【連載 vol.47】サステナブルな下着について<素材編>
「クローゼットからはじまるサステナブル」では、「サステナビリティ×ファッション」をテーマに、決して難しくない、肩のチカラを抜いてサステナブルファッションを取り入れるヒントをエシカルコーディネーターのエバンズ亜莉沙さんが紹介。今回は、サステナブルな下着について、まずは素材にフォーカスしてみます。
下着を選ぶ時の思いとは?
どうしても消耗品になってしまいがちな下着。
履くほどによれてきてしまったりするので、ワードローブの中でも買い替えの頻度は高いですよね。
だからといって、直接お肌に触れるものなので素材もできれば優しいものにこだわりたい。機能性、耐久性にも優れていたら尚、嬉しい。”
そんな思いを持ってる人もいるのではないでしょうか?
素材と肌の関係
私が下着選びで大事にしているのが「素材」。
基本的には化繊・合成繊維ではなく、天然素材の方が心地よく感じるため優先して選ぶようにしているのですが、天然素材にしても、コットン、ウール、シルクなど様々ありますよね。
それぞれ素材ごとに生産背景や環境負荷も違えば、機能性に加えて、肌に与える影響も異なります。
素材ごとにどんな違いがあるのかを紹介していきます。
化繊素材
・ポリエステル
メリット:速乾性が高い
デメリット:吸水性が低く、熱が逃げにくい
「化繊負け」※という言葉もありますが、その原因は静電気とアレルギーによるものと言われています。
この静電気を起こしやすいのが、ポリエステルやナイロン、アクリル、ポリウレタンなどの化繊(化学繊維・合成繊維)なんです。
※化繊負けとは、化学繊維が肌に合わないため、化学繊維が肌に接触するとかゆみやかぶれ、湿疹などの症状が出ること。
化繊があまり良くないかもしれないからと言って、今すでに持っている化繊の下着をすぐに手放す必要はありません!今あるものは大切に使いつつ、買い替えのタイミングで自分に合った天然素材を検討してみてください。
実際に、私も少しずつ切り替えていきました。
天然素材
化繊と比較して天然素材であるコットン、ウール、シルクはみな吸水性や通気性に優れているので蒸れにくく、肌触りも柔らか。
機能性としても優れていて、肌に優しいのが特徴です。
・コットン
コットンは優しくふんわりとした肌触りが魅力。乾燥しやすい季節も、滑らかな着心地がかんじられるでしょう。一点、コットンを選ぶ際に注意したいのは、できれば栽培時に農薬が使われていないオーガニックのものを選ぶこと。農薬の使われたコットンや、化学染料で染められた下着はせっかくの天然素材でも肌への負担が懸念されます。特に経皮吸収しやすいとされるデリケートゾーンに触れる下着にはオーガニックコットンを選びたいですね。
・ウール
ウールを選ぶ場合は商業的で環境負荷の高いウール農家さんのものやミュールジングがされているものは避け、「Responsibe Wool Standard (責任あるウール)基準」のような認証のあるものを選ぶようにしたいですね。
機能性でいうと、ウールは登山服のベースレイヤーにも採用されることも多いほど優秀!
ウール自体に防臭性があり、汗の匂いを吸収して閉じ込めてくれるため、ニオイのもとになる菌が繁殖しにくいとのこと。また汗をかいてもドライな着心地が続き、さらに吸放湿性が高いために、効果的に体温調節が可能なんです。
なので夏にも向いていますが冬も着られるため、ウールの肌着は一年中活躍するのも嬉しいポイント。
・シルク
シルクの主成分は人の皮膚と同じ「タンパク質」。そのため肌への親和性がとても高いと言われています。また、綿の1.3~1.5倍の吸水性があり、放湿性も高い素材のため、蒸れる心配が少なく、夏も快適に過ごすことができます。シルクは繊維の間に空気をたくさん含んでいるため保温性も高いため、生理中の低温期に活用するのもおすすめかもしれません。
それぞれの素材の環境負荷の比較についてはぜひ過去のこちらの記事をご参照ください。
【連載 vol.35】サステナブルな素材とは?天然素材について考えてみよう! 「クローゼットからはじまるサステナブル」では、「サステナビリティ×ファッション」をテーマに、決して難しくない、肩のチカラを抜いてサステナブルファッションを取り入れるヒントをエシカルコーディネーターのエバンズ亜莉沙さんが紹介。今回も服の素材にフォーカスして、天然素材について紹介!
次回ここで触れたそれぞれの機能性や肌、そして環境への負荷を踏まえて私が実際に愛用しているおすすめ下着ブランドをご紹介したいと思います!
ぜひお楽しみに♪