【連載 vol.16】フェアトレードとは?ファッションアイテムの選び方が変わる!
「クローゼットからはじまるサステナブル」では、「サステナビリティ×ファッション」を軸に、決して難しくない、肩のチカラを抜いてサステナブルファッションを取り入れるヒントをエシカルコーディネータのエバンズ亜莉沙さんが解説。今回は、フェアトレードについて紹介。私たちが普段使っているものを作っている生産者にフォーカスします!
フェアトレードを知ると、モノの選び方が変わる!
突然ですが、みなさん、「World Fair Trade Day / 世界フェアトレード・デー」という日があることをご存知ですか?
毎年5月第2土曜日は、WFTO(世界フェアトレード連盟: World Fair Trade Organization)が定める「世界フェアトレード・デー」です。その日に合わせ、世界中で様々なイベントが行われる5月は、日本でもフェアトレード月間とされているんです!
5月もまもなく終わってしまいますが、まだ参加が間に合うムーブメントがあるので今回はそちらを紹介したいと思います。
まず最初に「フェアトレード」とは何かをおさらい
「Fair Trade / フェアトレード」 とは、直訳すると「公平・公正な貿易」のこと。
途上国で作られた製品を仲介人や消費者だけでなく、生産者にとって、フェア/公正な価格で継続的に購入、売買することにより、その地域の生産者や労働者の生活の改善と自立をサポートする貿易の仕組みです。
衣類だけでなく、雑貨、寝具、食品、コーヒー、お花などなど、私たちの生活の中で必要とするモノは全て、どこかの誰かの手によって作られ、私たちの手元にきていますね。生活におけるほぼ全てのものにフェアトレードは関係しているといって過言ではないでしょう。
フェアトレードの製品には認証のあるものとないものがありますが、メジャーな国際フェアトレード認証の基準は下記の3つの原則から成っています。
「経済的基準」
フェアトレード最低価格の保証
フェアトレード・プレミアムの支払い
長期的な取引の促進
必要に応じた前払いの保証など
「社会的基準」
安全な労働環境
民主的な運営
差別の禁止
児童労働・強制労働の禁止など
「環境的基準」
農薬・薬品の使用削減と適正使用
有機栽培の奨励
土壌・水源・生物多様性の保全
遺伝子組み換え品の禁止など
出典:FAIRTRADE JAPAN “国際フェアトレード基準の原則” より
生産者の労働環境が安心安全であるだけでなく、例えば生産過程の中で農薬の使用が控えられていたり、地球環境への配慮もあるものがこの基準を満たすようになっているんですね。
労働者だけでなく、子供達、そして地域の自然も守り、社会に貢献することができる仕組みがここにおける「フェアトレード」 の魅力だと私は感じます。
そして様々な認証がある中で、フェアトレード認証の大きな特徴として注目すべき点は、「フェアトレード・プレミアムの支払い」。これは輸入品の代金とは別に支払われる、”組合や地域の経済的・社会的・環境的開発のために使われる資金”のことをいい、現状のマイナスをマイナスでなくすことだけでなく、プラスに変えていくために重要な役割を果たしているといえるでしょう。
認証ラベルについて|フェアトレードとは?|fairtrade japan|公式サイト フェアトレードジャパンは、Fairtrade International の構成メンバーとして日本国内における、国際フェアトレード認証ラベルのライセンス事業、製品認証事業、フェアトレードの教育啓発活動を主に行っています。
世界フェアトレード・デーとは
そんなフェアトレードを世界中でアピールする日が「世界フェアトレード・デー」!
この日には、WFTOに加盟する世界72ヵ国、323団体(2018年10月現在)のフェアトレード組織と生産者組織を中心に、各国でイベントやキャンペーンが同時開催され、日本でも様々なイベントやキャンペーンが行われます。
はじまりは、1995年にヨーロッパのフェアトレード・ショップの連合が運動を開始。日本では1999年にグローバル・ヴィレッジ/ピープルツリーが日本国内のフェアトレード・ショップに呼びかけて約100軒が参加したことがきっかけで広まりました。
今すぐ、参加できるアクション
「フェアトレード ミリオンアクションキャンペーン2021」は、認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンが主催する大型キャンペーンで、2010年から今年10年ぶりの開催とのこと!
コンセプトは、“CHOOSE THE WORLD WE WANT(私たちが望む世界を、その手で選ぼう)”
フェアトレードに関する商品を購入することはもちろん、SNSでの発信、各種イベントへの参加、などできることはたくさんあります。
10年前に比べ、SDGsやエシカル、サステナブルというワードが多く飛び交う今、今年は上記アクションや参画飲食店での販売数などを合わせ、5月中にアクション数100万を目指しているとのことで、どこまでの盛り上がりになるかとても楽しみです!
【キャンペーンの詳細はこちら】Fairtrade - MILLION ACTION CAMPAIGN フェアトレード「ミリオンアクションキャンペーン」の公式Webサイトです
私たちにとって、フェアトレードの仕組みや認証について知ることは、ファッションアイテムをはじめとする生活に欠かせないアイテムを選ぶ上での大切な基準の一つになりました。
皆さんも、ぜひこの機会に、フェアトレードへの知識を深め、フェアトレードの輪を広げましょう!