キュービックジルコニアとは。ダイヤモンドとの違いや特徴を解説
キュービックジルコニアはダイヤモンドを模して開発された人工石です。ダイヤモンドに似た輝きを持ちながらも安価なので、身近なジュエリーとして人気が高まっています。この記事では、キュービックジルコニアとは何か、ダイヤモンドとの見分け方やメリット・デメリットについて紹介します。
目次
- キュービックジルコニアとは
- 装飾用に開発された人工石
- ダイヤモンドにきわめて近い輝きを持つ
- キュービックジルコニアとダイヤモンドとの見分け方とは
- 薄暗い場所での輝き方が弱い
- 息を吹きかけると曇りがすぐには消えない
- 水滴を垂らすと平たく広がる
- キュービックジルコニアのメリット・デメリット
- メリット①価格がリーズナブル
- メリット②カラーバリエーションが豊富
- メリット③サステナブルな選択ができる
- デメリット①資産価値は低い
- デメリット②暗い場所では輝きにくく人工感がある
- キュービックジルコニアのお手入れ方法
- やわらかな布で汚れを拭き取る
- 汚れが気になる時は中性洗剤で洗う
- キュービックジルコニアとはダイヤモンドの輝きを楽しめるもの
キュービックジルコニアとは
最初にキュービックジルコニアとは何かを見ていきましょう。ここでは、キュービックジルコニアの主な成分や高度、価格や輝きなどを紹介します。
装飾用に開発された人工石
キュービックジルコニアは和名で「立方晶安定化(りっぽうしょうあんていか)ジルコニア」といい、ダイヤモンドに模して装飾用に開発された人工石です。
耐熱性セラミックの材料として使われる二酸化ジルコニウムを主成分とし、酸化カルシウム、酸化マグネシウムや酸化イットリウムなどを混ぜて結晶化させています。キュービックジルコニアの硬度は天然ダイヤモンドには敵わないものの、水晶やトパーズなどよりは高いです。
ダイヤモンドにきわめて近い輝きを持つ
キュービックジルコニアは屈折率が高く、ダイヤモンドにきわめて近い輝きを持ちます。その一方で、市場価格はダイヤモンドの100~500分の1です。「人工ダイヤモンド」とも呼ばれ、ダイヤモンドの代わりに宝飾品に使用されることも。ダイヤモンドの輝きを気楽に楽しめる人工石です。
キュービックジルコニアとダイヤモンドとの見分け方とは
キュービックジルコニアが何かが分かったところで、ダイヤモンドとの見分け方を紹介します。一見したところ両者の区別は難しいのですが、ちょっとしたコツを知れば見分けられます。
薄暗い場所での輝き方が弱い
キュービックジルコニアとダイヤモンドは、薄暗い場所での輝き方が異なります。
ダイヤモンドは、街灯程度のわずかな光でも輝きます。光が通り抜ける際の入射角度の範囲が狭く、全反射しやすいので輝きが強く出るからです。一方、キュービックジルコニアは、薄暗い場所では輝きが弱いです。
薄暗い場所で輝きが鈍ければ、ダイヤモンドではないと判断できます。
息を吹きかけると曇りがすぐには消えない
キュービックジルコニアは、息を吹きかけ、表面が曇った後の戻り方がダイヤモンドと違います。ダイヤモンドは熱伝導率が高いので熱が伝わりやすいです。息を吹きかけて表面が曇ってもすぐにもとに戻りますが、キュービックジルコニアは、なかなか曇りが消えません。
水滴を垂らすと平たく広がる
他に水を垂らして弾く力で、キュービックジルコニアとダイヤモンドを見分けることも可能です。ダイヤモンドは水を弾く性質(疎水力)が強いので、表面に水を垂らすと球形の水滴になります。一方、キュービックジルコニアは、表面になじんで平たく広がります。
キュービックジルコニアのメリット・デメリット
続いて、キュービックジルコニアのメリット、デメリットを紹介します。大きなメリットは人工的に開発されたので価格がリーズナブルであり、カラーバリエーションが豊富なことです。
メリット①価格がリーズナブル
前述の通り、キュービックジルコニアは価格が安いことが最大のメリットです。
同じサイズ(カラット)のダイヤモンドに比べ、その価格は100倍~500倍もの差があるといわれます。キュービックジルコニアは、一般的なサイズのものであれば、数千円から1万円程度で購入可能です。ダイヤモンドと変わらない輝きのジュエリーが、安価で楽しめるのが魅力です。
