「Y3(ワイスリー)」とは?ブランドの概要やコラボデザインを紹介

山本耀司(ヤマモトヨウジ)氏は、1943年生まれのデザイナーです。1981年のパリコレデビューで発表したコレクションは当時の固定概念を覆し、のちに“黒の衝撃”と呼ばれるほどファッション界を大きく揺るがしました。

今回は、そんな山本耀司氏と「adidas (アディダス)」のコラボレーションによって誕生した「Y-3(ワイスリー)」というファッションブランドをご紹介します。

過去の有名なコラボアイテムや、ヨウジヤマモト系列のブランドの特徴もご紹介しますので、モード系やカジュアル系のファッションが好きな方はぜひ参考にしてください。

Y-3(ワイスリー)とは?

「Yohji Yamamoto」とアディダスのコラボしたブランド

「Y-3(ワイスリー)」とは、日本を代表するデザイナー山本耀司氏が手がけるブランド「Yohji Yamamoto」と、ドイツのスポーツブランド「adidas(アディダス)」のコラボレーションから生まれたファッションブランドです。

2001年のコレクションで登場した「adidas for Yohji yamamoto」というフットウェアが話題を集めたことをきっかけに、2年後の2003年に正式なコラボブランドとして確立されました。

Y-3という名前が付いた理由

Y-3というブランド名は、山本耀司氏の頭文字のYと、adidasのシンボルである3本線に由来しています。

「スポーツウェアをエレガントでシックなものに」と「これまでにないデザインを」という2つの思いをコンセプトに、ウェアやシューズなどさまざまなアイテムを展開しています。

スポーティーとモードを融合させたアイテム

Y-3は、スポーティとモードを融合させたジェンダーレスなアイテムが特徴です。

スポーツウェアの機能性に、山本耀司氏の独特なテイストを加えたデザインが、性別や年齢を問わず世界中から注目を集めています。

Y-3(ワイスリー)の年齢層

幅広い年代に人気のY-3ですが、主なターゲット層はファッション感度が高い20代〜40代です。
そのなかでも特に、ストリートスタイルやスポーツミックススタイルなどのカジュアル系や、モード系のファッションがお好みの方、他とは違う個性的なスタイルを求める方に人気があります。

Y-3(ワイスリー)はダサいって本当?

Y-3は、洗練された革新的なデザインがおしゃれだと支持される一方で、一部では、「ダサく見える」「ヤンキーが着ているイメージがある」などの声もあがっています。ブランドラインによっては柄や文字が入っているデザインが多いため、シンプルを好む方には合わないのかもしれません。
しかし、個性的でユニークなデザインを好む方には強く支持されています。

「Yohji Yamamoto」ってどんなブランド?

それでは、Y-3の生みの親でもあるデザイナー、山本耀司氏が展開している「Yohji Yamamoto」とは、一体どのようなブランドなのでしょうか?

「黒」を全面的に押し出すデザイン

1981年、山本耀司氏はパリコレクションに初参加し、当時喪服の象徴とされていた”黒”を主役とするコレクションを発表。この試みは“黒の衝撃”として、ファッション界に大きな衝撃を与え、服飾史にその名を刻みました。

また、山本耀司氏のエキセントリックな手法はそれだけにとどまりません。ボディラインを強調するようなシルエットが主流だった当時に、あえてルーズなビッグシルエットの服を発表する、伝統的な男性服のスタイルを女性服に取り入れるなど、流行やジェンダーの枠組みを覆すデザインを次々と生み出していきました。

実際に、山本耀司氏は、2018年の「VOGUE JAPAN(ヴォーグ・ジャパン)」のインタビューで下記のように述べています。

「この仕事を始めたとき、流行の大通りではなく脇道を歩こうと決めた。要はトレンドを歩かないと。社会の流れに対する疑問や反対意見を叫び、吐き出すことが僕の作りなんです。」

引用:山本耀司(Yohji Yamamoto)の服作りが意味すること。 | Vogue Japan

このように、「Yohji Yamamoto」のデザインの根底には、時代や社会に対する反骨精神が込められています。

山本耀司の主なライン

山本耀司氏は現在、さまざまなユーザーニーズに応えるべく、複数のブランドラインを展開しています。それぞれのラインでスタイルや価格帯は異なりますが、そのなかでも主要なブランドラインは以下の4つです。

  • Y’s(ワイズ)
  • Ground Y(グランドワイ)
  • Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)
  • Yohji Yamamoto POUR HOMME(ヨウジヤマモト プールオム)

Y’s(ワイズ)

1972年に山本耀司氏が最初に手がけたブランドです。現在は山本耀司氏と一緒に仕事をしたことがあるメンバーを中心に、アトリエチームでデザインを考案しています。

Y’Sは、「男性の服を女性が着る」というコンセプトで、オーバーシルエットをはじめとするメンズライクなスタイルが特徴です。
さらに「機能的で品位ある日常着」と謳っているように、過度な装飾を排したシンプルかつ機能的なデザインとなっています。

