ファーのお手入れは意外と簡単!汚れたらすぐにできるケア方法を紹介
汚れたらクリーニングに出すしかないと思われがちなファーですが、実はお手入れは意外と簡単です。本記事では、リアルファーの汚れや臭いを防ぐケア方法、さらにフェイクファーやボア、ムートンなど冬に欠かせないアイテムのお手入れ方法をお届けします。お気に入りのアイテムを自宅で正しくお手入れして、長く綺麗な状態を保ちましょう。
目次
自宅でファーをお手入れすることのメリット
ファーは繊細な素材なのでお手入れが難しそうですが、コツを掴めば決して難しくありません。 ファーをお手入して長く使うことは、自分にも地球にもたくさんのメリットがあります。
快適に長く使い続けられる
汚れは蓄積すればするほど取りづらくなりますが、普段からお手入れをしておけば、クリーニングに出すほどのひどい汚れを防ぐことができます。日常的に綺麗な状態が保てるため、素材もダメージを受けづらく長持ちします。また、汚れとともに匂いのケアもできて、快適に使えるのも良いところです。
時間と費用が節約できる
クリーニングに出すとなると、クリーニング店に持って行く時間や仕上がり待ちの時間がかかりますが、自宅であればそこまで時間がかかりません。さらに、ファーのクリーニング代はストール、マフラーなどで2,000円~3,000円前後ですが、コートなどは10,000円前後で高額です。しかも一度でなく、シーズンごとにクリーニングに出すとなるとかなり費用がかかるので、家でケアできれば大きな節約になります。
地球環境に優しい
ファーをお手入れして長持ちさせることは、地球に優しいサステナブルファッションの視点でも有意義です。ファッション業界では、衣類の大量廃棄による環境汚染や資源の無駄遣いが問題になっています。捨てられる理由の3割は汚れや色褪せといわれているので、お手入れで寿命が伸びれば廃棄量が減り地球環境にも優しいのです。
自宅でファーをお手入れするための準備
まずは、実際にお手入れをする前に確認しておきたいこと、必要なケア用品を紹介します。
革製品が使われていないことを確認する
毛が抜けたりゴワゴワした手触りになったりするのが心配なファーのお手入れ。でも、適切にケアすれば風合いを保ちながら綺麗にできます。ただし、水洗いで本格的にケアしたい場合、製品に革が使われていないか、確認する必要があります。なぜなら、本革が使われていると水洗いで縮んだり傷んだりすることがあるからです。毛の根元や周りの素材を確認し、問題なければ水洗いのケアに進みましょう。
お手入れに必要な道具を用意する
お手入れに必要な道具は以下の通りです。
①洗剤かシャンプー
②柔軟剤かリンス
③洗面器
④ブラシ
ファーの汚れは人間の髪の毛同様に皮脂や整髪料、化粧品などがほとんどなので、洗剤は髪を洗うシャンプーで代用できます。また、やわらやく仕上げるため、柔軟剤代わりにリンスで好みの香りにすることも可能です。もちろんオシャレ着洗い用の洗剤と柔軟剤を使っても良いですよ。
リアルファーのお手入れ
リアルファーのお手入れ方法をお届けします。汚れを取りたい時の適切な洗濯方法の他、匂いケアや、どんなファーにも活用できる日常の手軽なお手入れ方法も紹介します。
リアルファーの洗濯方法
リアルファーのお手入れの手順は以下の通りです。
①洗面器に30℃前後のぬるま湯を張ってファーを浸し、まんべんなく湿らせたら取り上げる
②シャンプーを手に1プッシュとってなじませ、ファーにもみ込む
③洗面器のぬるま湯と流水を使って優しくすすぐ
④少量のコンディショナーを手に伸ばし、ファー全体に軽くなじませる
⑤洗面器に水を張り、ファーをくぐらせてすすぐ
⑥軽く水気をきって洗濯機に移し、脱水に10秒ほどかける(タオルで水気を切りドライヤーの冷風を当てても良い)
⑦室内の風通しのいい場所で干して乾かす
⑧ブラッシングする
洗濯後、水で濡れた状態のファーは毛並みが乱れています。乾かせば多少毛並みは整いますが、仕上げにブラッシングして整える必要があります。毛並みに沿ってブラッシングすると、束なった毛がほぐれてふわふわに戻ります。
