自宅で手軽にできるコンポスト。メリットや注意点、できた堆肥の使い方を紹介
自宅で生ゴミの処理が行え、環境にも優しいコンポスト。エコなアイテムとしてコンポストに注目が集まっていますが、使い方や活用方法がわからない人もいるでしょう。本記事では、コンポストの種類やメリット、注意点などを紹介します。自作で作った堆肥の使い方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
- コンポストとは?
- 植物性の不用物を堆肥化すること
- コンポストの仕組み
- コンポストにはどんな種類があるの?
- 設置型コンポスト
- 密閉型コンポスト
- 電動生ゴミ処理機
- ミミズコンポスト
- 自作で作れるコンポスト
- コンポストに取り組むメリット
- ゴミ捨てにかかる手間が省ける
- 栄養豊富な堆肥を自分で作れる
- 自治体がゴミを処理するための費用や燃料などの負担を軽減できる
- 環境の負担を減らすことができる
- コンポストに取り組む上での注意点
- コンポストに入れて良いものと悪いものを把握する
- コンポストを配置する場所を考える
- コンポストに悪臭や害虫が発生しないようにする
- できた堆肥の活用方法
- 自分にも地球にも優しいコンポストを始めてみよう
コンポストとは?
コンポストとは、生ゴミや落ち葉などを分解した堆肥のことです。環境に優しいと再注目されています。ここでは、コンポストについて紹介します。
植物性の不用物を堆肥化すること
コンポストとは、堆肥を表す英語「compost」からきており、生ゴミや落ち葉、下水汚泥など植物性の不用物を微生物の働きによって堆肥化することを言います。また、コンポストによってできた堆肥や堆肥化する際に使う容器(composter)のこともコンポストと呼びます。環境問題の改善につながるとして、各地に広がっている取り組みです。
コンポストの仕組み
コンポスト容器に生ゴミを入れると自然にいる微生物がそれを分解し始め、その活動によって容器内の温度が上下します。四季それぞれに活動量の違う微生物が混在しているため、同時に働くことによって自然界よりもすばやく堆肥化できる仕組みです。
自然のサイクルでは、1センチの土ができるのに100年かかると言われていますが、人間が微生物の活動しやすい環境を整えることでより効率良く栄養のある土を補うことができます。
コンポストにはどんな種類があるの?
ここでは、コンポストの種類と特徴を紹介します。コンポストの種類や使う条件によって分解の速度や質、臭いなどが変わります。自宅の環境や使い方に適したものを選びましょう。
設置型コンポスト
土を掘った穴に、底が空いたコンポスターを埋めるタイプの設置型コンポスト。生ゴミや落ち葉、雑草などを大量に投入できます。微生物の力を利用して分解するので、かき混ぜる回数が少ないのが特徴です。
密閉型コンポスト
蓋を閉めて内容物が外気に触れないようにするタイプのコンポスト。生ゴミ用の発酵促進剤や米ぬかを加えてゴミを発酵させます。
このコンポストでは生ゴミが分解されないため、土に移す必要があります。また、発酵した液を定期的に取り出さなければいけません。しかし、虫が混入しにくく、悪臭も漏れにくい利点があります。
電動生ゴミ処理機
電気を使い、微生物が活動しやすい環境を整え、堆肥化させる電動生ゴミ処理機。生ゴミの水分を飛ばしたり、温度をキープしたり、攪拌したりなどを全自動で行うため、手間がかかりません。しかし、本体が高価で電気代がかかってしまう懸念点も。蓋があるため、室内に置くことも可能です。
ミミズコンポスト
ミミズを使って生ゴミを処理するコンポストです。落ち葉などを食べたミミズの排泄物で土を作るため、良質な堆肥ができます。
しかし、ミミズが活動しやすい環境を整えなくてはならないため、手間を感じることも。例えば、ミミズは柑橘系などを嫌うので生ゴミを分ける必要があります。とはいえ、ミミズが生ゴミを分解してくれるため、醗酵せずに悪臭を抑えられるメリットもあります。
自作で作れるコンポスト
腰より低く、直径が90センチくらいの容器でもコンポストは作れます。容器はステンレススチール製やプラスチック製でも良いですが、蓋がしっかり閉められるものを選ぶと良いでしょう。プラスチック製のバケツ、使わなくなった植木鉢、アイスのバゲットでコンポストを作っている人もいます。お気に入りの入れ物であれば愛着をもって育てられるかもしれません。
