名品揃い!カルティエ時計コレクション
カルティエの時計の持つ芸術作品にも近い普遍的な魅力。それは、カルティエというブランドの長い歴史の中で、数々のストーリーを背景に生まれてきた各シリーズだからこそです。そんな名品揃いのカルティエの時計の代表的シリーズとそのバリエーションを、それぞれの誕生の物語とともにご紹介します。
目次
腕時計の歴史の始まり「サントス」
優雅な飛行実験を続けていた伊達男サントス・デュモン。その友人であったカルティエ家3代目のルイ・カルティエが、飛行中に操縦桿から手を放すことなく滞空時間を確認できるようにと考え出した「手首に巻く時計」こそが世界初の紳士用腕時計といわれます。時計といえば円形の懐中時計を指した当時とても斬新だった角型デザインは、その後多くのモデルに受け継がれ、今なお愛されています。
サントス-デュモン
子どもの頃からの「空を飛ぶ」という夢を忘れなかった富豪サントス・デュモンと宝石商ルイ・カルティエの友情の証として1904年に生まれた腕時計を原型とした、カルティエの腕時計の元祖がサントスシリーズです。飛行機のネジをイメージしたビスモチーフが特徴のデザインは、クラシカルでありながら新しさを失いません。
アイコニックなサントスにはさまざまなモデルがありますが、中でもサントス・デュモンは原点といえるモデル。肌なじみのよいピンクゴールドを用いたタイプは使いやすく、人気も高いです。
サントス ドゥ カルティエ
サントス・デュモンよりもスポーティーさを感じさせ、それでいてラグジュアリー感を損なっていない精悍なデザインのサントス ドゥ カルティエ。旧サントスガルベのリニューアル後モデルです。サントスの本質的なデザインを継承しつつ、容易にストラップ交換可能な「クイックスイッチ」方式採用など進化を遂げていています。
いろいろな服装との合わせやすさの点からは、ステンレススチールとイエローゴールドのコンビカラーなどがおすすめです。
サントス ドゥモワゼル
惜しまれつつ生産終了となったサントス ドゥモワゼル。その名前は、サントス・デュモンの乗っていた軽やかな小型航空機「ドゥモワゼル号」に由来します。まさにそのドゥモワゼル号のように小ぶりでほっそりとした華奢なデザイン。ベゼルからはビスモチーフが除かれ、エレガントさが際立っています。
この女性向けモデルの魅力は生産終了後も生き続け、今なおリユース品市場で高い人気を誇っています。
ブランドを代表する不朽の名作「タンク」
第一次大戦中に活躍した連合国軍の戦車からインスピレーションを得てデザインされたタンク。戦車は大戦の終結、パリの解放、そして平和な世へと導いてくれた立役者であると考えたルイ・カルティエは、記念すべき1本目のタンクをアメリカから派遣されていた総司令官ジョン・パーシング将軍に贈りました。
そんな歴史を背景に生まれたタンクシリーズは、不朽の名作として今日も輝き続けています。
タンク フランセーズ
手首の丸みに沿ってカーブする時計本体がメタルブレスレットと滑らかに一体化したデザインが特徴のタンク フランセーズ。シンプルなパーツ使いから生まれるすっきりとした爽やかさと、全体としての柔らかなラインが醸す嫌味のないノーブルさとが共存するという稀有な魅力を持つモデルです。
特にレディースモデルは、カルティエの数ある時計の中でも一番人気といってよいほどの人気の高さ。ベゼルや文字盤にダイヤが埋め込まれた華やかなタイプもあります。
タンク アングレーズ
ルイ、ピエール、ジャックのカルティエ三兄弟が構えた店舗のうちのひとつがロンドンにあったことに由来するタンク アングレーズ(=イギリスのタンク)。三兄弟による残りの2店舗はパリとニューヨークで、それぞれ「タンク フランセーズ」「タンク アメリカン」のモデル名に反映され、いわば三部作となっているのも興味深いところ。
