グッチのデザイナーにサバト・デ・サルノが就任。これまでの経歴は?
グッチの新たなデザイナーであるサバト・デ・サルノが、2023年9月のコレクションにてデビュー。アレッサンドロ・ミケーレの後任としてグッチのクリエイティブディレクターを務め、ブランドを背負うことになる彼に注目が集まっています。サバト・デ・サルノの経歴やグッチの歴代デザイナーについて紹介していきます。
目次
グッチの新デザイナー「サバト・デ・サルノ」が初のコレクションを発表
イタリア発のハイブランドであるグッチ(GUCCI)と、その親会社のケリング(KERING)は、新たなクリエイティブディレクターとしてサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)の就任を発表しました。2022年11月に退任したアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)の後任としてウィメンズ、メンズ、レザーグッズなどの各コレクションにおいて、グッチの新たなクリエイティブなビジョンを定義・表現する責務を担います。
サバト・デ・サルノはイタリアの著名なラグジュアリーファッションブランドでキャリアを築いてきた人物です。正式な就任はサバト・デ・サルノが現職での職務をすべて終え次第となっており、2023年9月に開催されるミラノ・ウィメンズ・ファッションウイークがデビューショーとなる予定です。
サバト・デ・サルノの経歴
新たにグッチの看板デザイナーとなるサバト・デ・サルノは、著名なブランドで実績を重ねてきました。グッチのクリエイティブディレクターに就任するまでのサバト・デ・サルノの経歴を見ていきましょう。
初のキャリアはプラダ(PRADA)
サバト・デ・サルノは1983年にイタリアのナポリで生まれた人物です。ファッション業界でのキャリアは彼が20代前半であった2005年、プラダ(PRADA)でウィメンズ向けのアシスタントパタンナーを務めたところから始まりました。その後は、フリーランスでイタリアのニットウェアメーカーでの業務を経てドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)に入社。入社してからわずか1シーズンでウィメンズニットウェアとセーターのデザインを任される実績を持っています。
ヴァレンチノ(VALENTINO)でファッションディレクターに就任
2009年には、ヴァレンチノ(VALENTINO)に入社したサバト・デ・サルノ。当時のヴァレンチノは創業者が引退し、ピエールパオロ・ピッチョーリが後継者として任命されていました。サバト・デ・サルノはメンズ・ウィメンズのニットウェア部門から昇進を重ね、最終的にはメンズ・ウィメンズ両方のプレタポルテ・コレクションを統括するファッションディレクターを務めます。デザインだけではなく、プロモーションやマーケティング戦略にも関わり、ピエールパオロ・ピッチョーリの右腕のような存在としてヴァレンチノを支えてきました。
2023年からはグッチ(GUCCI)のクリエイティブディレクターに
サバト・デ・サルノはヴァレンチノで実力を発揮していましたが、ショーでのランウェイに現れることはありませんでした。そのため、2022年の時点ではあまり世間に認知されていなかったようです。しかし、2023年の1月末にアレッサンドロ・ミケーレの後任者としてグッチのクリエイティブディレクターへの就任が発表され、世界的に有名なデザイナーの一人として名が加わることとなりました。
クリエイティブディレクターはデザインだけをするのではなく、商品のデザインやマーケティング、ブランドイメージの確立など、広い範囲でディレクションを行うポジションです。会社の意思決定を左右するほどの権限を持つ存在であるため、クリエイティブディレクターがブランドの顔になると言っても過言ではありません。これからのグッチを創るデザイナーとして、サバト・デ・サルノの今後の活躍が注目されています。
グッチの歴代デザイナー
創設者のグッチオ・グッチから始まり、これまでにさまざまなデザイナーがグッチに携わってきたことから、現在のハイブランドとしての地位が確立されました。グッチの歴代デザイナーを見ていきましょう。
グッチ一家
グッチは1923年に旅行カバンと馬具の店として創業しました。その後、創設者のグッチオ・グッチから4代に渡って、ブランドの地位が確立されていきます。創設者のグッチオ・グッチは取っ手に竹を使ったバンブーシリーズのバッグや、赤と青の配色が特徴的なシェリーラインのアイテムを発表したことが有名です。2代目のアルド・グッチは現在グッチのアイコンデザインとなっている、GGロゴの生みの親です。また、ローヒールのモカシンを発表し、多くの女性顧客を獲得したのもこの頃になります。
3代目のパオロ・グッチは女性向けプレタポルテを充実させて大成功を収めました。4代目のマウリツィオ・グッチはプレタポルテ事業をさらに成長させ、革新的なデザインを採用して新たな顧客を増やした実績があります。
ドーンメロー&トム・フォード
1989年になると、ドーンメローがグッチのクリエイティブディレクターに就任しました。当時のグッチは経営不振により存続が危うい状態でしたが、ドーンメローがブランドの核となっていたデザインのみを展開し続けたことで、経営が上を向き始めます。また、当時若手であったトム・フォードがウィメンズアイテムのデザイナーに任命され、1994年にはドーンメローの後任を務めることとなりました。
モダンとセクシーを追求した一貫性のあるデザインは「フォードスタイル」と呼ばれ、多くの人を惹きつけていきました。バックパックのリメイクやレザージャケットなど、新生グッチのアイテムは世界のセレブ達の注目を集めたことで、ブランドの地位を復活させたのです。
アレッサンドラ・ファキネッティ&ジョン・レイ
2004年にトム・フォードの後任を務めたのは、アレッサンドラ・ファキネッティとジョン・レイでした。アレッサンドラ・ファキネッティはデザインディレクターとして2000年からグッチに在籍していた人物です。ウィメンズラインをアレッサンドラ・ファキネッティ、メンズラインをジョン・レイが引き継ぎました。就任していたのは2年という短い期間でしたが、彼らがデザインしたアイテムもまた、多くの人気を集めました。
フリーダ・ジャンニーニ
フリーダ・ジャンニーニは2005年にウィメンズライン、2006年に全ラインのクリエイティブ・ディレクターを務めました。グッチ初の女性用香水をプロデュースした人物でもあります。中国本土の直営店数を増やしたり、カラーコスメを発表したりなど、2015年まで長きにわたって精力的な活動でグッチを支えました。
アレッサンドロ・ミケーレ
2015年には、アレッサンドロ・ミケーレがクリエイティブディレクターに就任しました。2002年からグッチに入社していて、トム・フォードが才能を買っていた人物でもあります。新生GGロゴやロックスタイルにアメカジスタイル、オールドグッチを踏襲したクラシカルなスタイルなど、アレッサンドロ・ミケーレの斬新な世界観は多くの人の心を掴みました。現在では定番デザインとして浸透している、ブランドロゴTシャツのブームをつくった火付け役でもあります。
グッチの新デザイナーの活躍に目が離せない
看板となるデザイナーによって、ブランドの世界観に変化が見られる点は、ハイブランドの魅力のひとつとも言えるでしょう。これからグッチの新デザイナーを務めるサバト・デ・サルノの活躍にも目が離せません。また、デザイナーの変遷はブランドの歴史でもあります。ハイブランドのアイテムをチェックするときは、デザイナーにも注目してみてくださいね。
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