フードロスとは?日本・世界の取り組み事例や、個人で貢献できるアプリも紹介
昨今、社会問題となっているフードロス。日本はもちろん、世界的な問題になっており、政府や企業でもさまざまな対策が行われています。この記事では、フードロスとはどのようなものなのか概要を解説し、日本と世界ぞれぞれの取り組み事例を紹介します。併せて個人でフードロス対策ができるアプリもチェックしていきます。
目次
- フードロスとは?その意味と原因
- フードロスの意味
- フードロスの原因
- 日本や世界のフードロス問題とは。現状や対策
- 日本のフードロスの現状
- 日本のフードロスの対策【国の取り組み】
- 日本のフードロスの対策【民間企業の取り組み】
- 世界のフードロスの現状
- 世界のフードロスの対策
- 今日からできる!フードロスの対策
- 食材を買いすぎない
- 料理を作りすぎない
- 好き嫌いをなくす
- 保存方法に注意する
- フードロス問題に取り組むアプリやサービス
- 飲食店のフードロスを軽減するTABETE(タベテ)
- 生産者のフードロスを軽減するLet(レット)
- 賞味期限間近の商品を安く購入するOtameshi(オタメシ)
- フードロス対策に企業が協賛するKURADASHI(クラダシ)
- フードロスとは、わたしたちでも対策できる問題
フードロスとは?その意味と原因
昨今、飲食業界や食品業界でも話題になっているフードロス。ここではフードロスとはどのようなものなのか、その意味や原因について紹介します。
フードロスの意味
フードロスとは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品のことを言います。
フードロスは大きく二つに分けることができ、一つは事業活動を伴って発生する「事業系フードロス」、もう一つは各家庭から発生する「家庭系フードロス」です。
「事業系フードロス」はさらに、食品製造業、食品卸売業、食品小売業、外食産業の4業種に分けられます。
フードロスの原因
フードロスの主な原因として、食品の過剰除去、直接廃棄、食べ残しの3つが挙げられます。
家庭系フードロスの場合は、「野菜の皮を厚くむき過ぎる」など食べられる部分まで捨ててしまうこと、「消費期限や賞味期限が切れた」などで食品を捨てること、「料理を作りすぎた」「食材を多く買いすぎた」などで食材を食べきれずに捨てることがフードロスにつながっていることになります。
事業系フードロスの場合は、「サンドウィッチを作る際にパンの耳を切り落として廃棄する」など製造工程の都合で食べられる部分まで廃棄すること、「返品された」「納品期限が切れてしまった」「輸送中にパッケージの一部が破損してしまった」「客が料理を残した」「仕込みの量を間違えた」などの理由で食品を廃棄することがフードロスの原因です。
日本や世界のフードロス問題とは。現状や対策
フードロスとは日本のみならず世界でも起こっている問題です。ここでは日本と世界それぞれのフードロスの現状や対策を解説します。
日本のフードロスの現状
日本では年間2,531万トンの食品廃棄物等が出されており、フードロスにあたるのはそのうちの600万トンと言われています。量が大きすぎてイメージしにくいですが、国民一人当たりに換算すると約130グラム。年間では約47キログラムもの食品が捨てられているということになります。
これは日本人1人あたりが毎日お茶碗1杯分のごはんを捨てるのと同じ量です。
日本のフードロスの対策【国の取り組み】
日本は国のフードロス対策として2012年より食品廃棄物の発生抑制の重要性が高い業種について、食品リサイクル法に基づく「発生抑制の目標値」を設定しました。
さらに2019年には「食品ロス削減推進法」を施行。食品ロスの削減に関して国、地方公共団体等の責務等を明らかにするとともに、基本方針の策定、その他食品ロスの削減に関する施策の基本となる事項を定めています。
日本のフードロスの対策【民間企業の取り組み】
フードロス対策に取り組んでいる企業もあるので、事例を紹介します。
セブンイレブン・ジャパンやイトーヨーカドーなどのセブン&アイグループ各社は、消費期限の近い対象商品を電子マネーnanacoで購入した際に、ボーナスポイントを付与するという取り組みを行なっています。
キユーピーではユーザーに対するフードロスへの注意喚起や抑止効果を狙った取り組みとして、一部製品の賞味期限表示を「年月日」から「年月」への変更、一部製品の賞味期間延長を実施し、返品の抑制につなげています。
世界のフードロスの現状
世界に目を向けると、ヨーロッパと北アメリカでは1人当たり年間280~300キログラム、サハラ以南アフリカと南・東南アジアでは年間120~170キログラムのフードロスが出ています。
