【シャネル】ロゴ/マークの由来やブランドコンセプトを解説
INDEX
・はじめに
・シャネルのロゴ/マークの特徴解説
・「CHANEL」ロゴについて
・ココマークについて
・ココ・シャネルの生い立ち
・「CHANEL」ロゴ/マークに込められた想いとは
・CHANELの代表的なアイテムをご紹介
・最後に
■はじめに
シャネルのバッグやアクセサリーを見ると、アイコンであるココマークやCHANELロゴを配したアイテムが多いことに気が付きます。
そんなココマークやロゴにも、それが定着するまでの歴史やストーリーがあります。
特にシャネルの創業者であるココ・シャネルのエピソードは、現代を生きる我々にとっても勇気づけられたり感じるものがあったりと、伝記になるほどの魅力です。
それらを知ることで、よりシャネルのことを好きになれるはずです。
今回はシャネルのロゴやマークについての解説や、そこに秘められたストーリーについて一部をご紹介いたします。
■シャネルのロゴ/マークの特徴解説
「CHANEL」ロゴ
シンプルでありながらも印象的なシャネルのロゴ。ショッパーやボックス、バッグの刻印としても用いられています。
シャネルのコーポレートカラーは黒であり、このロゴもモノクロのコンセプトカラーで固定化されています。
ココマーク
シャネルを知らない人でもこのマークを見かけたことはあるのではないかというくらい有名なのが、このココマークです。
CCマークと言われることもある通り、Cと反転したCを重ね合わせたマークです。
■「CHANEL」ロゴについて
黒い背景に白のゴシック体で書かれたCHANELの文字がシャネルを表すブランドロゴです。
黒と白はシャネルが大切にしていたカラーであり、女性の美しさを引き出す色だと彼女は考えていました。
シャネルのコーポレートカラーがモノクロなのは、ココ・シャネルの精神を引き継いだからこそだと言えるでしょう。
また、一見すると一般的なゴシック体のように見える書体も、よく観察すると一文字ずつに特徴があることがわかります。
その一部を紹介すると、”C”が真円に近いシルエットであったり、”H”の横棒を中心から少しだけ上にずらしていたり。
見れば見るほど発見があるので、一般的なフォントと見比べてみるのも面白いかもしれません。
■ココマークについて
ロゴと同じくシャネルを代表するアイコンがココマークです。
前述のとおり、Cと反転したCを重ねてできたマークと言われています。
なぜCとCなのでしょうか?
ココ・シャネル(Coco Chanel)の頭文字を取ったと言われていますが、一説によるとこのマークはシャネル自身が考案したものではないとも言われています。
ココマークは元々、シャトー・ド・クレマ(クレマ城)というワイナリーの壁面に描かれていたもので、それにインスピレーションを感じたシャネルが許可を得た上で使用したという説があります。
シャトー・ド・クレマ(Chateau de Cremat)の頭文字もCCであり、現在でもそのワイナリーに訪れると実際にココマークを見ることができます。
しかしココマークが生まれた経緯を記した資料はなく、正確な由来ははっきりとはしていません。
そんなココマークですが、二通りの描かれ方があることをご存じでしょうか。
一つ目のココマークはプリントなどに平面的な表現の際に用いられるココマークで、二つ目はバッグの金具など立体的な表現の際に用いられるココマークです。
この二つ目の立体的なココマークですが、実はCが交差する方向が決まっています。
上の交差は正位置のCが手前側に見えており、下の交差は反転したCが手前側に見えるように重なっています。
この交差はほぼすべての立体ココマークに共通していますが、ごくまれに交差が逆になっているココマーク、通称”逆ココ”が存在するという噂があります。
ご自宅にシャネルのバッグがある方は、自分が持っているものが逆ココかどうか確認してみてはいかがでしょうか。
■ココ・シャネルの生い立ち
ここまでは、シャネルのロゴやマークに隠されたストーリーを紹介しました。
次にシャネルブランド創設者であるココ・シャネルの生い立ちを振り返り、”シャネル”そのもののコンセプトを知っていきましょう
ココ・シャネルは1883年8月19日、フランスのソーミュールで生まれました。
ココ・シャネルというのは彼女の愛称で、本名はガブリエル・シャネルと言います。
彼女は12歳の頃に母親を亡くし、孤児として過ごすことになります。
孤児院での生活はシャネルにとって苦しいものであったと伝わっていますが、シャネルは孤児院を出た後はそこで学んだ裁縫の技術を活かし仕立て屋で働きました。
また、その時期に副業としてクラブ歌手としてステージに立ち、そのクラブでの愛称が”ココ”であったことからココ・シャネルと呼ばれるようになったと言われています。
