目を集めている」ことは、服装の変化がもたらしたものだと考えられます。

例えば、男性はスーツを着用する機会が減り、スーツの場合でもノーネクタイやクールビズ、カジュアルジャケットという場合も増えていると思います。もっというと、プライベートファッションもよりラフなスタイルの方も増えていると感じます。

このような服装においては、ドレッシーやさりげないデザインの高級時計よりも、コーディネートのアクセントとなるような個性的なデザインの腕時計が映えるでしょう。

このような状況が反映され、今回のランキングに傾向として現れたのだと感じました。

 


 

ラグスポ人気はピーク時よりも落ち着いた兆候が見られた

今後の展望について、私の意見を話しておきます。

私が今回のランキングを作成するにあたり、データから見えた気になる兆候に、「ラグスポの人気が少し落ち着いた」という点がありました。

これは、去年の数字と比較して、ロイヤルオーク、オーヴァーシーズ、ロレアートなどの得票数が減っているところからも感じるところです。もちろん、まだまだラグスポの人気はあるので、より正確なニュアンスとすると「ピーク時よりは」という注釈が必要かもしれません。

そして、今後起こることとして考えられるのは、「ポストラグスポにハマるモデルが何になるか」です。

これは、ラグスポ人気はまだあるなかでラグスポの得票数が落ちたという状況なので、おそらく消費者が「従来のラグスポとは異なるラグスポ」を求めているのだと思います。このニーズに、メーカーがどう回答していくかが、今の私の興味になっています。

今回のデータ集計のなかで、ランキング20位にギリギリ入らない順位帯で、ロジェデュブイとパルミジャーニフルリエがじわじわとランキングを上げているのが気になりました。この2つのメーカーは「エクスカリバー」や「トンダPF」という人気作を持っているので、面白い存在です!

 


 

まとめ

2024年度版のメンズ腕時計人気ランキングTOP5は、

1位  ロレックス(スイス)
2位 パテックフィリップ(スイス)
3位 オーデマピゲ(スイス)
4位 セイコー(日本)
5位  カルティエ(フランス)

となりました。上位のメーカーはやはり根強く、デザインの汎用性が高いものが多い傾向にあります。

とはいえ、6位以下ではあるものの、昨年と比較してランクアップしているメーカーも数多くなっています。その中には個性的で特徴が明確なデザインのものが数多く存在し、ファッション要素の強い腕時計が好まれるようになってきた傾向も伺えます。

今回の人気ランキングを参考に、自身のライフスタイルやファッションセンスとマッチする、一生ものの腕時計を探してみてはいかがでしょうか。

 

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