【循環型社会を目指して】3Rから5Rへ!それぞれの意味と実践方法を紹介
3Rとは、リデュース・リユース・リサイクルの頭文字であるRをまとめた、環境配慮への取り組みのことを指します。また、環境問題に対して社会や個々が実践できることは3Rだけに留まらず、現在、5Rや7Rへと進化しているのです。本記事では、3Rの意味や実践方法、新たに2つのRが加わった5Rについて解説します。
目次
3Rの定義
リデュース・リユース・リサイクルといった環境に配慮する取り組みを、3Rと呼びます。最近ではここにリフューズ、リペアが加わって5Rとなり、環境問題を解決するために社会全体で取り組もうという意識が高まっているのです。まずは、3Rの定義や成り立ち、新たなRについて紹介していきます。
3Rの歴史と成り立ち
3Rとは、リデュース・リユース・リサイクルを略したものです。それぞれ、頭文字がすべてRから始まるのが3Rと呼ばれる理由。この言葉がいつから使われ始めたのかははっきりとしていませんが、有力な説は1970年頃にアメリカで行われた環境活動のスローガンといわれています。1980年には、オレゴン州の法律として、はっきりと3Rが明記されました。
50年ほど前に生まれた単語が現在再び注目されているのは、環境問題が深刻化しているからと考えられるでしょう。プラスチックゴミなどが環境に与える影響が問題視されているため、世界的に3Rが注目されています。
そのきっかけとなったのが、2015年に国連サミットにて採択されたSDGsです。SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略で「持続可能な開発目標」という意味を表します。2030年までに達成する環境の国際目標を指しており、世界全体が環境問題と向き合うために作られました。
このような環境に対する世界的な意識の高まりから、3Rに注目が集まっているのです。
3Rから5R・7Rへの進化
3Rは時代が進むとともに新たなRが加わり、現在では4R、5R、7Rへと進化しています。事実、欧米では3Rにリフューズを足した4Rが主流となっているのです。また、昨今ではそこにリペアが追加され5Rとも呼ばれています。
リデュース・リユース・リサイクルは最も最優先されるため変化しませんが、それ以降のRについてはいくつかのバリエーションがあり、団体によって使われている単語が異なるのが特徴的。レンタル・リバイ・リジェネレイションなどさまざまなRが加わり、7Rや10Rとなっている例も見られます。
Rの数は変動しますが、重要なのはすべて環境に配慮した行いであること。環境問題に対して私達ができる活動を、3Rや5Rは分かりやすく示しているのです。
3Rや5Rが使われる場面
3Rや5Rは環境活動がきっかけとなって生まれた言葉です。現在でも環境問題やエコにまつわる分野をメインに使われています。最近では、世界的に大きな問題となっている海洋プラスチックを減らす取り組みとして、3Rや5Rが注目されるようになってきました。
サスティナブルな社会を作るためには、エシカルな活動が必須といわれています。エシカルとは、倫理的なという意味。環境やその他の面においても、良識的な行動をするという意味合いで使われるようになった言葉です。
環境における3Rのように、エシカルな活動における3Rも存在します。代表的な例は、Replacement(代替)、Reduction(削減)、Refinement(改善)の3つをまとめた3Rです、この3Rは、動物実験をできる限り行わないための世界的な原則として掲げられています。
3Rそれぞれの意味と実践方法
リデュース・リユース・リサイクルはそれぞれ、ゴミを減らす、ものを繰り返し使う、再利用するという意味を持っています。環境問題を解決するための基本となるこれら3Rについて、詳しく説明します。
リデュースはゴミを減らすこと
資源を使う量やゴミの発生を減らすことをリデュースと言います。
生産者ができるリデュースの例は、耐久性の高い商品の提供などです。長持ちしやすいものを生産すれば、自然と廃棄される機会も減るためゴミの削減につながります。また、アフターフォローを充実させるのも効果的です。
消費者の立場が実践できるリデュースは、エコバッグや詰め替え製品の活用が代表的です。修理やシェアサービスを利用して、なるべくものを多く持ち過ぎないことも、ゴミの発生や資源使用量の削減に貢献となるでしょう。
リユースは繰り返し使うこと
リユースは、使用済みのものをすぐに捨ててしまわずに繰り返し使うことです。