Ground Y(グランドワイ)

「ジェンダーレス」と「エイジレス」を掲げ、複数のヨウジヤマモトブランドのアイテムを扱うセレクト業態です。

若年層をターゲットとしているため、他のラインよりも手に取りやすい価格帯となっており、「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」など人気TVアニメとのコラボレーションも多く展開されています。

Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)

山本耀司氏の代名詞ともいえる黒×ビッグシルエットを基調としたラインです。1981年のパリコレデビューで話題をさらった“黒の衝撃”もこのラインによってもたらされました。

通称「FEMME(ファム)」とも呼ばれ、現在はレディースのハイエンドラインとして確かな地位を確立しています。

Yohji Yamamoto POUR HOMME(ヨウジヤマモト プールオム)

1984年に誕生した、メンズ向けのハイエンドラインです。

山本耀司氏が考える「社会の規範に縛られることなく自由な精神を持つ”何者だかわからない“男たち。ダンディでありながらどこかコミカルなユニークさが漂っている男たち。」という男性像を表現すべく、ダンディかつユニークなデザインが揃っています。

また、ヨウジヤマモトらしいビッグシルエットに、メッセージ性の強いフレーズやモチーフを組み合わせたアイテムが多く見られるのもこのラインの特徴です。

スポーツチームや民間用宇宙服のデザインも手がける

機能性とファッション性の融合に長けたブランドとして、世界に名が広く知れ渡ったY-3は、現在に至るまでさまざまな団体・人物とコラボレーションし、数々のデザインを世に生み出してきました。

ここからはその一例となる有名なコラボアイテムをご紹介します。

【サッカー】「レアル・マドリード」のユニフォーム

2014-15シーズンのサードユニフォームとして、サッカー界を代表する名門クラブ「レアル・マドリード」が着用していたモデルです。

レアル・マドリードの強さを象徴する龍と、機敏さを象徴する鳥がクロスした、強者の風格を感じさせるデザインとなっています。

【サッカー】日本代表

2024年のサッカー日本代表のユニフォームのデザインも、Y-3が手がけました。コレクションのテーマは「FIRE(炎)」。

ダークネイビーを基調とし、青い炎がゆらめくデザインが日本代表の力強さを表現しています。

【ラグビー】世界ワールドカップ「オールブラックス」のユニフォーム

ラグビーのニュージーランド代表チーム「オールブラックス(All Blacks)」とY-3がコラボしたユニフォームです。日本で開催されたラクビー・ワールドカップ2019™︎で、同チームの選手たちが着用しました。

チーム名にふさわしい黒一色のスタイルで、ニュージーランドを象徴する植物であるシダの葉とコル(シダの新芽)がモチーフとなっています。

【バスケ】ジェームス・ハーデンとのコラボデザイン

NBAで活躍するバスケットプレイヤー「ジェームス・ハーデン(James Harden)」とY-3のコラボコレクションです。

ジャケットやシャツ、フットウェアなど幅広いアイテムが展開され、山本耀司氏がデザインしたロゴには、ジェームズ・ハーデンをイメージした牡丹の花が採用されています。

牡丹の花は「百花の王」とも呼ばれ、NBAやアメリカ代表として輝かしい実績を持つジェームス選手の力強さや華やかさを象徴しています。

【民間宇宙開発】ヴァージン・ギャラクティック社の宇宙服をデザイン

2016年には、宇宙旅行をビジネスとしている「ヴァージン・ギャラクティック社(Virgin Galactic Holdings)」と提携し、宇宙服のデザインを担当。

この取り組みは、世界初の民間宇宙旅行用のアパレルとして、国内外のメディアで大きく報道されました。

偽物やコピー品を購入しないよう気を付ける

上記で紹介したY-3のコレクションはどれも、数量限定・期間限定で販売されたものであり、現在では入手困難となっています。

これらのアイテムを入手する方法としては、ヴィンテージショップやフリマアプリ、オークションサイトの利用が挙げられます。

しかし、なかには偽物やコピー品が出品されている場合もあるため注意が必要です。価格設定や出品者の評価、ロゴやタグ、縫製などをチェックし、本物であることを確認してから購入しましょう。

正規のY-3(ワイスリー)アイテムでスポーティーかつモードなコーデを楽しもう

日本を代表するデザイナー山本耀司氏とadidas(アディダス)のコラボレーションから生まれたY-3は、機能性を兼ね備えたモードで革新的なデザインが魅力です。

ヨウジヤマモトブランドのなかでもハイエンドラインとされるYohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)やYohji Yamamoto POUR HOMME(ヨウジヤマモト プールオム)と異なり、比較的手の届きやすい価格帯で購入できるため、カジュアル系やモード系のファッションがお好みの方はぜひ、いつものコーディネートに取り入れてみてはいかがでしょうか。

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