【連載 vol.41】グリーンウォッシュとは。言葉の意味や商品購入の前に背景を知る大切さ
「クローゼットからはじまるサステナブル」では、「サステナビリティ×ファッション」をテーマに、決して難しくない、肩のチカラを抜いてサステナブルファッションを取り入れるヒントをエシカルコーディネーターのエバンズ亜莉沙さんが紹介。今回はファッション業界で問題提起されているグリーンウォッシュについて考えていきたいと思います。
今知っておきたい! “グリーンウォッシュ” とは
前回、前々回と「ファストファッション企業」の課題や、「ファストファッション企業が運営するリユース事業」の課題点について触れてきました。
表では「リユース」や「サステナブル 」という言葉を使っていても、裏では大量生産・大量廃棄を続けてしまっている企業は少なくありません。
この様な企業の行いが“グリーンウォッシュ” と呼ばれているのですが、今回はこの“グリーンウォッシュ” についてより詳しく、また惑わされないようにするために、知っておくと良いポイントをいくつか紹介したいと思います!
前回、前々回の記事を読んでいない方は、良かったら併せて読んでみてくださいね。
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そもそもグリーンウォッシュって?
グリーンウォッシュという言葉にまだ馴染みのない方もきっといますよね。
グリーンウォッシュとは、環境への配慮や「エコ」なイメージを思わせる「グリーン」と、ごまかしという意味の「ホワイトウォッシュ」を組み合わせた言葉。
簡単にいうと、環境に配慮しているように見せかけて、実態はそうではなく、消費者に誤解を与えることを指します。
例えば、洋服のタグに緑色で「サステナブル 」の文字があったり、「リサイクル素材」などと記載のある商品があったらどうでしょうか。それだけで環境に良さそうと思ってしまう人は少なくないかもしれません。
洋服以外にも、スキンケアや化粧品、食べ物のパッケージや広告にも、「天然由来」「オーガニック」などの言葉が書かれていると、つい身体に良さそうな印象や環境に配慮しているようなイメージを与えられがちですよね。
ですが、実際に成分表や中身をみてみると、不明確であったり疑問点がある事があります。「リサイクル素材」と記載があっても素材の割合や生産工程によっては「サステナブル」とは言い切れません。また、「天然由来」「オーガニック」の記載がある際も、添加物が多く使われていたり、大半はオーガニックではない成分が使われている場合があります。この様に消費者にグリーンなイメージの誤解を与えていることがグリーンウォッシュにあたります。
グリーンウォッシュに惑わされないために私たちが出来ること
ここ数年で、「サステナブル」「オーガニック」のようなポジティブなワードが以前に比べて使われるようになってきました。
言葉が浸透することは嬉しい反面、言葉の意味やなぜこの言葉の使用が増えてきたのか理由が分からない事には、消費者にとって何を選ぶと良いのかわかりにくくなってしまいます。してしまっています。
本当に環境や人に配慮した商品を選びたい場合、まずは購入前に少し面倒かもしれませんが一度立ち止まって背景を知ることが大切です。例えばその商品が「サステナブル 」な理由は何故なのか、リサイクル素材が実際どのような作られ方をしていて、どれほどの割合で使用されているのか、必要があればリサーチをする。
そうすることで、ようやくグリーンウォッシュに惑わされず安心した買い物ができる、そんな時代になっていると感じます。
知らずに選んでしまうことは、無意識の内に環境破壊や人権問題に加担してしまうことになりかねません。
でもひとつひとつ調べるには時間も労力もかかってしまい、自分自身の生活の負担に感じてしまう人もいるかもしれません。
願わくば、つくる側の企業がしっかりと責任を持って、透明性のある正しい情報を開示してくれたり、言葉を使う際には何かしらの規定ができると良いなと思いますが、今のところまだ決まったルールは日本にはないのが現状。(海外ではガイドラインをつくる国も出てきています)
もちろん一生懸命に取り組んでいる企業も存在しますし、そのような企業はぜひ応援していきたいところです。そのためにも、どうしたらグリーンウォッシュとそうでない企業や商品を見分けることができるのか具体的な例を次回で上げていきたいと思います!
※多くのパターンが存在するのであくまで参考までに読んでいただけたらと思います。