【連載 vol.34】サステナブルな素材とは?服の素材について考えてみよう!
「クローゼットからはじまるサステナブル」では、「サステナビリティ×ファッション」をテーマに、決して難しくない、肩のチカラを抜いてサステナブルファッションを取り入れるヒントをエシカルコーディネーターのエバンズ亜莉沙さんが紹介。今回は服の素材にフォーカスして、まずは木材由来の再生繊維について紹介!
目次
種類が沢山!服の素材について
服の素材に使われるコットンやリネン、シルク、ポリエステル、ナイロン、レーヨンなどの誰もが馴染みのあるものだけでも様々。
その他にも最近注目を集めているものでは、リサイクルペットボトルからできた再生ポリエステルや、木材由来の再生繊維のテンセル/リヨセル、またキュアテックスのような和紙繊などまだまだたくさんの種類があります。
いろいろありすぎて ”一体どれが本当にサステナブルな素材なの?” と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。わたしもその一人です。笑
今回はその中でも、個人的に気になっている、「テンセル/リヨセル」について紹介したいと思います。
「テンセル」「リヨセル」 とは
「テンセル」「リヨセル」の違いとは
実は「テンセル」「リヨセル」はどちらも木材パルプが原料となったセルロース繊維から作られるもの。簡単にいうと「テンセル」は商標名で、「リヨセル」とは素材名という違いになります!
環境に優しい繊維・生地の開発や製造を行うオーストリアの会社であるレンチング社のブランド名が「テンセル™」、素材名は「リヨセル」と覚えておきましょう。
現在は「リヨセル」が一般名称となっており、「テンセル」(正式表記としては『テンセル™』)は商標名として利用されることが多いそうです。
循環する繊維「リヨセル」の生産方法とは
リヨセルの原料となるは木材はユーカリの木。
“木を切るなんて環境破壊につながらないの!?” と思われる方もいるかもしれませんが、リヨセルの場合に使用される木はしっかりと管理され、環境を破壊することなく調達されているので安心です。切った木はパルプになり、その後のプロセスでセルロース繊維に転換されます。そのプロセスで使われる薬剤(溶剤)も環境や人へも害がないと証明されており、さらにその薬剤は外に流さず、99%の割合で循環利用しているとのこと!
リヨセルの特徴とは
<サステナブルな特徴>
生産過程が環境に配慮されているだけでなく、着なくなった時には土に還すこともできる生分解性。
<素材としての特徴>
長続きする柔らかさ、シルクのようななめらかさ、通気性の向上、色持ちの良さなど
素材としてはもちろん、サステナブルな面も持ち合わせているのは魅力的ですよね。
レーヨンとの違いは?
同じく再生繊維として有名なものに「レーヨン」がありますが、原料には同じく天然素材を使っているものの、その調達背景は不透明。通常のレーヨンの製造工程で通常使われる薬剤は取り扱いに注意が必要な人体にも害のあるものとも言われています。さらにその薬剤は循環させることはできず破棄になっているとのことなので、残念ながら環境負荷も高いと言わざる終えません。
テンセル™リヨセル繊維を使っているブランド
TANI
「ヴィーガンシルク」とも呼ばれるほど光沢のある素材感のテンセル™リヨセル100%やリヨセル混のシャツやリラックスウェアの取り扱い。
Levi’s
リヨセル繊維のデニムを多数取り扱い。
allbirds
アッパーにテンセルが使用されたシューズ(Treeシリーズ)やアクティブウェアを取り扱い。
Camper
テンセルで一部編まれたブーツ(メンズ、レディース)を取り扱い。
この他にもテンセル™リヨセル繊維の取り扱いのあるブランドやお店はたくさんあります。
このように新品でも中古でも手にして安心な素材がこれからも増えていくと嬉しいですね!
よかったら、これからの服選びの参考にしてみてください。