並行輸入品の意味とは。正規品との違いやメリット・注意点を解説
並行輸入品とは、ブランドとは関係のない業者や個人が海外から輸入・販売している製品のことです。手頃な価格だったり、日本未発売の製品に出会えたりとメリットもありますが、気を付けるべき点もあります。本記事では、並行輸入品の意味や正規品との違い、購入する際のメリット、注意点を解説します。
目次
並行輸入品とは
ブランドと関係のない業者や個人が海外で購入し、日本国内で販売している並行輸入品。ここでは、並行輸入品について解説するとともに、正規品との違いについて紹介します。
正規代理店以外の業者や個人が輸入しているもの
並行輸入品とは、正規代理店以外の第三者が海外で購入して、日本の国内へ輸入・販売する製品のことを指します。
<並行輸入品の流入ルート>
①海外のブランド直営店やブランドの正規代理店で販売されたものを、ブランドとは関係のない業者または個人が購入する
②購入したブランド品を日本へ持ち込む
③日本の小売店や個人によって販売される
並行輸入品は、製造元のブランドとはいっさい関係なく、正規の代理店を通さないのが特徴です。
正規品との違い
並行輸入品と正規品との違いは、流入ルートです。
<正規品の流入ルート>
①日本の正規代理店によって海外のブランド品が輸入される
②国内の正規販売店によって販売される
正規品はブランドと契約を結んだ正規代理店によって、日本国内へ輸入されます。
並行輸入品は合法
並行輸入品は正規店を通して輸入していませんが、合法です。なぜなら、合法的に製造された海外のブランド商品を、関税の発生する合法的な手段によって国内に輸入しているからです。経済産業省特許庁の「Q2. 商標権にかかる並行輸入」によると、以下の要件に当てはまる並行輸入品は合法になります。
<真正商品の並行輸入に該当する要件>
1.並行輸入商品に付された商標が、輸入元の外国における商標権者またはその商標権者から使用許諾を受けた者により適法に付されたものであること
2.輸入元の外国における商標権者と日本の商標権者とが同一人であるか、法律的もしくは経済的に同一人と同視し得るような関係にあることにより、並行輸入商品の商標が日本の登録商標と同一の出所を表示するものであること(つまり、商標の出所表示機能が害されていないこと)
3.並行輸入された商品と日本の商標権者が登録商標を付した商品とが、その登録商標の保証する品質において実質的差異がないと評価されること(つまり、商標の品質保証機能が害されていないこと)
つまり、海外で製造された本物のブランド商品であれば、正規代理店を通さない第三者が輸入・販売しても合法になります。
並行輸入品を購入するメリットとは
並行輸入品は、正規品と流入ルートが違うので通常の価格より安く購入できたり、レアな製品が手に入ったりしやすいのがメリットです。並行輸入品を購入するメリットを見ていきましょう。
正規品よりリーズナブルに購入できる
正規輸入品では、ブランドイメージの保護や値崩れ防止のために、セールなどがあまり行われません。一方、並行輸入品の場合は複数の会社を通さないため、仲介料を抑えることができ、正規品よりリーズナブルに購入できます。
また、為替の変動によっては仕入れ値を抑えて輸入できるので販売価格を下げることも可能です。並行輸入品にはそういった縛りがないので、安く販売されているケースがあります。
国内で販売されていない商品が手に入る
並行輸入品では、正規代理店では取り扱っていないモデルやデザインが手に入りやすくなります。そのため、地域限定の製品や日本向けでない製品が手に入るのも、並行輸入品のメリットと言えます。
通常、海外ブランドではサイズやカラー、仕様などが日本に不向きと判断した製品を卸すことはありません。しかし、並行輸入品であれば、個人が買い付けを行うため、そういった商品を買い付けることができます。
並行輸入品を購入する前に注意したい3つのポイント
並行輸入品の中には、偽物が販売されていたり、サイズが合わなかったりする製品があります。購入後に後悔しないためにも、並行輸入品を購入する前に注意したい3つのポイントを確認しましょう。
①アフターケアや保証サービスが充実していない
並行輸入品を購入した場合、正規代理店のアフターサービスや保証を受けられないことが考えられます。万が一、購入した商品が不良品だったり、壊れてしまったりした場合でも対応できないため、諦めなくてはいけない可能性があるでしょう。
また、保証を受けられたとしても、正規品と同じほどのサービスを受けられるとは限りません。さらに、販売店が突然撤退してしまう恐れもあります。
②偽物を購入する可能性がある
正規品とは違うルートで輸入しているため、偽物を購入する恐れがあります。並行輸入品を取り扱っている業者の中には、海外の買付業者に代理購入してもらっているケースもあります。そのため、気づかないうちに偽物が混ざってしまう可能性もあるでしょう。
また、正規品を謳って偽物を販売する悪徳業者もいます。その結果、正規品の基準に届いていない悪質なものを購入することも考えられます。
③国内規格ではない可能性がある
国内で販売していない製品を購入できるのはメリットでもありますが、デメリットでもあります。なぜなら、日本で販売しないのには理由があるからです。
例えば、使用している生地が日本の気候やライフスタイルに向いていないため、長持ちしない可能性があります。他にも、靴などのサイズ規格が異なるケースもあるでしょう。靴などはサイズ表記が単独のケースが多いため、センチに換算し直す必要があります。
さらに、日本で販売する予定ではなかった製品は、取扱説明書が購入元の言葉で書かれていることが多いです。
並行輸入品を購入するなら信頼できる販売店で購入しよう
もし、並行輸入品を購入する場合は、信頼できる販売店を選びましょう。継続年数や販売実績が多い販売店や、ホームページに口コミやレビューなどがあればチェックするのがおすすめ。
また、並行輸入品を取り扱っているお店では、正規代理店と同等の保証サービスを設けていることもあるので、事前に確認してから購入すると安心です。
手頃な価格で購入できたり、日本の正規店では売っていない製品が手に入ったりする並行輸入品は魅力がいっぱいありますが、不安な人は正規品を購入すると良いでしょう。
並行輸入品のメリットや注意点を理解し、自分に合うものを選ぼう
並行輸入品は低価格で購入でき、日本では未発売の商品が手に入れられることが多いです。欲しかったブランド品は「新品で購入して最初から大切に使いたい」、「リユースショップで購入してお財布にも優しいファッションを楽しみたい」など、思いは人それぞれ。「安いから良い」という気持ちではなく「これは永く使いたい」と、欲しかったアイテムを見極めてショッピングをするとサステナブルなファッションにもつながります。購入後に後悔しないためにも並行輸入品と正規品の違いを理解し、自分に合うものを購入しましょう。
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