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地球に優しいサステナブル素材の種類と特徴。 ファッションもエシカル志向へ

自然環境に配慮したサステナブル素材は、環境への負荷が少ないため、最近では多くのファッションや生活雑貨などに取り入れられています。サステナブル素材と言っても、天然由来のものやリサイクルしたものなど種類はさまざま。本記事では、サステナブル素材について解説するとともに、種類や特徴、洋服の選び方を紹介します。

ファッション業界から注目の集まる「サステナブル素材」とは

さまざまなサステナブル素材

出典 Shutterstock

2015年の国連サミットでSDGsが採択されたことにより、サステナブルな取り組みに注目が集まっています。この流れはファッション業界にも影響を与えました。多くのアパレルブランドで、商品にサステナブル素材を取り入れるなどの取り組みが行われています。まずは、サステナブル素材の概要や種類について見ていきましょう。

地球や環境に優しい素材

サステナブル素材は自然環境に配慮し、環境に負荷をかけにくい素材のこと。主に、天然素材とリサイクル素材の2種類に分けられます。サステナブル素材は洋服だけでなく靴などにも使われており、多くのファッションブランドがサステナブル素材の活用や研究に取り組んでいます。

種類①天然素材

天然素材は廃棄しても土に還すことができ、ゴミの廃棄などによる自然への悪影響を抑えられます。オーガニックコットンや植物、和紙から作られたものが天然素材です。

天然素材は土の中で害を与えず生分解されるので、環境への負荷が少ないのはもちろん、廃棄量も減らせます。

種類②リサイクル素材

リサイクル素材は、使用した製品や廃棄するものを再利用した素材のこと。ペットボトルを再利用して作られたリサイクルポリエステルや縫製工場、紡績工場で廃棄処分になる落ち綿や綿のくずを集めて、再利用したリサイクルコットンなどが該当します。

リサイクル素材を使用していても従来の商品との差があるわけではありません。リサイクル素材の商品を見つけたら、サステナブルな取り組みとして選んでみるのがおすすめです。

さまざまなサステナブル素材と特徴

オーガニックコットンと黒いトップス

出典 Shutterstock

天然素材とリサイクル素材に分けられる、サステナブル素材。サステナブル素材には、オーガニックコットンやヴィーガンレザーなど、さまざまなものがあります。サステナブルな素材を使用すれば、環境負荷を減らし、地球環境に貢献することが可能です。ここでは、サステナブル素材の一例を紹介します。

オーガニックコットン

オーガニックコットンは、農薬や化学肥料の使用を最小限に抑える、労働の安全を確保するなど厳しい基準に沿って育てられている綿花素材です。柔軟剤や漂白剤なども使用されていないため、環境はもちろん労働者の健康に対しても負荷が抑えられています。

このオーガニックコットンは、SDGsが普及する前から多くのブランドが積極的に取り入れているサステナブル素材です。

ヴィーガンレザー

ヴィーガンレザーとは、本物の動物ではなく、人工的に作られた非動物性の革のことです。化学繊維にポリウレタン樹脂を染み込ませた人工皮革、ポリウレタンなどを布の表面にコーティングした合成皮革、天然由来の原料を使用している天然由来のヴィーガン材料の3つにわかれます。本革よりも軽く、お手入れが簡単といった魅力があります。

生分解性繊維

生分解性繊維は、和紙から作られた素材などで土の中で無害に生分解される天然繊維です。微生物が働くことにより、水や二酸化炭素に分解され、自然環境への負荷を抑えられます。焼却時の二酸化炭素排出量は、他のプラスチックに比べると少なく、有毒ガスも発生しない特徴があります。

無水染色素材

無水染色素材とは、全く水を使用せず、無地染めが行われる素材を指します。通常、繊維を染める際は生地の汚れを落としたり、染色したりするのに多くの水を使用しています。また廃液もたくさん出るため、環境に負荷をかけているのが現状です。

この無水染色素材は、高圧の窯の中で水を使わず染める技術で製造しており、環境の負荷を減らせます。

リサイクル繊維

樹脂メーカーや合繊メーカーの工場から出る合繊、裁断くず、廃プラスチックやペットボトルを原料にしているリサイクル繊維。細かく砕いてから洗浄し、熱で溶かして繊維にし、ポリエステルやポリプロピレン、ナイロンなどに再生します。