リアルファーの匂いケア
防寒アイテムのファー類には、目に見えない汗、香水、整髪料、制汗剤などが付着しており、それらが匂いの原因になっています。使用後そのままクローゼットにしまわずに、風通しの良いところで一晩干しておきましょう。それでも匂いが取れない場合は以下のお手入れを試してみてください。
①洗剤(シャンプーでも可)を溶かしたぬるま湯にタオルを浸し、それで拭き取る
②仕上げに洗剤の付いていない蒸しタオルでファーの表面を拭き取る
消臭スプレーはファーには向きません。他の臭いと混じり匂いを強めることもあるので注意が必要です。
日常のお手入れ方法
①ブラッシングしてファーの埃を落とす
②毛足を潰さぬようにハンガーなどに吊って収納
③長期保管は箱に入れ、防虫剤を添える
こちらは水を使わない簡単な日常ケアなので、革製品などが使われた繊細な素材でも応用できます。ちなみに、防虫剤はガスになり下に落ちていくので、上に置くことで箱内に防虫ガスを充満させられます。ファーに直接載せるのではなく、蓋の裏に貼り付けるのもおすすめです。
リアルファー以外の冬のアイテムのお手入れ方法
冬のマストアイテムはリアルファーだけではありません。フェイクファーやボア、フリース、ムートンなどのお手入れ方法を紹介します。リアルファーよりも強い素材なので、さらにお手入れが簡単です。
フェイクファー
リアルファーのほうが繊細な素材なので、先述したリアルファーのお手入れ方法はフェイクファーにも活用できますが、さらに手軽な洗濯機を使ったケアを紹介します。
①ネットに入れる
②ドライ(手洗い)コースを選び、おしゃれ着用洗剤で洗う
③脱水後に陰干しで乾かす
④乾いたら低温でドライヤーを軽くあてて、毛先をブラッシングして整える
洗濯に使う水は30℃以下が目安です。また、柔軟剤を使うと静電気防止効果もあり、ふわふわで手触りよく仕上がります。
ボア・フリース
ボアやフリース素材は、ファー同様にふわふわ感が大切なアイテムですが、洗濯でぺしゃんとしてしまった覚えがある人もいるはず。ファーよりも汚れが付きやすく目立ちやすいことが多いので、より頻繁にケアをする必要があります。リアルファーの洗濯方法が応用できる他、フワフワ感を損なわないように手洗いすることもできますよ。手順は以下の通りです。
①洗面台や洗面器に水と洗剤を入れて優しく押し洗いする
②汚れがひどいところは、念入りに手洗いする
③しっかりとすすいでから、柔軟剤を投入する
④柔軟剤をすすぎ軽く脱水をかけたら、陰干しをする
⑤強度のあるブラシで毛を立ち上がらせる
ボアやフリースの多くは熱に弱いポリエステルを使っているので、乾燥機の使用は厳禁。ふわふわ感は、洗濯後のブラッシングが決め手です。強度のあるペット用ブラシがおすすめです。
ムートン
衣類の他、ブーツなどにも使われるムートンも自宅の洗濯機で洗えます。
①目に見える埃や汚れをあらかじめ除去する
②中性かウール用の洗剤を使って洗濯機で洗濯する
③よく脱水した後、洗濯ばさみ等でしっかり伸ばした状態で風通しの良い場所で干す
④7割ほど乾いたところで、毛がダマにならないようブラッシングする
⑤完全に乾いたら、再度ブラッシングして毛並を整える
ムートンは毛の絡みや匂いの付着も起きやすいので、上記の洗濯だけでなく日常のケアも大切です。日常のケアとしては、表面や毛と毛の間の埃を叩き落とす方法か、掃除機で吸引しゴミを吸い取ると同時に毛を起こす方法がおすすめ。また、風通しのよい場所での陰干しは、臭い対策としても効果的です。
愛用のファーは自分でお手入れして長持ちさせよう
ファーは特殊な素材ですが、その特性を知れば家でも洗うことができます。リアルファーのお手入れ方法は、他の冬の暖かい素材にも応用が利くので覚えておきたいものです。サステナブルな行動の第一歩として、愛用のファーや冬のアイテムを正しくお手入れして長持ちさせましょう。