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コラム

【連載 vol.26】藍がつなぐ人と土地の文化 後編

「クローゼットからはじまるサステナブル」では、「サステナビリティ×ファッション」をテーマに、決して難しくない、肩のチカラを抜いてサステナブルファッションを取り入れるヒントをエシカルコーディネータのエバンズ亜莉沙さんが紹介。「JAPAN BLUE」として有名な藍の文化と歴史を学ぶモニターツアーを2連載に渡り紹介します。

古くから続く伝統文化「藍染」とサステナブル

前回に続き、徳島県の最南端の海陽町(かいようちょう)での藍の文化と歴史を学ぶモニターツアーの後編を紹介。

前編を読んでいない方は、良かったら前編も併せて読んでみてくださいね。

轟の滝のトレッキングで自然を堪能

Day 3
朝、目が覚めるとすっかり雨は上がり、窓を開けると清々しいひんやりとした空気。
外に出れば太陽の光の温かみも頬に感じ、とても気持ちの良い朝でした。

神社

神社から少し歩いて降ったところにある轟の滝に参拝をし、その後みんなで朝のお勤めを分担。
お掃除チームと朝食調理チームに分かれました。

私はお掃除担当だったのですが、朝の清々しい空気の中での掃除はとてもすっきりして気持ちがよかったです。
神社の掃除をすることは初めてだったこともあり、普通の旅では味わえない貴重な経験になりました。

そのあとで食べた、地元産の食材を中心のみんなが作った出来たての朝食は絶品。
白米だけでもとても美味しく感じました。

滝の入り口と朝食

そして続いては轟九十九滝(とどろきくじゅうくたき)をトレッキング。
朝に参拝した轟の滝の上流には他にもたくさんの滝が続いていて、これらをすべて合わせて轟九十九滝と呼ばれてるのだそう。

日本の滝百選にも選ばれているほど、その水は澄んでいて美しく、歩きながら次から次に現れる表情豊かな滝は見所満載!

滝が続くだけあって、道中は基本登り坂ではありますが、しっかり整備されている道がほとんどで、歩きづらい箇所はあまりありません。
轟本滝までならどんな格好でも大丈夫ですが、トレッキングをされる場合は、それに合った靴と、若干肌寒さもあるので、ウインドブレーカーのような上着を持つことがおすすめです。

森の中をハイキング

私たちが歩いている途中、また若干の雨が降ってきて天候が心配されましたが、また本滝に降った時には太陽の光が差し込み、なんとダブルレインボーが姿を現しました!!

冷たい水しぶきと太陽の光に包まれて、身も心もすっきり!
なんだか浄化されたような、不思議な感覚でした。

滝と虹

日本一の藍の産地での藍染体験

この素晴らしい景色に感謝をし轟を後にしたあとは、山を降りまた海陽町の町中へ。
今回の案内人でもある愛染職人のレキさんの工房、「in Between Blues」へお邪魔しました!

この体験はツアーの一部ではないのですが、実は以前関わったプロジェクトでつくった藍染のワンピースがあり、年数が経って色にムラが出てきてしまったので、今回の機会に重ね染をさせていただくことにしたんです。

まずはレキさんから徳島の藍染の歴史などについてお話があり、その背景や文化について学びました。

藍染の歴史を学ぶ様子

レキさんによると、徳島県は日本一の藍の産地。
天然の藍から生み出される美しい青い色は、古くから日本のみならず世界から注目されていました。
そこにレキさんならではの新しいアイディアも加わり運営されているのが、ここ「in Between Blues」。

蒅(すくも)をベースに、灰汁、貝灰など自然由来の原料を加え、微生物の発酵を活かして作られるのが「藍」の色。
化学的な原料は使われず、伝統的な手法で作られています。
オーシャンビューの工房は開放感もあり、空の青、海の青に素敵なインスピレーションももらえる気がしました。

いよいよ染め体験!
藍の入った窯の中布を入れ、揉んでいきます。
揉んで、出して絞って、洗って、染まり具合を確認しながら何度か同じ工程を繰り返し、終了。

工房と染め体験の様子

揉むときのコツはできるだけムラができないようにしっかりと揉みこむこと。
液から途中布を出したりせず、しっかりと浸けます。

絞るときは捻ってしまうと布が伸びてしまったり痛む可能性があるため、両手で押すように絞っていきます。

最後は何度も水で揉み洗いをして、アルカリをとっていくことで色落ちがしづらくなっていくそうです。

藍染したワンピースと工房

所々色が薄れてしまっていた箇所もすっかり綺麗に染まり、新品同様に。
このようにしっかりとメンテナンスをすれば、お気に入りの服もいつまでも着ることができて嬉しいですね。

今回の徳島 海陽町の旅は、自然からのエネルギーと知恵をたっぷりといただいた、今後のライフスタイルにつながる旅になりました。

ぜひ皆さんも機会がありましたら、そんな文化と歴史に触れられる海陽町へぜひ足を運んでみてください。

『Fresh Faces ~アタラシイヒト~』(BS朝日)
YouTube アーカイブ映像

【Fresh Faces #292】永原レキ(in Between Blues 代表)

『NAMINORI AIZOME 』
~NaminoriJapan x QUIKSILVER x TOKOLO collection ~

QUIKSILVER || TOKOLO COLLECTION

『窪塚洋介の今をよくするTV (YOUTUBE番組)』
徳島行脚 / 窪塚洋介× 永原礫 対談 @inBetweenBlues 海陽町 編

徳島行脚【 inBetweenBlues / 第1話】窪塚洋介の「#今をよくするTV」

writer profile
エバンズ亜莉沙
サムネイル: エバンズ亜莉沙
エバンズ亜莉沙(えばんず・ありさ):学生時代 米国オレゴン州で環境科学の授業に出会ったことをきっかけに、自分と世界の繋がりに気づく。2015年日本に帰国後、国際NGOでインターンをしながら、エシカル協会主催 フェアトレードコンシェルジュ認証 21歳で取得。同年世界一周を経験し、様々な人や文化に触れたことでさらに世界の抱える問題や解決策に興味関心を抱く。現在はフリーランスで『サステナブル』や『世界に自分に優しいライフスタイル』をキーワードに、SNSを中心とした発信、イベントへの登壇や、様々なプロジェクトのディレクター / コーディネーターを務める。