コンポストに取り組むメリット
ゴミを減らせたり、栄養のある堆肥を作れたりとさまざまなメリットがあるコンポスト。自分や家族だけでなく、自治体や環境などにも良い影響を与えられます。ここでは、コンポストを行うことで得られるメリットについて解説します。
ゴミ捨てにかかる手間が省ける
生ゴミをコンポストに投入するので、ゴミとして捨てなくて済みます。また、ゴミの量が減るため、ゴミ出しの手間を減らせるでしょう。ゴミ袋の消費も減るので買いに行く手間を省け、袋代も節約できます。臭いの気になる生ゴミを部屋に置かなくても済むのもメリットです。
栄養豊富な堆肥を自分で作れる
ガーデニングや家庭菜園などに活用できる、栄養豊富な堆肥を自分で作れます。自宅の生ゴミから作る堆肥は化学物質が入っていないため、家庭菜園をした作物も安心して食べられます。
自治体がゴミを処理するための費用や燃料などの負担を軽減できる
ゴミの量が減るため、自治体が行う焼却などの手間や費用、燃料などの負担が減ります。コンポストの設置に助成金を出していたり、堆肥を引き取ったりしている自治体もあります。
環境の負担を減らすことができる
水分を多く含む生ゴミは、ゴミ全体の大きな割合を占めています。生ゴミをコンポストすることで、ゴミの削減につながるでしょう。また、ゴミの量が減ると焼却に必要な費用を減らせたり、二酸化炭素の排出量を削減したりできます。
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コンポストに取り組む上での注意点
さまざまなメリットを得られるコンポストですが、取り組む上での注意点があります。コンポストの注意点を守らないと臭いや害虫が発生する恐れがあるため、正しく取り組むことが大切です。
コンポストに入れて良いものと悪いものを把握する
コンポストに入れて良いものは、ご飯やパン、麺などの穀物類、野菜、肉、魚など人が食べる生ゴミです。一方、玉ねぎやニンニクの皮、肉や魚の骨、卵の殻、果物の種は分解するのに時間がかかってしまいます。また、腐った生ゴミや割り箸、ビニールなども入れてはいけません。
堆肥を早く作るために、あらかじめ材料を細かくしておき、新鮮なうちに作ることが大切です。水分が多いとカビが発生したり、腐ってしまったりするので、しっかり水を切るようにしましょう。
コンポストを配置する場所を考える
コンポストは日当たりが良く、排水ができ、風通しの良いところに置いてください。直射日光がコンポストに当たってしまうと微生物が死んでしまう恐れがあります。暑くなる夏は、コンポストにシートをかぶせて暑さ対策をしましょう。
設置するタイプによっては場所が限られてしまうので、どこに置くのかを考えてから購入することをおすすめします。臭いを発生させる可能性もあるので、マンションなどは注意が必要です。
コンポストに悪臭や害虫が発生しないようにする
コンポストによって臭いは異なりますが、問題なく発酵していれば悪臭は発生しません。悪臭が発生するのは、攪拌(かくはん)が足りなかったり、水分量が多かったりするからです。下からしっかり混ぜたり、生ゴミの投入を2〜3日休んだりすると分解が促されて改善します。
小バエなどの虫の卵が腐葉土に混入すると虫が発生してしまうので、使用する前に熱湯をかけると防げるでしょう。発酵が順調に進んでいれば、コンポスト内部の温度が50度くらいまで上がるため、虫や虫の卵は死滅します。
できた堆肥の活用方法
コンポストで作られた堆肥は、家庭菜園やガーデニングに活用できます。自家製の堆肥は栄養素が豊富。保水性や排水性、通気性が高く、ふかふかの土になります。
堆肥の使用量は1平方メートルあたり2〜3キログラムが目安ですが、かための土にまくのであれば多めにすると良いでしょう。まくタイミングは種まきをする2週間前がおすすめです。
自分にも地球にも優しいコンポストを始めてみよう
コンポストは自宅から出るゴミを減らすことができ、自治体の負担を削減できます。また、環境にも配慮ができるため、積極的に行いたい取り組みです。大きさや使用方法などさまざまな種類があるので、ライフスタイルに合ったコンポストを選んで始めてみましょう。
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