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コラム

【連載 vol.30】草木染めとは?自然の力を使ったサステナブルファッションの楽しみ方!

「クローゼットからはじまるサステナブル」では、「サステナビリティ×ファッション」をテーマに、決して難しくない、肩のチカラを抜いてサステナブルファッションを取り入れるヒントをエシカルコーディネータのエバンズ亜莉沙さんが紹介。今回は身近な植物を使った「草木染め」の方法を紹介します。

身近な植物の力を使って、手持ちのアイテムを生まれ変わらせてみよう!

春といえば、様々な植物の芽吹きの時。
暖かくなってきてクローゼットの中身も秋冬から春夏へと衣替えが始まる時期ではないでしょうか。
わたしもセーターなどは引き出しの奥に収納し、代わりに薄手のシャツやTシャツなどを出し始めたのですがそんな時に気になったのが、真っ白い服についた落ちないシミや黄ばみ。

デザインやシルエットがお気に入りでなかなか手放せないけれど、このまま着るのも・・・なんて感じるアイテムたち。
日頃からお手入れをしていても、数年着ているとどうしても少しずつ汚れが気になってきてしまいますよね。

今回はそんな時にすぐに捨てず、また永く愛せる服に生まれ変わらせることのできる方法を紹介!

春にぴったりの身近な”あの植物”を使っておうちで草木染め

世の中には様々な染色方法が存在しますが、今回は環境にも優しい天然素材だけを使い、染料はこの時期に簡単に見つけられる「ヨモギ」を使って染めていきたいと思います!

わたし自身、これまで草木染めのワークショップなどには参加したことが何度かあるのですが、たった一人で染めるのは実は初めて・・!
過去に草木染めのランジェリーブランド “Liv:ra”の小森さんに教えていただいたやり方などを参考に、汚れてしまったコットンバッグを染めることにチャレンジしていきます。

Liv:ra の記事はこちら

用意するもの

・染めたい布(綿・麻・シルク・ウールなどの天然素材がベター)
・ヨモギ(布の2-5倍の量)
・濃染(のうせん)前処理剤(豆乳などのタンパク質)
・媒染(ばいせん)剤(アルミ・銅・鉄のうちいずれかひとつ)(布の重さの10~20%)
・ボールやお鍋などの容器2つ 

※濃度によって容器に多少の色がつく場合もありますが、植物の色素なので安全です。
※手や洋服への色移りなどが気になる方は、ゴム手袋、下に敷く新聞紙、タオル、エプロンなどを用意しましょう
※濃染前処理剤は無調整豆乳を使うことも可能です。倍の量の水で薄めたものに布をつけてください。
※媒染に使うアルミなどはネットや薬局で手軽に見つけることができます。

染め方

前処理
1.容器に濃染前処理剤とお湯(40-50度くらい)を合わせしっかりと溶かし、そこに布を入れてムラがないように手で揉み、そのまま20分ほど放置
*こうすることで生地の吸収力が上がり、色付きがよくなるそうです。

2.20分後、布をお湯から取り出し、水洗いして水気を絞る

染色液を作る
3.鍋にお湯を沸かし、その中にヨモギを入れ15分ほど茹でる
*お湯の量:ヨモギがしっかりと水に浸かる量かつ、その後の染めたい布が浸る量が目安。

4.茹でたヨモギをそのままのお湯と一緒にミキサーで混ぜ、その後布袋などで濾して固形物を取り除く
*残った液が染色液になります

いざ染色!
5.前処理をした布を染色液に入れ、染めムラがないように5分ほど手で揉む

6.隣で空いている容器にお湯(40-50度くらい)と媒染剤を入れ媒染液を作る

7.5の布を染色液から取り出しよく絞ったら、6の媒染液に入れて数分間揉む

8.最後に5の染色液に布をもう一度数分浸けて、取り出したら染色完了!
色が出なくなるまで水洗いし、陰干しで乾燥させます。
*草木染めは直射日光に弱いので日当たりの良い場所には置かないよう注意しましょう

完成!

染め上がったものがこちら!

結果、ヨモギそのままの濃い緑色というよりは、淡い黄緑のような優しい色に仕上がりました!
素敵にできて一安心。

このように沢山使ったアイテムも、染色すると生まれ変わったようにまた楽しむことができて嬉しいですね。

ヨモギ以外にも、春はミモザ、桜を使った染色も楽しめそう。
また、日頃からコーヒーを飲まれている方は、コーヒーカスを集めて「コーヒー染め」なんかもできてしまうよう。
自分の身近なものから、よかったらチャレンジしてみてくださいね!

草木染め=サステナブルなファッションの楽しみ方のひとつ

よく聞く3R(リデュース・リユース・リサイクル)はサステナブルなファッションの楽しみ方にも当てはまること。

リデュース = 必要以上に服を買わない、増やさない
リユース = 着なくなったらセカンドショップなどに持ち込み次の人へ
リサイクル = 回収ボックスへ持っていき繊維としてのリサイクルなど

今回のような草木染めもリユースに当てはまりそう。また、結果的に新しいものを買わなくて済むのでリデュースにもつながるかもしれません。
私たち一人一人が1枚の服を1年長く着るだけで削減できるCo2の量は、日本全体でなんと4万トン以上と言われています。

参照:環境省SUSTAINABLE FASHION INDEX

思ったよりも簡単に、そしてあっという間にできてしまう草木染め。
色あせてもまた染め重ねをすることで何度も蘇らせることができますし、別の色を重ねて変化を楽しむのも良いかもしれません。

ぜひ皆さんも身近な植物を使って、着古してしまったアイテムを改めてお気に入りの一枚に染め上げてみてはいかがでしょうか。

writer profile
エバンズ亜莉沙
サムネイル: エバンズ亜莉沙
エバンズ亜莉沙(えばんず・ありさ):学生時代 米国オレゴン州で環境科学の授業に出会ったことをきっかけに、自分と世界の繋がりに気づく。2015年日本に帰国後、国際NGOでインターンをしながら、エシカル協会主催 フェアトレードコンシェルジュ認証 21歳で取得。同年世界一周を経験し、様々な人や文化に触れたことでさらに世界の抱える問題や解決策に興味関心を抱く。現在はフリーランスで『サステナブル』や『世界に自分に優しいライフスタイル』をキーワードに、SNSを中心とした発信、イベントへの登壇や、様々なプロジェクトのディレクター / コーディネーターを務める。