世界環境デーとは?テーマや歴史、取り組みやすい身近な保全活動も紹介
毎年6月5日は世界環境デー。環境問題へ目を向ける記念日として、世界各国でさまざまな行事が開催されています。ここでは、世界環境デーに行われる祭典や誕生の歴史の他、サステナブルとの関連性などについて紹介していきます。環境問題への対策としてサステナブルな活動が注目されている現在、私たち消費者もできることから始めてみませんか。
目次
世界環境デーとは
6月5日の世界環境デーには、各国で環境に関するさまざまな行事が開催されます。まずは環境への理解を深める日である記念日が誕生した歴史や、2023年のテーマを紹介します。
環境問題への理解を深める日
世界環境デーは、国連が定めた6月5日の国際デーです。環境問題に目を向ける国際的な記念日として、毎年世界の異なる都市で祭典を開催。この祭典の中でUNEP(国連環境開発計画)と呼ばれる機関が、大気汚染やプラスチック汚染、食品ロスなど、毎年異なるテーマの発表を行います。また、この日に合わせて世界各地でも、環境に関するさまざまな式典や活動が行われています。
世界環境デーが生まれた歴史
世界環境デーが誕生したきっかけは、1972年6月5日にストックホルムで開催された国連人間環境会議まで遡ります。国連人間環境会議は、環境問題をテーマとした初めての政府間の会合です。113ヵ国が参加したこの会合を記念して、毎年6月5日が世界環境デーとして制定されました。ちなみに世界環境デーを制定するという提案は、日本とセネガルの共同で行われました。
2023年の世界環境デーは6月5日月曜日
先述したように、世界環境デーには毎年異なる都市で、異なるテーマの発表が行われます。2023年はオランダのパートナーシップにより、コートジボワールがホスト国を務めます。発表のテーマは「プラスチック汚染の解決策」についてです。
世界環境デーとSDGsとの関連性
SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。開発目標とは2015年の国連サミットで採択された、「2030年までの間に達成する17の項目」のこと。貧困問題を始めとする社会環境や人権など、17の項目には世界が協力して解決する必要があるさまざまな問題が設定されています。項目の中には、気候変動の対策やエネルギーをクリーンなものにするなど、環境問題についても含まれています。
SDGsを実現するには、世界環境デーの目的である環境問題への意識を高めることも必要です。そのため、SDGsと世界環境デーの関連性は高いと言えるでしょう。
未来の暮らしを守る「sdgs」17項目!ファッション業界の取り組みも紹介 「sdgs」とは、世界があるべき理想の姿に近づくための目標のことです。この記事では「sdgs」の読み方や具体的な理念、未来の暮らしを守るために設けられた17の目標について解説。さらに、ファッション業界と「sdgs」のつながりや、実際の取り組み内容も紹介します。
環境に関する日本独自の記念日
日本では、世界環境デーのある6月を環境月間にしていて、ひと月を通して関係省庁や自治体、団体などが積極的に環境に関する行事を行っています。また、世界環境デー以外にも、日本独自の環境にまつわる記念日も複数存在します。
<日本の環境にまつわる記念日>
5月4日:みどりの日
「自然に親しむとともにその恩恵に感謝する」という目的で制定されました。
5月30日:ゴミゼロの日
語呂合わせが「ゴミゼロ」になる日です。厚生省は1993年に、5月30日を初日とする1週間を「ゴミ減量化推進週間」に制定しました。
7月7日:クールアース・デー
2008年に北海道洞爺湖サミットが開催されたことを記念し制定された記念日。地球環境の保全について考え、温暖化対策の取り組みを推進するための日です。
世界環境デーの開催国とテーマ
世界環境デーは毎年開催国とテーマが異なります。直近3年のホスト国とテーマを紹介します。
【2022年】スウェーデン「Only One Earth」
2022年は、1972年に開かれた国連人間環境会議(ストックホルム会議)から50年目にあたる年でした。ホスト国はスウェーデンで、ストックホルムにて祭典を開催。テーマは「Only One Earth(かけがえのない地球)」です。自然と調和して持続可能な生活を送る必要性や、実現するための政策、ライフスタイルなどに焦点が当てられました。
【2021年】パキスタン「生態系の回復」
2021年のホスト国はパキスタンで、テーマは「生態系の回復(Ecosystem recovery)」でした。さまざまな生態系が破壊されている現状に警鐘を鳴らす内容の発表が行われました。
