金 の マメ知識
金の種類と人気を知ろう
どうしてジュエリーはK18?金の種類が増えた理由
金は柔らかく加工が容易で化学変化に強いため、様々な工芸品やジュエリー、電子機器の基板など、日常の多くの場所に使われている金属です。反面、純金は指で簡単に曲げてしまえるほど柔らかな金属でもあります。オリンピックの金メダルを選手が咥えるのは、かつて金貨を噛んで歯型がつくか否かで、金の純度が高い本物か、不純物が多い偽物かを判別していた名残と言われています。大変軟度が高いため、純金のままでは強度が足りず、すぐに傷がついたり破損してしまいます。特にジュエリーは細かな細工が施され、繊細なデザインを持つものが多く、身に付けるとすぐに壊れてしまうという問題がつきまといます。金の持つ独特の重量感としっとりとした肌触りを活かしながら、ジュエリーとしての強度を保つには、ジュエリーとしての加工技術だけでなく、金属としての強度が必要になりました。
そこで、金に様々な混ぜ物を入れた合金強度を補強しながら、金の美しさを保つ加工技術が誕生したのです。例えば強度と美しさのバランスが良く、ジュエリーによく使用されているK18は、75%が金、残りの25%が別の金属で作られた合金です。このK18は、混ぜ込まれた金属(割り金)によって色合いが異なることから、強度や用途に合わせて様々な合金が誕生しました。最も純金に近い色合いを持つイエローゴールドは、75%の金に対し、12.5%ずつの銀と銅が含まれています。独特のグリーンの色合いを持つグリーンゴールドは銀、レッドゴールドは銅との合金です。また、ぬめるような美しい紫の色合いを持つパープルゴールドはアルミとの合金で、強度の問題が技術の向上で克服された最近では、ジュエリーとして市場に登場するようになりました。
白い貴金属ホワイトゴールドとプラチナの違い
白銀の貴金属として有名なのが、プラチナとシルバー、そしてホワイトゴールドです。このホワイトゴールドは、割り金にニッケル系またはパラジウム系を使用した合金を指します。そもそも、ホワイトゴールドはプラチナの供給が激減した時に、代替品として開発されました。やがて代替品ではなく貴金属としての地位を確立し、日本で高い人気を得たホワイトゴールドは、その丈夫さもあいまって、価格が高騰したプラチナに代わって婚約指輪や結婚指輪でも多く使用されるようになりました。それは金とプラチナの価格が同等、さらには逆転した現在も続いており、エタニティリングとして人気があります。強度の面だけでなく、ホワイトゴールドはプラチナよりも加工が容易なため、低コストで同じデザインを仕上げることができることも人気の理由に挙げられます。
ところで、ホワイトゴールドは加工の方法や割り金の違い、分量などで様々な種類が存在します。K18の場合、どうしても合金の黄色味を除ききれないため、一時期黄色が強く残ったホワイトゴールドが市場に出回ってしまい、クレームが殺到したという事態もありました。そこで社団法人日本ジュエリー協会はホワイトゴールドの色相を定め、現在国内のホワイトゴールドはその基準に従って作成されています。ところで、ホワイトゴールドは白銀の輝きでは?なぜ黄色?と思われるでしょう。
実はホワイトゴールドには、美しい銀色に仕上げるため、表面にロジウムメッキ加工が施されています。ところがこのメッキは時間が経つに連れてだんだんと剥げてしまったり、色が戻ってしまうことがあります。この点はK18ホワイトゴールドの大きな欠点ではありますが、もう一度加工処理を行えば簡単に元の白銀に戻すことができます。
ホワイトゴールドやプラチナで気になるブランドは?
白銀のジュエリーで有名なブランドといえばティファニー。歴史あるジュエリーブランドが送る白銀のアクセサリーは、プラチナはもちろんホワイトゴールドも多彩なラインナップを揃えています。ティファニーらしいシンプルなようでいて作りこまれたデザインのジュエリーは、高めの価格帯にもかかわらず若い世代にも人気が高く、胸元を飾るワンポイントには欠かせない一品として愛され続けています。ジュエリーブランドとして、興味がない人でも知っているほど有名なカルティエも、プラチナとホワイトゴールド両方のアクセサリーを取り扱っています。すっきりとしたデザインは多くのセレブをとりこにし、世界中から憧れを集めるトップブランドでもあります。トップブランドの双璧ともいえるのがブルガリ。こちらもマリッジリングなどのエタニティリングとして不動の人気を誇り、リングだけでなくネックレスやバングルなど、ペアで身に付けられるジュエリーがラインナップされています。カジュアル系のブランドとして知られる4℃は普段使いにぴったりな、カジュアルになりすぎず、かといってフォーマルになり過ぎないデザインのジュエリーを送り出し、高い人気を集めています。