再生セルロース繊維

セルロースと呼ばれる植物から採取される繊維素を化学処理して溶かし、糸にした植物性の化学繊維が再生セルロース繊維です。レーヨンやポリノジック、キュプラなどが該当します。

化学繊維とはいえ、もともとは植物性なので土に還ります。また、燃やしたとしても有害物質が発生しにくいのが特徴です。

サステナブル素材を取り入れているファッションブランド

現在、ハイブランドや大手アパレル企業など多くのファッションブランドがサステナブルな取り組みを行っています。生産環境を整えたり、無限に再生できる素材を使用したりと取り組み方法もさまざまです。ここでは、サステナブル素材を取り入れているファッションブランド2つを紹介します。

素材の生産環境を整えている「グッチ(GUCCI)」

グッチ(GUCCI)は、サステナブル素材を用いた商品を多数開発しているブランド。通常、革のなめし工程では、有害な重金属が発生します。そこでグッチは排水施設に莫大な投資を行い、重金属排出を抑えるなど素材の生産環境を整えました。

他にも、植物由来のなめし剤を使ったメタルフリー革材の製品や本物のレザーのようななめらかな質感を持ちつつ、環境に優しい代替え素材、デメトラを用いたスニーカーなどを取り扱っています。

無限に再生可能な素材を使用している「プラダ(PRADA)」

プラダ(PRADA)は、海から集めたプラスチック廃棄物や繊維廃棄物を再利用し、浄化してできたエコニール(ECONYL®)を使用した商品を取り扱っています。このエコニールは品質を損なうことなく、無限に再生できる素材です。

また、プラダの人気アイテムでも使用されている素材は2019年からリナイロン(Re-Nylon)を採用。生産するナイロン製品をすべてエコニールに切り替え、ブランド全体で環境問題へ取り組んでいます。

このようなブランドのサステナブルな素材を活用した商品を購入することは、エシカル消費にもつながります。エシカル消費とは地球環境や人、社会に対し、考慮して作られたものを購入、消費することです。私達がエシカル消費を意識すれば、未来や社会を変える力になるでしょう。

サステナブルな洋服選びのポイント

服を選んでいる女性

出典 Shutterstock

サステナブル素材を使用することは地球環境への負担を減らせますが、他にも取り組めるサステナブルの活動があります。最後に、サステナブルな洋服選びのポイントを解説します。

長く着られる上質なものを選ぶ

流行に左右されず、長く着られる上質なものを選びましょう。ファストファッションが流行ったことにより、服の生産や廃棄が大量に行われており、環境汚染の原因となっています。安いものを大量に買うのではなく、大切に長く着ることで服の生産や破棄による環境への汚染を間接的に抑えられます。

レンタルやシェアをする

結婚式や入学、卒業式、アウトドアなどあまり着ない服はレンタルやシェアを活用しましょう。実際に着てから購入するかを検討できるので、失敗して服を処分するというサイクルがなくなります。

さらに、着ない服を眠らせて置いておくことも減るのでクローゼットの整理も可能です。服のレンタルができるサービスには、単発レンタルや月額制などの形式があります。

リユースファッションを活用する

リユースファッションを活用するのもサステナブルな活動です。誰かが着なくなった服をまた活用するということは、処分される服が減ることを意味します。自分が着なくなった服もリユースすれば誰かが活用してくれるので、ゴミの削減にもなるでしょう。

サステナブル素材のアイテムを使い、エシカル志向になろう

サステナブル素材で作られた白い服

出典 Shutterstock

サステナブル素材は、環境や人、動物に配慮した地球に優しい素材です。ファッションや生活雑貨においてはエシカル志向が高まっており、サステナブル素材を使用しているアイテムはこの先より注目を浴びるかもしれません。天然素材やリサイクル素材などたくさんの種類があるので、何かを購入する際は、どのような素材で作られているのかチェックしましょう。

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JUNO
サムネイル: JUNO
趣味はカメラと美術館めぐり。アートからインスピレーションを得た自分だけのファッションを楽しむのが好き。