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コラム

【連載 vol.28】"サステナブル "の本質を考えた今、私たちにできること

「クローゼットからはじまるサステナブル」では、「サステナビリティ×ファッション」をテーマに、決して難しくない、肩のチカラを抜いてサステナブルファッションを取り入れるヒントをエシカルコーディネータのエバンズ亜莉沙さんが紹介。今回は前回に引き続き改めて「サステナブル」について一緒に考えてみましょう。

私たちにできる「サステナブル」な選択とは?

前回の記事では改めて、「サステナブル」という言葉の定義について考えその本質について探究してみました。

「再生素材」や「再生繊維」、「天然素材」などだからといってそのアイテムが「サステナブル」であるということは一概にいえないということを学びました。
なぜなら、その素材を取り巻く環境や生産過程において消費されるエネルギーや資源についても同時に考える必要があり、人的労働環境についてなども考える必要があるからです。

ちょっと難しく聞こえますが深堀していけばいくほど、その奥深さに嵌っていく気がします。

では実際何がサステナブルで、何が本当に私たちにとって、そしてこの地球にとって優しい選択なのでしょうか?

一緒に考えてみましょう!

前回の記事を読んでいない方は、良かったら併せて読んでみてくださいね。

山の風景

すでに持っているモノを大切にすること

「サステナブル」な選択は、必ずしも新しいアイテムを選ぶことを意味するわけではありません。
すでに持っている洋服やアイテムをメンテナンスしながら永く大切に愛するということは、一つの「サステナブル」な選択!

ただしここでもせっかくなら、メンテナンスの際に使用する道具や材料は、なるべく環境負荷の低いモノを選びたいですね。

例えば、化学薬品を含んだ洗剤ではなく自然由来のものを使うことは、アイテムへの負担が少ないだけでなく、環境にも優しいので、様々なところでメリットがあると言えるでしょう。

掃除のイメージ

理想的な物作りを応援

オーガニック農業を支援するアイテムや、*サーキュラーエコノミーを意識したビジネスモデルなど、物作りを通して社会をよりよくする例もたくさんあります。
正直、環境、そして人に配慮した物作りへのシフトや実現は、企業にとって様々な困難もあるかと思います。ただ、そこでできていないことを批判したり、変化を諦めるのではなく、一人ひとりが企業に寄り添い、ニーズがあるのだということを社会に伝えることができれば、前向きな変化が生まれるのではないかと感じます。

なのでそのような物作りを応援することも、より良い方向に社会が動く一種の「サステナブル」な選択と言えるでしょう。

*サーキュラーエコノミーの3原則(エレン・マッカーサー財団より引用)
有限な資源ストックを制御し、再生可能な資源フローの中で収支を合わせることにより、自然資本を保存・増加させる。 技術面、生物面の両方において製品や部品、素材を常に最大限に利用可能な範囲で循環させることで資源からの生産を最適化する。

サーキュラーエコノミー概念図

セカンドハンドという選択肢

そしてやはり覚えておきたいのは、世の中にはすでに素晴らしいデザインや質の良いアイテムが溢れているということ!
上記のように新しい物作りを応援することも必要なことですが、新たに大きな資源を消費することなく、すでに流通しているものを循環させる、セカンドハンドやヴィンテージを選ぶ選択は、とても簡単に取り入れられる「サステナブル」な選択です。

さらに一つのアイテムを循環させるということは、日々の生活の中で一人ひとりがすでにあるものを大切に扱うということにも、そして永く使うことにも、使いたくなる物作りへの社会シフトにも、つながる選択肢かもしれません。

洋服を選んでいる姿

二回にわたり考えてきた「サステナブル」の意味。みなさんはどのように感じたでしょうか。
一人ひとり生活する環境や触れる情報にも差がある中で、様々な考えがあると思います。
これからもそれぞれが感じる心地よい選択について、皆さんと一緒に考え続けたいと思います。

それではまた次回!

writer profile
エバンズ亜莉沙
サムネイル: エバンズ亜莉沙
エバンズ亜莉沙(えばんず・ありさ):学生時代 米国オレゴン州で環境科学の授業に出会ったことをきっかけに、自分と世界の繋がりに気づく。2015年日本に帰国後、国際NGOでインターンをしながら、エシカル協会主催 フェアトレードコンシェルジュ認証 21歳で取得。同年世界一周を経験し、様々な人や文化に触れたことでさらに世界の抱える問題や解決策に興味関心を抱く。現在はフリーランスで『サステナブル』や『世界に自分に優しいライフスタイル』をキーワードに、SNSを中心とした発信、イベントへの登壇や、様々なプロジェクトのディレクター / コーディネーターを務める。