例えば、生産者の場合は本体や部品をリユースできる製品を開発したり、容器を再利用したりといった方法があります。
消費者ができるリユースで最も簡単な例は、フリーマーケットやリユースショップの活用でしょう。自分が不要になったものでも、誰かが必要としている可能性は大いにあります。消耗品を購入する時にリターナブル容器に入った製品を選び、使用後は回収に出すことも簡単に実践できるリユースです。
リサイクルは再利用すること
3Rのなかでも一番知名度が高いリサイクル。ゴミなどをエネルギー源や製品の原材料として再び利用することを意味します。
生産者のできるリサイクルは、使用済み製品を自社回収して再利用したり、リサイクルされた原材料を使用したりです。リサイクルがしやすい製品を設計するのも、効果的な手段です。
消費者ができるリサイクルの例は、資源ゴミの分別やリサイクル製品の利用が代表的と言えるでしょう。特に資源ゴミの分別回収は、個々の意識が大切なので、積極的に協力していきたいものです。
3Rに新たなRが加わり5Rへ
昨今では3Rにリフューズとリペアを加えて、5Rと呼ばれるケースも増えてきました。リフューズは断る、リペアは修理を意味します。それぞれの意味や実践例を見ていきましょう。
リフューズは断ること
ゴミの発生源を絶ったり、ゴミになるものをもらわないようにしたりすることがリフューズです。
生産者のできるリフューズは、商品の過剰包装をしないことが挙げられます。
消費者視点でのリフューズは、マイバッグを持参してレジ袋をもらわないことが代表例と言えるでしょう。不要なものをもらわないように心がけるのもリフューズにつながります。
リペアは修理すること
さまざまなシーンで使われるリペアは、修理するという意味。5Rでは、ひとつのものを修理して長く使うことを指します。
生産者の行えるリペアは、修理サービスやアフターサービスの実施が主となるでしょう。業界によっては、使用済みのものを修理して販売する例も見られます。
消費者視点のリペアは、故障した製品を修理して長く使うことです。リメイクして他の用途で使用するのも有効的なリペアと言えます。
各国の3R・5Rの取り組みと現状
環境問題への意識は、世界的に高まっています。特にスウェーデンはリサイクル大国と呼ばれるほど、エコに対して積極的です。ここからは、世界各国の3R、5Rの取り組みを紹介していきます。
アメリカの現状
大国アメリカは、3Rが機能していない地域も見られるのが現状です。2018年のゴミの輸出量1位はアメリカでした。同年に、中国がゴミの輸出を停止したので、ゴミの行き場がなくなり困ることとなりました。
ですが、昨今では3Rや5Rを積極的に行う企業や団体が増加傾向にあります。最も3Rが進んでいるのはサンフランシスコで、2020年までにゴミを0にするという目標を掲げてから80%のゴミをリユース、リサイクルしてるのです。
今後、サンフランシスコのような3Rに対する積極な活動が各地で高まっていくでしょう。
スウェーデンの現状
先述したように、スウェーデンは非常にリサイクルが進んでいる国です。家庭から出るゴミは、99%がリサイクルされ何かしらのエネルギー源として再利用されています。ゴミの収集にはお金がかかりますが、自宅で肥料として活用すると減額されるため個人でできるリサイクルも積極的に行われているのです。
缶や瓶、ガラスは返却するとお金が払い戻されるデポジット制を採用しています。紙容器はゴミと同様にエネルギー源として再利用され、古着などは途上国に寄付されるなど、可能な限りものを無駄にしない社会が完成しているのです。
日本の現状
2018年の年間ゴミ輸出量の1位はアメリカでしたが、2位は日本なのです。日本はゴミの回収までは機能しているのですが、リサイクルの仕組みがまだ完全とは言い切れません。
しかし、近年、環境に対する意識が高まってきており、積極的にリサイクルを行う自治体も増えてきました。徳島県では、リサイクル率が80%にまで達した地域も見られます。
アメリカと同様に、日本も一部地域のみではなく、国全体でリサイクル率を上げることが目標と言えるでしょう。
3Rを実践し環境に優しい生活を送ろう
環境問題を改善するには、個々が3Rや5Rを意識し、積極的に実践するのが何より重要と言えます。身近で簡単にできることからスタートして、3Rをそれぞれ日常に根付かせていけば、ゴミの量は減っていくでしょう。
3Rは、決して難しいことではありません。楽しく実践して、環境に優しい生活を目指しませんか。