【特選】エシカルファッションブランド7選!環境に優しくおしゃれしよう
エシカルファッションとは、服を作る労働者や地球環境のことまで考えたファッションのことです。消費者の意識が高まる今、大量に生産し消費する現代のファッション業界は、スタイルの転換を迫られているでしょう。ここではエシカルファッションの意味と、日本や海外における代表的なブランドについて紹介します。
目次
エシカルファッションとは
地球や人を大切にするエシカルの動きは、近年広い分野で注目されています。ファッションの世界では悲しい事件をきっかけに、エシカルについて考える人が世界中で急増しました。ここではエシカルの意味や、きっかけとなった事件について紹介します。
人と地球に優しいファッション
エシカル(ethical)は英語で、直訳すると「倫理的な・道徳的な」という意味です。人の良心を基準とし、正しいことや良いことを実行するのがエシカルであると言えるでしょう。ファッションにおいてのエシカルは、服を生産する労働者の人権に配慮する、地球環境の資源を守るといった、倫理的な基準に基づいて作られる製品と定義できます。
きっかけは「ラナ・プラザの悲劇」
2013年に、バングラデシュで「ラナ・プラザ」ビルが崩壊し、死者は1100人以上、負傷者は2500人以上にもなりました。ラナ・プラザに入っていたのは欧米のファストファッション工場で、低賃金で重労働を強いられていた数多くの従業員が犠牲になったことが、世界中に知れ渡ります。この悲しい事件は、遠い国の誰かを犠牲にしてまで自分達が流行の服を着ることに、消費者が問題意識を持つきっかけとなりました。
日本発のエシカルファッションブランド
ラナ・プラザ事件の後、労働者の権利や地球資源を守る、エシカルの意識を取り入れたファッションブランドが増えました。まずは日本国内で注目されている、セレクトを含めた人気のエシカルファッションブランドを紹介します。
REBIRTH PROJECT(リバース・プロジェクト)
REBIRTH PROJECT(リバース・プロジェクト)は、人々がずっと生きていける地球を目指し、国連で決められた開発目標(SDGs)を 広め、社会をより良くするためのプロジェクトを行っています。「GIVE LIFE」という、世界中からエコなアイテムを集めたセレクトショップを展開し、エシカルな文化を発信中。廃材をアクセサリーに変身させるなど、エシカルかつオリジナリティ溢れるアイテムも製作しています。
CASA FLINE(カーサフライン)
CASA FLINEは、2020年春にデビューしたばかりの新ブランドです。生産背景にこだわり、ずっと持続していける環境作りについて考えるのがコンセプト。天然素材やエコ化学製品を取り入れる、在庫商品に手を加えて再販するなど、エシカルな意識に基づいたセレクトショップを展開しています。
People Tree(ピープルツリー)
People Treeは取り扱うアイテムすべてがフェアトレードのブランド。約30年以上フェアトレード製品を取り扱っている、エシカルファッションの先駆的存在です。アジアやアフリカなど18ヵ国約145団体と協力し、オーガニックコットンを使ったアイテムや労働者の生活を支える製品作りなど、発展途上国の人々の暮らしを支える取り組みを長年続けています。
シサム工房
シサム工房は20年以上にわたり、フェアトレード製品の質の向上や、販売に力を注いでいるブランド。フィリピンやインドなど、現地フェアトレードNGOとパートナー活動を行っています。注文することで生産者を支援できるノベルティ製作や、フェアトレードに思いを馳せるフェアトレード川柳など、エシカルな取り組みを多数展開しているのでチェックしたいですね。
北欧発のエシカルファッションブランド
雪のシーズンに部屋で過ごすことが多い北欧では、室内を彩るモダンなデザインの雑貨が有名です。エシカルファッションへの意識が世界的に高まる今、北欧でもエシカルを取り入れるブランドが急増。北欧におけるエシカルファッションのブランドをチェックして、おしゃれでエシカルな製品を暮らしにプラスしたいですね。
Marimekko(マリメッコ)
