シェアリングエコノミーとは?ファッション業界の取り組みを紹介
シェアリングエコノミーは、使っていないモノやサービスをネットを活用して共有する経済のあり方のことです。ファッション業界では、洋服のシェアリングのサービスが話題に。この記事では、ファッション業界のシェアリングエコノミーの取り組み内容、そのメリット・デメリットを解説します。
目次
- シェアリングエコノミーとは
- モノ・スキルなどを共有するシステム
- シェアリングエコノミーの実例
- 新たなニーズに高まる需要
- ファッション業界のシェアリングエコノミーの実例
- ファッションのシェアリングエコノミー①メチャカリ
- ファッションのシェアリングエコノミー②エアークローゼット
- ファッションのシェアリングエコノミー③エディストクローゼット
- モノのシェアリングのメリット・デメリット
- メリット①地球環境に優しい
- メリット②お金・スペース・時間の節約ができる
- メリット③異なるセンスを取り入れられる
- デメリット①1度に利用できる数に限りがある
- デメリット②写真のイメージと異なることがある
- デメリット③傷や汚れに注意する必要がある
- シェアリングエコノミーとオンデマンドエコノミーの違いとは
- オンデマンドエコノミーとは
- 違いは利用者目線か双方からの目線か
- シェアリングエコノミーの特徴を知り、賢く活用しよう
シェアリングエコノミーとは
ネットの普及によって拡大し続けているシェアリングエコノミー。まずは、シェアリングエコノミーの言葉の意味を解説し、その仕組みや役割を、実例と合わせて説明します。
モノ・スキルなどを共有するシステム
シェアリングエコノミーは、直訳すると「共有する経済」という意味です。不特定多数の人がインターネットを介して提供された空間・乗り物・モノ・スキルやお金などを、必要な人と共有するサービスを用いた経済の形。「共有型経済」や「シェアエコ」と呼ばれることもあります。
シェアリングエコノミーの実例
空間のシェアリングでは、宿泊施設などが対象です。シェアリングエコノミー業界の先駆者的存在のAirbnb(エアビーアンドビー)などがその例です。乗り物のシェアリングには、車のカーシェアや自転車のシェアサイクルのタイムズカープラスやカレコなどがあります。また、スキルであれば、家事や介護や知識がシェアリングの対象に。日常のちょっとした頼みごとをご近所さんにインターネット上で気軽に依頼できる生活密着型シェアリングエコノミーサービスANYTIMES(エニタイムズ)などが有名です。お金であれば、クラウドファンディングサイトのMakuake(マクアケ)などが挙げられます。
新たなニーズに高まる需要
新型コロナのパンデミックを経て、人々の限りある資源や環境への意識は向上しつつあります。そのような中、資源の無駄遣いや廃棄を減らしたいという考えが芽生え、モノへの執着心や所有したい欲求は低下傾向に。シェアリングエコノミーは、必要のないモノを持たないシンプルライフを望む人が増えている現在の世の中の傾向とマッチしており、需要が増大しています。
ファッション業界のシェアリングエコノミーの実例
ファッション業界では、ファッションアイテムが対象のシェアリングが一般的です。世界のファッションレンタル市場は現在約10億ドル(日本円で約1,086億円)といわれていますが、2023年には25億ドル(日本円で約2,715億円)に成長する見込みです。シェアリングエコノミーが急成長する中、ファッションレンタルサービスへの注目が高まっています。
ファッションのシェアリングエコノミー①メチャカリ
ストライプインターナショナルの月額定額制の洋服レンタルサービス。アプリダウンロード数100万件越えの人気です。通常月額5,800円でストライプインターナショナル傘下のアースミュージックアンドエコロジーやコエ、グリーンパークスの新品アイテムを、1度に3着までレンタルできます。好みのブランドやシーン別に取りそろえられたアイテムを検索して選ぶだけで、返却時のクリーニングもいりません。気に入ったアイテムは買い取り可能です。さらに、60日間返却しなかったアイテムは、そのままプレゼントされる嬉しいサービスもあります。
ファッションのシェアリングエコノミー②エアークローゼット
20代後半~40代女性を対象とした大手の洋服のシェアリングサービスです。トレンドや季節にあったファッションアイテムを、雑誌や広告の現場で活躍するスタイリストが用意してくれます。取り扱いブランドは300以上、アイテムの数は10万点以上。