文字盤の中央部に施された繊細なギヨシェ彫りが華を添える優美なデザインです。
タンク ルイ カルティエ
ルイ・カルティエ本人も愛用したといわれる、タンクシリーズの原点ともいうべきタンク ルイ カルティエ。直線的で無駄のないデザインは、当時開花し始めていたアールデコ様式の先駆けともいえ、その端正な印象はカルティエの時計の正統を感じさせます。
タンク ソロ
シンプルなラインから構成されるコンテンポラリーなデザインが魅力のタンク ソロ。スタイルを選ばずさまざまな装いに溶け込みます。カルティエという歴史ある正統派ブランドでありながら気負わず身につけられる比較的手頃な価格帯にも、今の時代の空気感を感じられます。
ビジューを思わせる「パンテール ドゥ カルティエ 」
フランス語で「豹(ヒョウ)」を意味するパンテールは、パーツのひとつひとつが丸みを帯び、しなやかな曲線美を楽しむことのできるグラマラスなデザインが特徴です。
もとより華やかさを感じさせるモデルですが、2連や3連になったブレスレットタイプやカフウォッチタイプといったさらに華あるパーティー仕様のものも展開されています。
コンビタイプ
イエローゴールドとステンレススティールのコンビとなっているタイプは、派手過ぎず、それでいてパッとした明るさがあり、使いやすいデザインといえます。パンテールのしなやかさには惹かれても、あまりにもグラマラスな印象のものは使いづらいと感じる方におすすめです。
ミニタイプ
ほっそりと華奢なデザインが優美なミニタイプは、ブレスレットとの重ねづけもおすすめです。ドレッシーな装いにも寄り添う柔らかでエレガントな印象は、時計のメカニカル感を感じさせず、腕時計というよりも手首を彩るブレスレットをイメージさせます。
ダイヤモンドセッティングタイプ
ベゼルに埋め込まれたダイヤモンドがまぶしい輝きを放つ華やかなタイプです。曲線的な個々のパーツのきらめきとの相乗効果で、華奢さとゴージャスな華やぎ、軽やかさと確かな存在感の両立を実現しています。
スタイルを選ばない「バロン ブルー ドゥ カルティエ」
フランス語で「青い風船」の名前のとおり、ふっくらとした丸みが強調されたデザインのバロン ブルー ドゥ カルティエ。小さな丸の中に収まったリューズは、ただ独特のデザインというだけでなく、袖口などに引っかからないという実用性も兼ね備えています。穏やかなラウンド型はスタイルを選びません。
ステンレススティールタイプ
そのオードソックスさから、シリーズ中でもとりわけ守備範囲が広く、使いやすさが際立っているといえるのがステンレススティールタイプです。
気取らない中に端正さや品の良さを備えているので、カジュアルに楽しめる一方でカチッとした装いにもしっくりとなじむ、その懐の広さが魅力です。
ピンクダイヤルタイプ
ステンレススティールのシンプルさに、ピンク色の文字盤がやさしさを加えているピンクダイヤルタイプ。
ステンレスのひんやりとした質感が引き締まった印象につながっているので、文字盤がピンクであっても甘過ぎず、このモデルの使いやすさは損なわれていません。
ダイヤモンドインデックスタイプ
12時の位置を除いたローマ数字インデックス部分にダイヤモンドが配されたタイプです。ベゼル部分にダイヤモンドが埋め込まれたタイプに比べややおとなしめなデザインとなりますが、文字盤中央部にはギヨシェ彫りが施され、一見控えめながら高級感と華やかさとをしっかりと備えています。
心を満たすカルティエの時計
モデルによってはちょっと手が届かないということもありそうなカルティエの時計ですが、リユース品市場規模が大きいため、リユース品購入も有力な選択肢です。逆に、資産価値のあるカルティエだからこそ新品を購入するという考え方もあるでしょう。
流行り廃りとは無縁の、今どき数少ない「一生もの」だけがもたらしてくれる満ち足りた気持ちを、カルティエの時計で味わってみませんか?