色鮮やかで大胆なプリントが印象的なマリメッコは、北欧フィンランドから生まれたブランド。大きな花柄があしらわれた、エプロンやバッグでお馴染みですね。世界中でエシカルな意識が高まっていることを受け、マリメッコは地球環境に優しい生産体制を整えることを決めました。環境への関心が高い北欧らしく、エシカルファッションの重要性も訴えているブランドです。
H&M
本社がスウェーデンにあるH&Mは、かつてファストファッションのブランドとして有名でした。現在では大量消費のファストファッションから、環境と人権に配慮したエシカルファッションブランドへと転身しています。2030年にはすべての製品をサスティナブルな素材にするなど、意欲的な目標を掲げて、持続していける社会の実現へ貢献しているブランドです。
By Signe(バイ・シーヌ)
北欧デンマークのBy Signe(バイ・シーヌ)も、エシカルな取り組みを実践しているブランドです。生産方法はもちろん、原材料もオーガニックにするなどエシカルであることにこだわり、ミニマリストなファッションを販売しています。企画から発送までをデンマークで行い、服作りのプロセスすべてを管理しているので、エシカルなブランドとして安心して利用できるでしょう。
ヨーロッパの国別エシカルファッション
ヨーロッパの国家間における文化的な違いや、それぞれの国の多様性は、消費行動にも影響しています。歴史や国民性の違いから、国によってエシカルファッションへの取り組みに温度差が見られるかもしれません。ここでは各国における、エシカルファッションへの姿勢を見ていきます。
イタリア・スペイン
イタリアにおいて、エシカルファッションは十分に浸透しているとは言いにくいでしょう。イタリアはかつて栄えた、織物などの伝統工芸が消えていくのを恐れています。イタリア人にとってエシカルファッションは、ボランティアか古い技術を保全するための活動という意味付けが強く、新しい価値観が馴染むのに時間がかかるかもしれません。
スペインもエシカルファッションに乗り気ではない姿勢が見られます。スペインと言えばZARAの発祥の地であるように、ファストファッションが多い国です。しかしヨーロッパ各国がエシカルの波に乗り出す中、スペインも今後、そのデザイン性の高さをエシカルの分野に生かしていく可能性は大いにあります。
フランス
フランスはエシカルファッションの中でも、特にフェアトレードの分野に積極的です。フランスはかつてアフリカを植民地にしていた過去もあり、アフリカをルーツに持つ国民も多く、フェアトレードに対する当事者意識が強い国と言えるでしょう。消費者の70%以上がエシカルファッションを重要視し、半数以上が労働者の環境に配慮したいと考えているなど、意識の高さが見られます。
ドイツ
もともと環境問題に関心の高いドイツは、エコファッションの分野においてヨーロッパで最大のシェアを占めています。製品の質や健康に対し、深い興味を抱く傾向もあり、エシカルな製品を買い求める割合が高いと言えるでしょう。一方で自国製品や職人技を守る活動においては、ヨーロッパの他の地域より消極的です。
デンマーク
デンマークの多くのブランドは自製品がエシカルであることを、ブランド戦略の柱としています。デンマークは近年ファッション分野が急成長している国であり、エシカルとビジネスを絡めることは時代の最先端と言えるかもしれません。
スウェーデン
スウェーデンは伝統的に、贅沢品を好まない堅実な国民性です。エシカル製品に対しては、エシカルなものを買うことが良識ある人の証、という感覚を持ちます。またスウェーデン製に誇りを持つ傾向が高く、ブランドも消費者も自国製品を守ることに積極的です。
イギリス
イギリスはエシカルファッションに関して、相反する考えを持つ国です。ファストファッションがヨーロッパで最も普及している一方、エシカルファッションについて政治の場で議論されるなど、国の内部で大いに意見が分かれています。
おしゃれで優しいエシカルファッションを
欧米ではエシカルな考えが浸透しつつあり、企業姿勢にエシカルであることを掲げるブランドが増えています。今後もファッションを楽しむためには、地球環境や労働者の権利に配慮した消費行動が必要です。私達もエシカルファッションを買い求めるなど、できることからエシカルな取り組みを始めたいですね。