メリット②カラーバリエーションが豊富
キュービックジルコニアは、赤やピンク、青、緑などカラーバリエーションが豊富なのもメリットです。
ダイヤモンド同様に無色透明が一般的ですが、加工の際に他の素材を混ぜることでさまざまな色の結晶を作れます。カラーバリエーションが豊富なので、その日の気分やファッションに合わせてコーディネートも可能です。
メリット③サステナブルな選択ができる
人工的に作られたキュービックジルコニアなら、サステナブルな選択ができます。
天然ダイヤモンドには、採掘作業や世界の紛争問題も隠されています。採掘のために鉱山を切り崩すので、自然環境の保全のためには望ましくありません。また天然ダイヤモンドは、その希少性や価格の高さから紛争を起こす原因になったり、低賃金雇用や過酷な労働環境を強制するなどといった不当な労働も生まれたりしてきました。
資源のことや紛争問題、労働環境を考えた選択肢としても、キュービックジルコニアを選ぶことはサステナブルです。
人工ダイヤモンドと天然との違いは?エシカルなジュエリーを取り入れよう ジュエリー業界では近年、人工ダイヤモンドが注目されています。本記事では、人工ダイヤモンドの天然ダイヤモンドとの違いを解説するとともに、人工ダイヤモンドが評価されている背景に迫ります。また、ジュエリー業界で需要が高まっているダイヤモンドのリフォーム・リメイクの、エシカルな観点でのメリットの数々も紹介。
デメリット①資産価値は低い
キュービックジルコニアは価格がリーズナブルなのはメリットでもありますが、すなわちは資産価値が低いことでもあります。
天然のダイヤモンドは希少価値が高く、いざという時はそれなりの価格で売却できて現金化でき、資産価値がありますが、キュービックジルコニアは人工的に大量生産できるため、資産価値はほとんどありません。あくまでもファッションアイテムとして楽しむためのものです。
デメリット②暗い場所では輝きにくく人工感がある
キュービックジルコニアは、暗い場所では輝きにくく、また均一に輝くので人工感があります。
天然ダイヤモンドは光を全反射しやすく、わずかな光でも輝きますが、キュービックジルコニアは暗い場所では輝きが弱いです。また天然ダイヤモンドは、長期間かけて地中で形成されたため、わずかな不純物が混じっていることもあり、輝きが均一ではないのも魅力です。
キュービックジルコニアは、人工的に作られているので余分な不純物が混じりません。天然ダイヤモンドに比べ、輝きがあまりに均一的で不自然に思う人もいるでしょう。
キュービックジルコニアのお手入れ方法
最後にキュービックジルコニアのお手入れ方法を紹介します。普段使いできるジュエリーだからこそ、日々の手入れをしっかりと行い、美しい輝きを永く楽しみましょう。
やわらかな布で汚れを拭き取る
普段のお手入れでは、キュービックジルコニアに付いた汚れをやわらかな布で優しく拭き取ります。キュービックジルコニアを身に着けると化粧品の油分や手の皮脂汚れ、ほこりなどが付きやすく、白く濁って輝きを失いがち。使用後はジュエリー用クロスなどを用いて、汚れを取り除くのを習慣にしましょう。
汚れが気になる時は中性洗剤で洗う
キュービックジルコニアの汚れや曇りが気になる時は、中性洗剤を使用して洗浄しましょう。
<洗い方>
1. 台所用中性洗剤などを2~3滴垂らしたぬるま湯に浸ける
2. 汚れが気になる部分をクロスで拭いたり、やわらかな歯ブラシで優しくこすったりして洗う
3. 真水で洗剤をしっかり洗い流し、水気を拭き取って乾かす
また購入したショップに持ち込むと、超音波洗浄機でクリーニングしてもらえることもあるので、確認をしてみてください。
キュービックジルコニアとはダイヤモンドの輝きを楽しめるもの
キュービックジルコニアとは、ダイヤモンドのような輝きを手ごろな価格で楽しめる身近なジュエリーです。カラーバリエーションが豊富なのでコーディネートもしやすく、また自然環境にも優しいのでサステナブルにおしゃれを楽しめるでしょう。キュービックジルコニアの煌めく輝きを身に着けて、ワンランク上のファッションを楽しんでみませんか。