国連食糧農業機関(FAO)によれば、発展途上国では収穫技術や加工技術の不備などで生産・加工の段階でフードロスが出やすく、先進国では生鮮食品への高い外観品基準や販売店での大量陳列などで加工・卸小売・外食・家庭の段階でフードロスが出やすいそうです。
世界のフードロスの対策
フランスでは2016年にスーパーマーケットでの食品廃棄を禁止し、売れ残りの食品は寄付や飼料などに転用することを義務付ける法律が施行されました。
オーストラリアのシドニーのスーパーマーケット「OzHarvest Market」では、品質には問題ないが規格外品で廃棄予定の食料を集めて販売し、買い手が値段を決められるようにすることで対策に取り組んでいるそうです。
今日からできる!フードロスの対策
フードロス対策には、家庭や個人でもできる取り組みがいくつか考えられます。ここでは今日から実践できる身近なフードロス対策を4つ紹介します。
食材を買いすぎない
まず、食材を買いすぎないことがフードロス対策になります。
買い物の際は冷蔵庫や食品庫にある食材をチェックして必要な分だけ買うように心がけましょう。料理する予定と食品の賞味期限・消費期限を照らし合わせることで、フードロスを防げます。
料理を作りすぎない
料理を作りすぎないよう意識することもフードロス対策につながります。
食べる人数に合わせてレシピ通りに料理をするとよいでしょう。作りすぎてしまった場合は、リメイクして食べたり、冷凍保存するという方法もあります。
好き嫌いをなくす
好き嫌いをなくすことでフードロスが少なくなります。
嫌いな食べ物でも、調理法を変えたりすれば克服できることがあります。どうしても食べられない場合やアレルギーなどがあって食べられない場合は、フードバンクなどを利用して捨てない方法を検討しましょう。
保存方法に注意する
食材の保存方法に注意し、食べられる状態を保つこともフードロス対策の一つです。
カット済みの野菜や肉・魚は、冷凍や茹でるなど下処理してストックしておくのがおすすめです。切っていないジャガイモやタマネギ、ゴボウ、カボチャなどは常温保存が向いています。
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フードロス問題に取り組むアプリやサービス
個人でできるフードロス対策として、フードロス対策アプリやサービスの活用があります。ここでは、4つのフードロス対策アプリやサービスを紹介します。
飲食店のフードロスを軽減するTABETE(タベテ)
TABETE(タベテ)は、まだおいしく安全に食べられるのに店頭では売り切るのが難しい食事を購入できるフードシェアリングサービスです。
飲食店の商品をアプリで検索でき、食べたい食事を見つけたら、引取時間を設定してお店に取りに行きます。渋谷区や横浜市、大阪府などさまざまな自治体とも連携しているサービスです。
生産者のフードロスを軽減するLet(レット)
アウトレットアプリ・Let(レット)は生産者が商品を直接売っており、フードロスの対象となった新鮮な肉や野菜、魚や果物を購入することができます。
2021年3月、利用ユーザー数が270万人を突破しており、対象の食品を購入すると、購入代金に対してポイントバックがあるなどのキャンペーンも実施しています。
賞味期限間近の商品を安く購入するOtameshi(オタメシ)
Otameshi(オタメシ)は、パッケージ変更品や賞味期限間近の商品などを半額以下で購入できるサービスです。
売上の一部は自然保護団体や医療団体などのNPOに寄付される社会貢献型サービスでもあります。カゴメ、UCC、AGFなどのブランド商品を取り扱っているのが特徴です。
フードロス対策に企業が協賛するKURADASHI(クラダシ)
KURADASHI(クラダシ)は売上の一部を社会貢献活動団体へと寄付する日本初・最大級の社会貢献型ショッピングサイトです。
フードロス削減への賛同メーカーより協賛価格で提供を受けた商品を、最大97パーセント割引で販売しています。コカ・コーラやロッテ、松屋などの大手企業をはじめとした累計800社以上が出品しており、さいたま市や香川県などの自治体とも連携しています。
フードロスとは、わたしたちでも対策できる問題
フードロスとは、食べられるはずの食品が捨てられてしまうこと。これは日本のみならず世界中で起こっており、皆で考えていく必要がある問題です。個人でもできるフードロス対策には、買い物や調理の際などの工夫の他、アプリやサービスを使うという方法があります。フードロス対策を行うことは、地球に優しいサステナブルな行動と言えるでしょう。ぜひ普段の生活のなかでも意識してみてくださいね。
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