【2020年】コロンビア「自然のための時」
2020年のホスト国はコロンビアで、テーマは「自然のための時(Time for Nature)」。人口が増加しているのに対して森林や土地は破壊されているなど、人類と自然の調和に焦点が当てられました。
世界環境デーへの理解をきっかけに私達ができる身近な保全活動
世界環境デーをきっかけに、環境のためにできることをしてみませんか。難しいことをする必要はなく、日常生活の中のちょっとしたポイントを意識するだけでも環境への負荷を減らせます。私たちができる環境保全の例を紹介します。
プラスチックゴミを減らす
プラスチックゴミは、近年特に問題視されています。流出による海洋汚染や焼却時に発生する温室効果ガスを少しでも減らすためにできるのは、プラスチックゴミを出さないことと言えるでしょう。例えば、買い物にマイバッグを持参したり、シャンプーや洗剤は毎回ボトルを買うのではなく、詰め替えを選ぶなど。少しの意識で、日常生活で発生するプラスチックゴミを削減できます。
【環境問題】マイバッグだけじゃない。プラスチックごみ削減のために出来ること プラスチックごみが引き起こす環境汚染は、海洋生物を始め、人体や経済にまで影響を及ぼすシリアスな問題。私達ひとりひとりがプラスチックごみ問題について知り、ごみの削減に貢献することが重要となるでしょう。今回は、プラスチックごみの環境問題から、毎日の生活でプラスチックごみを減らす方法、企業のゴミ削減例について紹介します。
食品ロスを減らす
食品も廃棄処理される際に二酸化炭素を排出します。また、焼却後の灰の埋め立ても環境への負荷となります。世界では年間約13億トン、日本では年間約600万トンもの食品が廃棄されているそう。食品ロスを減らすことも環境保全につながります。食材や料理は食べ切れる量を買ったり、余った食材を料理に活用したりなど、食品の無駄を減らしてみましょう。また、フードドライブを活用するという方法もあります。
【連載 vol.23】ファッションで「食品ロス」に貢献!?身近にできることからはじめよう! 「クローゼットからはじまるサステナブル」では、「サステナビリティ×ファッション」をテーマに、決して難しくない、肩のチカラを抜いてサステナブルファッションを取り入れるヒントをエシカルコーディネータのエバンズ亜莉沙さんが紹介。今回は「食品ロス」とファッションについて紹介します。
3Rを行う
3Rとは Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の総称です。無駄を減らしてゴミの発生を防ぐことで、環境への負荷を防げます。
<3Rの例>
リデュース:買いすぎない、過剰包装や使い捨てスプーンなどをもらわない、永く使えるものを選ぶ
リユース:修理やアレンジして使う、リユースショップやフリマを活用する
リサイクル:ゴミを分別する、リサイクル製品を選ぶ
【循環型社会を目指して】3Rから5Rへ!それぞれの意味と実践方法を紹介 3Rとは、リデュース・リユース・リサイクルの頭文字であるRをまとめた、環境配慮への取り組みのことを指します。また、環境問題に対して社会や個々が実践できることは3Rだけに留まらず、現在、5Rや7Rへと進化しているのです。本記事では、3Rの意味や実践方法、新たに2つのRが加わった5Rについて解説します。
サステナブルファッションを取り入れる
ファッション業界では製造のために使用するエネルギーが大きいことや、大量生産・大量消費の流れが拡大して廃棄までの期間が短くなっている点が問題視されています。この問題への対策として、近年ではサステナブルファッションへの注目が高まってきました。現在ではハイブランドや有名アパレル企業も、積極的にサステナブルな活動を行っています。消費者ができるサステナブルファッションは、オーガニックコットンや再生可能な素材を使った服を選んだり、持っている服を永く着たり、リユースすることなどが挙げられます。
サステナブルファッションの基準、あなたができる取り組みとは ファッション業界は石油産業に次いで環境汚染に影響を与えていると言われていることをご存知ですか?そんな中、再利用された素材で作られたファッションの開発や、リユースアイテムの活用など「サスティナブル(持続可能な)ファッション」が注目されています。ここではサスティナブルファッションについて詳しくご紹介します。
世界環境デーへの理解を深めて、できることから実践しよう
近年では、国や企業が環境問題解決に向けて積極的な活動を行っています。世界全体で、一丸となって行うことで環境負荷対策はより効果的になるでしょう。世界環境デーをきっかけに私達消費者側も理解を深め、できることを取り入れてみるのも良いですね。