一回の利用で3着届き、返却することで次に借りることができるシステムです。1ヵ月に何度でも借り放題のレギュラープランは9,800円、1ヵ月に一回のみレンタル可能なライトプランは6,800円です。クリーニング不要で、返送料も無料です。
ファッションのシェアリングエコノミー③エディストクローゼット
エディストクローゼットは月額8,600円で完全オリジナルの服を1ヵ月に4着レンタル可能なサービスです。サイト上のコーディネートをそのまま借りることも、好きなアイテムを選んで購入もできます。届くまでお楽しみの「おまかせセット」も選択可能。長期契約割引もあります。
モノのシェアリングのメリット・デメリット
洋服を始めとするモノのシェアリングにはメリットとデメリットがあります。実際に使う前に確認しておきましょう。
メリット①地球環境に優しい
シェアリングで需要と供給が一致すれば、新たにものを生み出さなくて済み、資源の温存にもなります。いらないモノを所有しなくて済むので、処分する必要もありません。環境に優しい選択と言えるでしょう。
メリット②お金・スペース・時間の節約ができる
洋服のシェアリングはお財布に優しいのです。流行が変わるたびに新しい洋服を買い換える必要がありません。出番の少ない高額なフォーマルなドレスや洋服なども、購入せずにリーズナブルにレンタルできます。
洋服の収納スペースも節約できます。シェアリングを利用することで、出番の少ない服を持たずに済みます。
さらに時間の節約も。洋服を買いに行く時間がない人もネットで簡単に借りられ、洗濯なしで返却できるので、お手入れの時間も省けます。
メリット③異なるセンスを取り入れられる
他人によるセレクトによって、自分と異なるセンスが取り入れられるのもシェアリングのメリットです。ファッションの場合は、スタイリストによるセレクトが叶います。ファッションセンスに自身がない人も安心。普段自分が選ばないモノとの出会いが新鮮さや学びにつながるでしょう。
デメリット①1度に利用できる数に限りがある
モノのシェアリングには上限があります。ファッションアイテムの借り放題プランでも、一度に借りられる枚数は限られています。届いてからの自由度は低いのが現状です。
デメリット②写真のイメージと異なることがある
ネット上で見て選ぶシステムなので、実物が届いて着用してみるまで似合うかどうかわからないのもデメリットの一つでしょう。
サイズやデザインが気に入らなくてチェンジする場合も、その場でできるものではなく時間がかかる上に、次に届くアイテムが確実に良いという保証もありません。人気のアイテムは、貸出中で借りられないことも。
デメリット③傷や汚れに注意する必要がある
借りているモノなので原則、返す必要があります。ダメージが大きいと修繕費用を求められたり、買取を求められたりする場合もあります。自分の服を身につける時より、取り扱いに注意が必要です。
シェアリングエコノミーとオンデマンドエコノミーの違いとは
シェアリングエコノミーとほぼ同じものとして扱われるオンデマンドエコノミー。その定義とシェアリングエコノミーとのニュアンスの違いを解説します。
オンデマンドエコノミーとは
オンデマンドエコノミーとは即座にサービスを提供するビジネスの形です。インターネットなどにより、必要なときに必要なだけ商品やサービスが提供される経済活動のこと。一般には、個人の空いた時間や労働力、所有物などを必要とする人や会社に一定期間、提供するサービスを指します。オンデマンドエコノミーの中で、既に持っている所有物を必要とする人に提供するビジネスをシェアリングエコノミーと呼ぶこともあります。
違いは利用者目線か双方からの目線か
オンデマンドエコノミーの中の限定的な意味で使われるのがシェアリングエコノミーですが、現状では、ほぼ同意語として使われています。厳密には、消費者目線か、双方からの目線かの違いです。シェアリングは「分かち合う」という言葉の通り、消費者と所有両方からの目線の用語。一方のオンデマンドエコノミーは、「欲しいときに欲しいだけ手に入る」という利用者側からの目線の用語です。
シェアリングエコノミーの特徴を知り、賢く活用しよう
ファッションのシェアリングエコノミーはエコな上、自分の目的にあわせて費用や時間をかけずに利用できるシステムです。その仕組みや特徴をしっかり理解した上で賢く取り入れたいもの。シェアリングエコノミーを活用する際に忘れてはいけないのは、借りたものを大切に扱うということです。次に使う誰かのことも考え、洋服を丁寧に扱うことも意識しましょう。