エコダウンとは。ダウンとの違いやハイブランドの取り組みを紹介
エコダウンは、動物の羽毛を使わずに作られたダウンです。近年ファッション業界ではアニマルフリーが話題になっており、エコダウンなどのエコな素材に注目が集まっています。本記事では、エコダウンの特徴やダウンとの違い、エコダウンなどのアニマルフリーのアイテムがあるブランド、エコダウンの収納方法を紹介します。
目次
エコダウンとは
最近のファッション業界では、ダウンや毛皮など動物由来の素材の使用をやめる新しい流れがあります。また、エコダウンにはダウンとは違う魅力も。ここでは、エコダウンやダウンの特徴を紹介します。
エコダウンの特徴
エコダウンは、中綿にリサイクルポリエステルなどの化学繊維を使用し、動物性の素材を使っていないものです。軽量で保温性があり、水に強いため自宅で洗濯できるものも多くあります。
ダウンは着ていると着膨れすることがありますが、エコダウンにはスマートなデザインもあるのでシルエットがすっきりして見えます。
エコダウンとダウンの違い
<ダウン>
・水鳥の胸に生えているタンポポの綿毛のような、芯のないフワフワとした素材
・保温性がある
・やわらかい
・水に弱い
・自宅で洗濯できない
・湿気により保温力が低下する
・通気性や速乾性があるものも
<エコダウン>
・リサイクルポリエステルなどの化学繊維が材料
・通気性がある
・保温性がある
・湿気による保温力の低下はなし
・水に強い
・自宅で洗濯できるものが多い
・着膨れしにくい
・価格が抑えめなものが多い
ダウンは水鳥などの動物性の素材で作られており、1羽の水鳥から採れるダウンは5〜10gと言われています。一方、エコダウンはペットボトルなどをリサイクルした化学繊維で作られており、動物を犠牲にしません。機能性は、エコダウンもダウンと変わらないほどと言われています。
リサイクルダウンや環境にやさしいアイテムを取り扱うブランド
注目を集めるエコダウンなどのアニマルフリーなアイテム。有名ブランドでもアニマルフリーなアイテムが登場しており、世界規模でサステナブルな活動が活発になっています。ここでは、エコダウンなどのアニマルフリーなアイテムを取り扱っているブランドを紹介します。
パタゴニア(patagonia)
パタゴニア(patagonia)には、廃棄される予定だったダウン素材をリサイクルして使うリサイクルダウンがあり、今後もリサイクルダウンを使用したものが増える予定です。こちらのダウンベストは、リバーシブルで着用できるので、おしゃれを楽しみながら永く愛用できます。
モンクレール(MONCLER)
モンクレール(MONCLER)は、もともとテントなどの登山用品を手掛けるメーカーで、ダウンウェアが有名です。2022年1月に、すべてのコレクションで毛皮の使用を段階的に廃止することを発表しました。2022年には、野生で飼育された動物と、捕獲された動物から入手した毛皮の購入を停止するなどの活動をしています。
ステラマッカートニー(STELLA McCARTNEY)
ステラマッカートニー(STELLA McCARTNEY)は、ポール・マッカートニーの娘のステラ・マッカートニーが創設したブランド。動物愛護と環境保全のため、動物由来の毛皮やレザーをいっさい使用していません。動物由来の毛皮やレザーを使用すると、素材を手に入れるために飼育されたり、野生の動物を捕獲または殺されたりする場合もあるためです。
ステラマッカートニーでは、環境に配慮してリサイクル素材で作られたアイテムもあります。ブランドのアイコンバッグであるファラベラが有名です。
サステナブルなフェイクレザーを愛用したい。人気アイテムやお手入れ方法を紹介 フェイクレザーは、合成樹脂を用いて人工的に作られる素材です。リアルレザーを使用せず動物への配慮につながるため、サステナブルファッションが注目されている今、人気が高まっています。本記事ではフェイクレザーの特徴や扱い方の他、フェイクレザーを使用した代表的なブランド、ステラマッカートニーのおすすめアイテムを紹介していきます。
グッチ(GUCCI)
グッチ(GUCCI)は、1921年にグッチオ・グッチが創業したブランドで、高級感のある上品なアイテムが特徴です。グッチには、再生素材、オーガニック素材、バイオベースなどの持続可能な素材を使ったアイテムを展開するGucci Off The Gridコレクションというラインがあります。グッチの品のあるデザインはそのままに、旅行バッグや財布などのアイテムが多数展開されています。
シャネル(CHANEL)
シャネル(CHANEL)は、ココ・シャネルが創業したブランドで、モードファッションの先駆けでありファッション業界に革命を起こしたブランドとして有名です。人気のブランドであるシャネルは、エキゾチック・レザー(爬虫類などの革を使ったもの)の廃止を2018年に発表しました。
また、上記発表に伴い毛皮を使うのも廃止しています。シャネルのエイジングケアラインの「N°1(ヌメロアン) ドゥ シャネル」では、コスメの容器に再生可能で軽量なガラス瓶を採用していて、詰め替えするごとに環境に優しい活動へとつながります。
エコダウンのアイテムを購入するならリユースショップがおすすめ
今ある資源を大切にして動物由来の素材を使わない活動が広まっている今、エコダウンのアイテムを購入するにはリユースショップがおすすめです。ダウンにはたくさんの水鳥の羽毛が使われていますが、エコダウンなら化学繊維で作られた中綿を使っているため、動物の犠牲を減らす活動にも貢献できます。
リユースショップを利用することで、誰かが使わなくなったエコダウンなどのアイテムが購入でき、永く使い続けるとサステナブルな活動にもつながります。
エコダウンを使用したアウターの収納方法
エコダウンはボリュームがあり収納するときに困ることもあります。実はコンパクトに畳んで収納できるエコダウン。ここでは、エコダウンの収納方法を紹介します。
湿気対策をする
エコダウンを収納する際は、しっかり乾いているかを確認してから収納します。湿気が残っていると、カビが発生する原因になります。湿気がこもらないように、通気性の良い不織布や、ガーメントのカバーをつけて収納するのがおすすめ。
ビニール袋や圧縮袋などは、湿気がこもってしまったり、シワになったりするため避けましょう。
カバーを付けて収納する
エコダウンはスマートなシルエットが特徴的ですが、ハンガーにかけて収納するとどうしても場所を取ります。そのため、収納する際はコンパクトに折り畳んで収納しましょう。エコダウンを両腕が前で交差するようにたたみ、不織布などの通気性の良いカバーに入れて空気を抜いていきます。
カバーを選ぶ時、エコダウンを包み込めるサイズであるかを確認してから選びます。自宅に何枚かエコダウンがある場合は、重ねて収納していくとコンパクトなスペースでも収納が可能です。
エコダウンを使用したアイテムで寒い季節のおしゃれを楽しもう
エコダウンは水鳥などの動物由来の素材を使っていない、とてもサステナブルなおしゃれアイテム。保温性も、ダウンに劣らない暖かさがあります。本記事で紹介したブランドもアニマルフリーなアイテムを取り揃えてるので、サステナブルなアイテムの購入を考えている時は参考にしてみてください。暖かいエコダウンを着て、おしゃれを楽しみましょう。
地球に優しいサステナブル素材の種類と特徴。 ファッションもエシカル志向へ 自然環境に配慮したサステナブル素材は、環境への負荷が少ないため、最近では多くのファッションや生活雑貨などに取り入れられています。サステナブル素材と言っても、天然由来のものやリサイクルしたものなど種類はさまざま。本記事では、サステナブル素材について解説するとともに、種類や特徴、洋服の選び方を紹介します。