高級腕時計の時計通信

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9.2.2025

クレドール50周年記念 ロコモティブを徹底解説!!

Komehyo

今回は2024年度新作「クレドール ロコモティブ」の実機レビューです。

こちらは、有名時計デザイナーの「ジェラルド・ジェンタ」氏がデザインした作品です。

「ジェラルド・ジェンタ」氏は「オーデマピゲ ロイヤルオーク」や「パテックフィリップ ノーチラス」といった作品の生みの親として有名ですが、この「クレドール  ロコモティブ」はクレドール50周年の記念として、復刻したモデルとなっています。

是非最後までご覧ください。

 


 

【目次】

・スペックのご紹介

・デザインについて

・光沢へのこだわりと高級感

・スケッチからの再現度

・新開発のムーブメント

・編集長の感想とまとめ

 


 

スペックのご紹介

こちらは300本限定の大変貴重なモデルです。型式は「GCCR999」という型式で、メーカープライス(定価)は「176万円(税込)」での販売でした。

ムーブメントには自動巻きの「Cal:CR01」というムーブメントが搭載されています。。素材には「ブライトチタン」が使われており、高級感があります。

サイズや簡単なムーブメント性能については画像にてご確認ください。

 


 

デザインについて

デザインについて、皆様はどう感じましたか?

私の第一印象は「ジェンタらしい作品だな」と感じました。改めてデザインを見ると、当時画期的だった、時計とブレスレットを一体化するというデザインで設計されています。

文字盤を見ると、針やインデックスの形がバータイプとなっています。この少し丸みを帯びたデザインは、パテックフィリップの「ノーチラス」にテイストがとても近く、「ジェンタらしさ」が出ている部分です。

ベゼル部分は六角形にデザインされており、個性的な時計であることがわかります。

さらにベゼルにはビスが6箇所ついていますが、ベゼルの平面部分からやや飛び出したデザインになっています。

他の「ジェンタ作品」では、ビスはベゼル内に埋没していることが多いですが、この部分は「ジェンタ作品」の中でも「ロコモティブ」独自の個性として、ハッキリわかる部分ではないでしょうか。

 

時計としての一体感や、文字盤には「ジェンタらしさ」を存分に露出していき、ベゼルで「個性」を主張していて、「ノーチラス」や「ロイヤルオーク」との差別化をしている素晴らしいデザインに仕上がっています。

 


 

光沢へのこだわりと高級感

今回の「ロコモティブ」はもちろん高価な時計ですが、「高級感」という部分についても、分析していきたいと思います。

 

まず、文字盤は「どの角度から見ても光沢が見える点」に意識してデザインされていることがわかります。この光沢は、文字盤に対して、なんと約1,600本の筋目線加工が施され、さらにこの線は直線だけでなく、曲線や不揃いな形の線も入っているので、どの角度から見ても光沢が見える仕上がりとなっています。

 

ベゼルについても、外周部分が光沢が出る鏡面仕上げとなっています。さらに、上述した「6箇所のビス」がもたらす光沢感もあり、これらがアクセントとなり、光沢が際立つような作りになっています。

初代モデルの「ロコモティブ」では「飾りビス」が使われていましたが、今回の「ロコモティブ」では裏蓋のネジがこのビスに繋がっており初代モデルから変更されています。

 

最後にブレスレット部分ですが、こちらも面取りが施されていて、光沢が出るような仕上げになっています。

 

この光沢へのこだわりが、この「ロコモティブ」に「高級感」をもたらしていると考えます。

 


 

スケッチからの再現性について

今回の新作「ロコモティブ」がどこまで、「ジェンタ」氏のスケッチを再現できているかについても検証していきます。

(実際のデザインはこちらからご確認いただけます。)

↑クレドール50周年記念特設ページ内 ロコモティブ↑

はじめにインデックスを見ると、丸みのあるバータイプとなっています。初代モデルでは、丸みのない四角いインデックスでしたが、今回の復刻モデルでは、かなりジェンタ氏のスケッチに近いデザインとなっています。さらに、12時にあるインデックス部分も初代モデルは1本のバー(線)でしたが、復刻モデルではジェンタ氏のスケッチと同じダブルバー(2本線)となっており、インデックスデザインについても復刻モデルの方が再現度が高いといえます。

 

次にリューズ部分を見てみると、復刻モデルでは4時位置にリューズが配置されていますが、初代モデルは4時位置ちょうどではなく、少し3時位置に寄った配置となっています。リューズについても、復刻モデルの方が再現度が高いですね。

 

ブレスレットの再現性ですが、こちらは今回私が一番良いと感じた部分です。初代モデルでは面取りがほとんどされておらず、角があるような見た目でしたが、復刻モデルではしっかり面取りをかけて、「ジェンタ」氏のスケッチに近い仕上げが施されています。

見た目全般ですが、「ジェンタ」氏のスケッチにより近いのは、今回の復刻モデルの「ロコモティブ」であることがわかります。

 


 

新開発のムーブメント

元々「初代ロコモティブ」にはクォーツの機械が搭載されていましたが、今回は自動巻きの機械が搭載されています。さらに、こちらの自動巻きムーブメントは、今回新開発の「CR-01」というムーブメントです。

おそらく「CR-01」というムーブメントは「6L35」というムーブメントがベースになっていると思われます。「6L35」はキングセイコーの上位機種に使われてる薄型のムーブメントです。「初代ロコモティブ」はクォーツ時計で薄い時計だったので、薄い機械が相応しいと判断され、「6L35」をベースにした機械を開発したのではないでしょうか。さらに、今回は「クレドール」という上位ラインへの搭載ということで、上位モデル用に美しく改修されたと考えられます。

変更点についてご紹介していきます。ムーブメントは金メッキが施されており、青焼のネジが使われています。そして、所々に赤いルビーが配置されており、見た目が非常に美しいムーブメントとなっています。

仕上げ部分には、「ベルラージュ」が施されており、随所に美しさを感じることができます。

 


 

編集長の感想とまとめ

今回の「復刻版ロコモティブ」ですが、「ジェンタ」氏の元々のデザインを、より忠実に再現しようとして作ったモデルに感じました。当時の「ロコモティブ」の販売価格からもわかるように、プライスやコスト面からも、「ジェンタ」氏のやりたかったことができず、断念したのではないかと思います。なので、今回の50周年の復刻モデルに関しては、時を超えて「ジェンタ」氏のやりたかったデザインを再現しようという意思を感じました。

先ほどお話しした再現度の部分で、インデックスやリューズ位置、ブレスレットの面取加工など、「ジェンタ」氏の意図を改めて汲み取ったのは、大変面白いですよね。

 


今回ご紹介した時計は、以下の動画でもご説明しています。
こちらもチェックしてみてください。

※掲載のアイテムは、KOMEHYO独自で買取り・仕入れ・販売しているアイテムの一例です。

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