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コラム

【連載 vol.23】ファッションで「食品ロス」に貢献!?身近にできることからはじめよう!

「クローゼットからはじまるサステナブル」では、「サステナビリティ×ファッション」をテーマに、決して難しくない、肩のチカラを抜いてサステナブルファッションを取り入れるヒントをエシカルコーディネータのエバンズ亜莉沙さんが紹介。今回は「食品ロス」とファッションについて紹介します。

「食品ロス」について知って、行動してみよう!

残暑もまだ少しある中ですが、だんだんと秋の気配を感じるようになってきましたね!
読書の秋、食欲の秋、芸術の秋、、楽しみがたくさんの季節です。

そんな秋を感じる今月10月は実は『食品ロス削減月間』ということ、皆さんご存知でしょうか? (私は最近知りました!)

食品ロス削減月間と日本の現状

10月の1ヶ月を「食品ロス削減月間」、10月30日を「食品ロス削減の日」としています。

これは話題のSDGsのターゲットの中にもある、「食品廃棄物の量を半減させる目標」を達成するためにでできた法律によって定められたもの。

ちなみに、「食品ロス / フードロス」とは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品のことで、日本で、年間約600万tもの「食品ロス」が発生しています。(平成30年度推計値)

これはなんと、日本人1人あたりが毎日お茶碗1杯分のご飯(約130g)を捨てているのと同じ量なんです!

大量のお茶碗の写真

さらに600万tという数字を詳しくみてみましょう。

世界規模でみると、この量は世界中で飢餓に苦しむ人々に支援する世界の食料援助量(平成31年で年間約420万トン)の約1.4倍に相当するといわております。

国内規模でみると、大きく2種類に分かれます。

1つが、食品の製造や卸売業、飲食店など事業活動を伴って発生する「事業系食品ロス」で、その量は324万t。
もう1つが、家庭から発生する「家庭系食品ロス」で、その量276万t。

実は国内の食品ロスの半数近くもの量が家庭から出ているんです。

食品ロス円グラフ

確かに私自身もうっかり消費期限がすぎてしまったものを丸々破棄せざるおえなくなったり、管理が悪くカビさせてしまった食材、調理の際に出る生ゴミのことも考えると結構あるなと心が痛みました。

私たち一人一人が少し意識して家庭から出る生ゴミを減らせば、全体でみると大きなインパクトになる可能性もあります。

今までの話を聞いて、量も多いし、規模が大きすぎて、「自分たち一人一人にできることはあるの?」と思う人もいるかと思います。

例えば、まずはご飯は残さず食べるという当たり前のことから、野菜を長持ちさせるコツを身につけたりと、日々の生活できることはたくさんあります。

まずは、身近にできることから少しずつ試してみましょう。

ファッションでフードロスに貢献できる!?

実はファッションでも貢献できる方法があるのをご存じですか?

その名も『フードテキスタイル』

形が悪いことキズがあることを理由に商品にならなかったものなど、廃棄予定の野菜や果物などの食材たち、それらを染料として再活用し、糸や生地を染めている画期的なプロジェクトのこと。

フードテキスタイルの説明

優しい色合いは、フードロス問題を考えるきっかけになるだけでなく、天然染料90%以上で染めており、私たちの身体にも優しいというのがまた嬉しいポイント!

このプロジェクトには猿田彦珈琲, KAGOME, TULLY’S, 生活の木、グリーンメッセージ(キユーピーグループ)など、私たちに身近な企業も参加していてます。
普段食べるものが、衣類に生まれ変わるなんてなんだかワクワクしますよね。

フードテキスタイルを使った商品は、CONVERSE, cohan, JOURNAL STANDARD なども最近は取り入れているのでよかったら探してみてください!

今話題の吸水ショーツに関しても、豊島の女性社員さんが始めたブランド「Hogara」では、オーガニックコットン素材をフードテキスタイルで染めたアイテムとして展開しています。

私も実際使用していますが履き心地も、機能性もとってもよくてお気に入りです!

Hogaraブランド画像

捨てられるはずだったものがこんなにも魅力的なアイテムに生まれ変わり、私たちの生活を豊にしてくれるなんて、素敵ですよね。

「もったいない」を意識してみよう!

日本の大切な文化である「もったいない」のこころを大切に、皆さんそれぞれができることから今月はぜひ一緒に意識して食品ロス削減に取り組んでみましょう!

参考になる映画とアプリも併せて紹介します!

日本各地を旅して食品ロス解決の糸口を探すドキュメンタリー映画: 『もったいないキッチン』

最後に「クローゼットから始まるサステナブル」も今月で一周年を迎えました!
いつも読んでくださる皆さん、本当にありがとうございます。

今後もここでは楽しく身近に取り入れられるファッションを通した地球、人に優しいライフスタイルの提案を続けられたらと思います。

参考リンク

       

writer profile
エバンズ亜莉沙
サムネイル: エバンズ亜莉沙
エバンズ亜莉沙(えばんず・ありさ):学生時代 米国オレゴン州で環境科学の授業に出会ったことをきっかけに、自分と世界の繋がりに気づく。2015年日本に帰国後、国際NGOでインターンをしながら、エシカル協会主催 フェアトレードコンシェルジュ認証 21歳で取得。同年世界一周を経験し、様々な人や文化に触れたことでさらに世界の抱える問題や解決策に興味関心を抱く。現在はフリーランスで『サステナブル』や『世界に自分に優しいライフスタイル』をキーワードに、SNSを中心とした発信、イベントへの登壇や、様々なプロジェクトのディレクター / コーディネーターを務める。