シャネルは1910年に帽子店”シャネルモード”をオープンしました。
その帽子を当時有名な女優たちが着用したことでシャネルの名もまた知れ渡り、1912年に初めてのブティックをオープン、1918年には現在もシャネル本店があるカンボン通り31番にブティックをオープンしました。
ココ・シャネルのビジネスウーマンとしての生き方はまさに”自由”そのものであったと言われています。
当時の女性服は窮屈で動きづらく、シャネルはそんなしがらみから女性を解放したい、女性のファッションを自由にしたいという思いを持っていました。
その思いは当時の多くの女性に支持され、さまざまな革新につながりました。
また、新しい女性のファッションを浸透させるためにハリウッド映画の女優の衣装を担当するなど、シャネルの手法もまた自由かつ大胆でした。
シャネルの思いは結実し、彼女の思い描く自由な女性像を反映したファッションは大きな流行を呼びました。
そして、その流行は一つのスタイルとなり、今もなお世界中の女性を虜にしています。
“私の人生は楽しくなかった。だから私は自分の人生を創造したの”
シャネルが残したこの名言は、まさに彼女自身の人生を表した言葉だと言えるでしょう。
■「CHANEL」ロゴ/マークに込められた想いとは
ココ・シャネルの生い立ちや残した言葉を振り返ると、シャネルのロゴやファッションからは、彼女の”美しく自由な女性のため”という想いを感じ取ることができます。
シャネルの創業者であるココ・シャネルが残したと言われる名言の一つに、”黒にはすべてがある。白も同じ。その美しさは絶対的なものであり、完璧なハーモニーを奏でている”という言葉があります。
黒を基調としたシャネルのロゴは、ココ・シャネルのこの信念を反映していると言えます。
また、その信念を形にしたドレスが、ココ・シャネルが手掛けたリトルブラックドレス(LBD)です。
LBD自体はシャネルが生まれる以前から存在していたようですが、女性を締め付けることなくゆったりと身体にフィットする作りのシャネルのLBDは当時の女性から人気を博しました。
他にシャネルのブランドアイコンとして有名なのはカメリアです。
カメリアが意味するのは”椿の花”です。特に白い椿はココ・シャネルにとって特別な花でした。
ココ・シャネルの恋人であった”アーサー・エドワード・ボーイ・カペル”が愛し、彼女に送った花がカメリアだったのです。
アーサー・カペルは後に”ボーイシャネル”の由来にもなった男性であり、ココ・シャネルを資金面で支援した理解者でもあります。
一般的な椿の花言葉は「控えめな素晴らしさ」や「誇り」だそうですが、色によって意味合いが異なり、白い椿に関しては「至上の愛らしさ」「完全なる美しさ」といった花言葉を持つそうです。
シャネルはカペルから受け取った花束を大切にしていたと言われています。
二人の恋愛は、アーサー・カペルの事故死によって終わりました。
後にシャネルはカペルについて「彼こそ私が愛したただ一人の男」「わたしはカペルを失うことですべてを失った」と語ったと言われています。
カペルは資金面、精神面でのサポートのみならず、彼のファッションスタイル自体もシャネルに影響を与えたと言われており、彼の存在なくしては現在のシャネルはないと言えるほどシャネルにもたらした影響は大きいと言えます。
ココ・シャネルが亡くなった後も、シャネルは白いカメリアをブランドモチーフとして大切にし続けているのです。
■CHANELの代表的なアイテムをご紹介
リング
ココマークを大きく描いたボリューミーなリングです。
カラーリングも白と黒を扱っており、シャネルらしさが全体に出たアイコニックなデザインです。
ネックレス
イエローゴールドのみで作られた、カメリアモチーフのシンプルなネックレスです。
カメリアのアイテムには天然石を彫って椿をかたどったものもあり、まるで本物の花のように胸元に添えるだけでファッション全体を華やかにしてくれます。
バッグ
シャネルのロゴとココマークをデザインしたトートバッグ、ドーヴィル。
ドーヴィルとはココ・シャネルが1912年に初めてブティックをオープンした場所です。
デイリーユースにうってつけな大容量のトートバッグとして、ロングセラーの人気アイテムです。
■最後に
シャネルというブランドやそのロゴ、アイコンに秘められたストーリーについてご紹介いたしました。
背景にあるストーリーを知ることによって、よりシャネルに対して共感できることが増え、また違った思いでシャネルを身に付けることができるのではないでしょうか。
シャネルというブランドは今後も世界中の人々に愛され、存在感を強めていくのではないかと予想されます。
これからシャネルがどんなストーリーを紡いでいき、それをどんな形でアイテムに落とし込んでいくのか。
今後もシャネルから目が離せませんね。