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コラム

【連載 vol.43】フェアトレードとは?キャンペーンやサステナビリティとの関係性について

「クローゼットからはじまるサステナブル」では、「サステナビリティ×ファッション」をテーマに、決して難しくない、肩のチカラを抜いてサステナブルファッションを取り入れるヒントをエシカルコーディネーターのエバンズ亜莉沙さんが紹介。5月のフェアトレード月間に合わせて、改めてフェアトレードについてフォーカスします。

5月は「フェアトレード月間」

フェアトレード月間が分かる画像

ちょうど2年前の2021年5月にも本連載で「フェアトレード」についてとそれに関連する「ミリオンアクションキャンペーン」を紹介しました。

このキャンペーンは、「フェアトレード月間」である5月にフェアトレードの認知拡大と生産者への支援の強化月間として行われていて、今年で3回目を迎えます。
実は、私自身昨年(2022年)から2年連続、今年(2023年)も同キャンペーンのアンバサダーを務めることになりました!

改めて、フェアトレードとはどのような仕組みで、どう社会や環境、私たちに影響しているのかを解説していきます。加えて、本キャンペーンの今年のテーマについても紹介。

「フェアトレード」とは

フェアトレードとは

「フェアトレード」の仕組み

フェアトレードの説明画像

以前の記事に詳しく書いているので今回は簡単に!
フェアトレードとは直訳すると、「公正な取引」。

生産者が人間として当たり前の暮らしができるよう、適正な価格で取引をする仕組みのことを言います。

「フェアトレード」が生まれた背景

当たり前ですが、私たちが日々食べたり、身につけたりしているものはだれかが地球の資源を使って作ったもの。

生産の裏側には、貧困、児童労働や違法採掘、紛争まで、様々な課題があることはみなさんすでにご存知かもしれません。

例えば、
生活が苦しいことにより、子どもにも働いてもらわざるおえない
→子どもが教育を受けられず育つ
→より良い仕事につけない
→また将来の子どもも労働せざるおえない

こうした悪循環が生まれることもあるんです。

全てのものにそうした悲しい背景があるわけではありませんが、まだまだ多いのも事実。

「フェアトレード」の基準

そんな中でモノの選び方の基準の一つになってくれるのが、「フェアトレード」の認証マーク!
フェアトレードにも認証のあるものないものがありますが、認証があるものは、以下の五つが基準とされています。そのため、実際に生産の現場を見ることがなかなかできない消費者側としては、信頼・安心して商品を選ぶ上でわかりやすい基準になるのではないでしょうか。

フェアトレードの5つの基準

「フェアトレード」と聞くと、生産者の人権についての取り組みのイメージが強いかもしれません。実は「⑤環境に優しい生産」にもあるように、環境とも密接していることをみなさんはご存じでしたか?

以下のインスタグラムの動画が⑤について分かりやすく紹介してます。

動画にあるように、気候変動への加担が少ない地域が環境の変化の影響を最も受けてしまっているという現状があるんですね。なのでやはり、今後も美味しいチョコレートやコーヒーが生産できるようにするためには、一人一人が環境にも配慮しながら適正な価格での取引を行うということがとっても重要になってきます。
また適正な価格で取引を行うことは、生産者の生活を守ることに繋がり、それによって違法採掘や密猟など地域の自然を壊す必要もなくなり、より社会にとっても環境にとっても持続可能な仕組みを確立していけます。
まさにこれはサステナブルな好循環を作り出すことができる仕組みなのではないでしょうか。

「ミリオンアクションキャンペーン」とは

ミリオンアクションキャンペーン画像

『Fairtrade Million Action Campaign
 あなたのアクションが生産者への寄付に』

「期間中(5/1-5/31)に、日本全国でフェアトレードの「商品購入」「SNS投稿」「イベント参加」などのフェアトレードに関するアクションを行うと、1アクションにつき1円が途上国の生産者への寄付になる」というもの!

