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コラム

【連載 vol.25】藍がつなぐ人と土地の文化 前編

「クローゼットからはじまるサステナブル」では、「サステナビリティ×ファッション」をテーマに、決して難しくない、肩のチカラを抜いてサステナブルファッションを取り入れるヒントをエシカルコーディネータのエバンズ亜莉沙さんが紹介。「JAPAN BLUE」として有名な藍の文化と歴史を学ぶモニターツアーを2連載に渡り紹介します。

古くから続く伝統と現代のサステナブルの融合

突然ですが皆さん、「海陽町(かいようちょう)」という場所をご存知ですか?

海陽町は徳島県の最南端に位置する町。古い時代には、海運が盛んな地域であったため、豊富な森林資源と強力な海運力が、この地域の繁栄をもたらしたと言われています。

実は日本の色、「JAPAN BLUE」として有名な、藍の色もここ徳島県の伝統工芸である、阿波藍からきていると言われています。
徳島はその恵まれた資源や気候から藍染めの元となる藍染料「蒅(すくも)」づくりの本場となっていて、現在もその伝統が引き継がれ、徳島でつくられた蒅(すくも)を阿波藍と呼ぶそうです。

そんな豊かな自然、美しい海と山に囲まれたこの町の、文化と歴史を学ぶモニターツアーがあるということで、実は先日参加させていただきました!
そこで出会った体験がとてもサステナブルなファッションにも通ずる部分があったので、今回はそのことについて書かせていただきたいと思います。
たくさんの写真と共にシェアするので、読んでいる皆さんにも少し旅をしている気持ちになってもらえたら嬉しいです。

海陽町に集う人々とサステナブルなアクティビティ

Day1
到着が夜だったので、この日は宿に到着後そのまま就寝。
海の見える宿、「ペンションししくい」に宿泊させていただいたのですが、ベッドシーツをはじめ、お部屋のあちこちに徳島伝統の藍染めが施されていました。

ベッドは特に肌触りも寝心地も良く、この日はぐっすりと休むことができました。
藍には抗菌作用、防虫、防腐、防臭、保温、保湿、紫外線遮蔽など、さまざなまな効用があるそうで、古くから日本人の生活にとても身近で大切な存在でした。

ペンションの写真

起きたときに窓から見えた目の前のビーチは一気に目が覚める絶景。

オーシャンビュー

Day 2
朝は海を眺めながら、地元産でオーガニックにもこだわった食材が中心の朝食をいただきました。
素材そのままの味が濃厚で、とても美味しかったです。

そのあとは、他のツアー参加者と合流するため、地元で人気のある「喫茶飛行船」へ。
今回のツアー進行役であり、サーファー、藍染職人でもあるLekiさんをはじめ、以下の面白い方々が揃っていました。
・元パタゴニア日本支社長の辻井隆行さん
・エシカルファッションプランナーの鎌田安里紗さん
・環境型複合施設「上勝町ゼロ・ウェイストセンター WHY 」Chief Environmental Officer(CEO)の大塚桃奈さん

お茶を飲みながら、海陽町の歴史についてLekiさんに教えていただいたり、みんなでざっくばらんに環境問題や最近思うファッションに纏わる話しなどをしました。
中でも、鎌田さんと辻井さんの関わるこちらのプロジェクト、「FFP」よかったら皆さんもチェックしてみてください!
これからのファッションのあり方のヒントがたくさん見つかるかもしれません。

そのあとはいよいよツアー最初のアクティビティーである、環境にやさしい電動自転車「MATE」の試乗へ。

「MATE」はデンマーク発のエコフレンドリーな e-BIKE。
ソーラーで充電された自転車なのですが、とってもパワフルで乗っていて全く疲れませんでした。
エコなだけでなく見た目のかっこよさにも拘られていてファッションアイテムの一部にもなりそうですね。

e-bike

“MATE. BIKE”は100%再生可能エネルギーを目指し、ヨーロッパ、とくにデンマークでは現実となってきているGLOBAL FRIENDLYな社会への取り組みをしています。
車や電車ではなく、100%電気エネルギーを使用したMATE. BIKEをライフスタイルの一部に取りこみ、「カッコよく」、「便利に」、「エコに」というコンセプトで、社会を変革していく手助けになればと考えています。” 

水の神様が宿る「轟神社」での宿泊

その後は昼食をとり、近場の温泉に入ってスッキリしてから、この夜の宿泊場所である「轟神社(とどろきじんじゃ)」へと向かいました。
そう、なんと今回、神社に泊まったんです!

この「轟神社」があるのは電波もwi-fi環境もない山奥。
海陽町の町から車を走らせ大凡40分ほどの距離なのですが、走っているうちにポタポタと雨が降り始め、到着する頃にはなんと大雨に。
運良く暖かく、雨にも強い格好でよかった・・!

森の中の写真

寒くはあったのですが、実はこの神社、水の神様である、水波女命(水波能売命、弥都波能売神、みずはのめのみこと)が宿る場所と言われており、雨は歓迎されている証拠ではないかと現地の方には言われ、なんだか少しみんなで嬉しい気持ちになりました。

この神社のある海部川は、国内でも稀少なダムのない清流で、平成の名水百選や水源の森百選(轟山水源の森)にも選ばれているそうです。

森の水の写真

“原流域の深い山々から平野部を経て遥か太平洋へと流れる水の流れは、この地の動植物や人々の暮らしを支える生命の源であり、昔から地域の海の民、山の民によって大切に守られてきました。” - 轟神社崇敬会(総代 岩本)

森の写真

そんな神聖な場所に止まることができるなんて本当に貴重な体験。
今は改装が必要な部分もあったりするため、一般向けに宿泊をオープンにしていないのですが、今後もう少し綺麗になってからオープンにしていきたいとのことでした。

いよいよ最終日3日目は轟の滝周辺のハイキングと、藍染体験です。
続きもお楽しみに。

writer profile
エバンズ亜莉沙
サムネイル: エバンズ亜莉沙
エバンズ亜莉沙(えばんず・ありさ):学生時代 米国オレゴン州で環境科学の授業に出会ったことをきっかけに、自分と世界の繋がりに気づく。2015年日本に帰国後、国際NGOでインターンをしながら、エシカル協会主催 フェアトレードコンシェルジュ認証 21歳で取得。同年世界一周を経験し、様々な人や文化に触れたことでさらに世界の抱える問題や解決策に興味関心を抱く。現在はフリーランスで『サステナブル』や『世界に自分に優しいライフスタイル』をキーワードに、SNSを中心とした発信、イベントへの登壇や、様々なプロジェクトのディレクター / コーディネーターを務める。