そのアクションを、フェアトレードラベルジャパン運営事務局が集計し、フェアトレード・インターナショナルのメンバー組織である中南米生産者ネットワークCLACを通して、途上国の生産者組合へ寄付金として届けてくれるんです。

寄付金は、今年のキャンペーンテーマのひとつ「環境」に関する取り組みである、気候変動基金として、各生産者組合の実施する事業に充てられます。

ちなみに今年私が一緒にこちらのキャンペーンアンバサダーを務めるのは、以下のみなさん!

アンバサダー一覧

左上から
・起業家/モデル/タレント 吉川ひなのさん
・女子スキージャンプ選手 髙梨沙羅さん
・元ラグビー日本代表キャプテン 廣瀬俊朗さん
・セント・フォース取締役 望月理恵さん
・ジャーナリスト/映画監督 堀潤さん
・一般社団法人エシカル協会代表理事 末吉里花さん
・執筆家 四角大輔さん
・エシカルコーディネーター エバンズ亜莉沙
・社会活動家 辻井隆行さん
・ナビゲーター ノイハウス萌菜さん

こんなにも素敵なみなさんと並ばさせていただき本当に光栄に思っています。
ぜひ他のみなさんの発信もご覧ください!

キャンペーン参加方法

キャンペーンへの参加方法は簡単&様々!
例えば、以下のフェアトレードに関する「アクション」がカウントされていきます。

フェアトレードの商品を購入する

参加企業からのアイテム1点の購入につき1アクションとしての換算になります。
身近なイオンさんやOGAWAコーヒーさん、エスビーさんも対象!
他にも多くの企業や団体が参加しているのでぜひぜひ探してみてください。

SNSで #Fairtrade2023 をつけて発信

購入したアイテムの写真を撮って投稿すれば×2アクションにできちゃいます!
投稿した方の中から、抽選でプレゼントも当たるそうですよ♪

全国各地で開催されるフェアトレードに関するイベントに参加

個人的にはこちらのイベントが気になっていて、ファッションに興味のあるみなさんにも是非ぜひお勧めしたいと思いました!

【イベント詳細】
FASHION REVOLUTION 2023 TALK
2023年5月20日(土)12:00 配信
「Making Better Choices as a Consumer より価値観にフィットする買い物をするために」

ゲスト:ゴードン・レヌーフ(Good On You 共同設立者)
モデレーター:マルティンメンド有加(FASHION REVOLUTION JAPAN プロデューサー)

参加方法:録画配信
使用言語:英語(日本語字幕付き)

実は、今年2023年4月24日はラナ・プラザの悲劇から丸10年と節目の年でもあります。ファッション産業が大きく揺れるきっかけになったこの事故。そこからこの10年でどこまでの変化があったのでしょうか。私もこちらのイベントを通して学べたらと思っています!

ここ数年で認知度も市場規模も大きく伸びてきている「フェアトレード」。
ですが、海外と比べると実はまだまだ日本国内では、市場の伸びしろがあるということも調査でわかっています。

フェアトレード認証製品統計市場規模と国民一人当たりの年間購入額

サステナブルな社会を実現する上でも、欠かせない「フェアトレード」。
ぜひこの機会に、普段の生活のなかでも「フェアトレード」に注目してみてくださいね。
みなさんとのシェアを楽しみにしています!

writer profile
エバンズ亜莉沙
サムネイル: エバンズ亜莉沙
エバンズ亜莉沙(えばんず・ありさ):学生時代 米国オレゴン州で環境科学の授業に出会ったことをきっかけに、自分と世界の繋がりに気づく。2015年日本に帰国後、国際NGOでインターンをしながら、エシカル協会主催 フェアトレードコンシェルジュ認証 21歳で取得。同年世界一周を経験し、様々な人や文化に触れたことでさらに世界の抱える問題や解決策に興味関心を抱く。現在はフリーランスで『サステナブル』や『世界に自分に優しいライフスタイル』をキーワードに、SNSを中心とした発信、イベントへの登壇や、様々なプロジェクトのディレクター / コーディネーターを務める。